R7 茨城県立看護大学校 助産学科対策:茨城県立中央看護専門学校 過去問/解説+詳細講義付/学費 倍率 入試 オープンキャンパス

茨城県立中央看護専門学校の助産学科を受験する方にとって、筆記試験対策をどうすればよいか思い悩んでいる方もいるでしょう。助産学校だから母性看護学を重点的にやればいいのか。それとも看護師国家試験の過去問を全部やればいいのか。基礎看護や地域、倫理まで戻った方がいいのか。このあたりが分からないまま、ひたすら国試問題集を解いている受験生も少なくありません。
今回は、2025(令和7)年度に実際に実施された茨城県立中央看護専門学校 助産学科の一般入学試験の過去問題に対して解答解説講義を付けました。
表紙には「試験問題の数は50問」「試験時間は60分」と明記されています。つまり1問に使える時間は平均して約1分12秒。これだけを見ると、看護師国家試験の四肢択一問題をテンポよく解けばいい試験に見えます。
ところが、実際に問題を一問ずつ確認すると、そんなに単純ではありませんでした。
出題範囲が広い
令和7年度の問題を見ると、助産学科だからといって妊娠・分娩・産褥だけが出ているわけではありません。
試験の序盤から、死にゆく人の心理過程、看護倫理、アドボカシー、クリティカルシンキング、看護技術、感染性廃棄物、導尿、車椅子移送、入浴、創傷治癒、バイタルサイン、気管吸引、嚥下障害、地域包括ケア、継続看護などが普通に出題されています。
その後に戸籍法、人口動態統計、性の多様性、生殖内分泌、避妊、不妊治療、更年期、流産、妊娠、分娩、産褥、新生児へと移っていきます。
つまり、「母性看護学だけ得意なら何とかなる」という試験ではありません。
看護師として身につけているはずの基礎知識を確認したうえで、後半では助産師を目指す受験生として母性・新生児の知識を問う。令和7年度の問題を見る限り、この二段構えになっています。
ただの看護師国家試験対策でも足りません
では、看護師国家試験の過去問を何年分も解けばよいのか。
ここも少し違います。
実際の問題には、国試でよく見るような基本事項もかなり含まれています。しかし、問題を詳しく見ていくと、看護基礎教育の教科書レベルの細かな知識をそのまま聞く問題もあります。
例えば、一時的導尿で女性の尿道へカテーテルをどの程度挿入するのか。感染性廃棄物のバイオハザードマークは何色なのか。車椅子で患者を坂道から下ろすときはどの方向を向くのか。気管吸引を1回何秒程度で終えるのか。
看護師になってから日常的に使っていない知識は、意外と抜けています。
しかも受験生は全員、看護師免許取得者または取得見込み者です。「昔勉強したから大丈夫」ではなく、基礎看護までかなり戻った方がいい試験です。
令和7年度は「50問・60分」。難問より取りこぼしが怖い
この試験で怖いのは、ものすごい難問が50問並んでいることではありません。
むしろ逆です。
知っていれば数秒で答えられる問題が多いからこそ、一つの曖昧な記憶で簡単に1点を落とします。
例えば、「それはプロラクチンだったか、オキシトシンだったか」「分娩第3期はどこからどこまでだったか」「前期破水と早期破水はどう違ったか」といった内容です。
一つ一つは看護学生時代に勉強しています。
しかし、卒業して臨床へ出て数年経つと、この「知っていたはずの知識」が一番危ない。
助産学校受験では専門性の高い勉強ばかりに目が向きますが、令和7年度の実物を見る限り、基礎を落とさないことの方がかなり重要だと分かります。
なお、医療系の入試問題では、問題を解くこと以上に、その正答が本当に正しいかを確認する作業が必要です。つまり、リーズニングです。
さらに、問題そのものに疑問が残る設問もあります
令和7年度の50問を確認していて、もう一つ気になったことがあります。
学校側が想定したであろう正答は推測できても、現在の医学的な一次情報に照らすと「この選択肢だけを正答にするのは難しいのではないか」という問題が含まれています。
典型的なのが妊娠中の飲酒に関する問題です。
一つの選択肢だけを正答として作ったものと思われますが、日本産婦人科医会や厚生労働省の現在の資料まで確認すると、複数の選択肢について医学的な関連が認められます。
つまり、過去問だからといって問題文そのものが絶対ではありません。
私は今回、こうした問題について無理に「正答はこれです」と片付けず、「学校が想定したと思われる正答」と「現在の医学的評価」を分けて解説しています。
ここまでやらないと、2027年度の受験生に古い知識や不正確な知識を覚えさせてしまうからです。
ここも2027年度受験生は知っておいた方がいいです。茨城県の公式情報では、助産学科は2026年4月から「茨城県立看護大学校」へ移行しています。従来の茨城県立中央看護専門学校で実施された令和7年度問題は、今後の試験対策を考えるうえで非常に重要な過去問ですが、学校名称や制度については現在の情報と分けて確認する必要があります。
この過去問、かなり使えます
私は過去問を見るとき、単に「去年は何が出たか」だけを見ません。
もっと重要なのは、「この学校が受験生にどの程度の細かさまで求めているか」です。
令和7年度を見ると、茨城県立中央看護専門学校の助産学科は、助産領域だけを深く掘る試験ではありません。基礎看護から母性、新生児までかなり広く、しかも一問一問は比較的基本的な知識を正確に答えさせています。
だからこそ対策の方向が見えてきます。
ものすごくマニアックな助産学の知識を先に詰め込むより、まず看護師として学んだ基礎知識を復元し、そのうえで母性・助産・新生児を重点的に仕上げる。
この順番の方が、令和7年度の出題には合っています。
かなり出題者の癖が見えてきました
例えば、倫理や看護技術を単純なサービス問題として扱っていないこと、法律・統計を混ぜていること、生殖内分泌から不妊、更年期へつなげていること、そして最後に妊娠・分娩・産褥・新生児へ重点を移していることが分かります。
さらに興味深いのは、問題の聞き方です。
「正しいもの」を選ばせる問題だけではなく、「誤っているもの」もかなり入っています。
本番では、知識そのものを持っていても、「正しいのか、誤っているのか」を読み飛ばした瞬間に落とします。
50問を60分で解くからこそ、こうした単純なミスも起こりやすい。
過去問演習では正答率だけでなく、設問を正確に読む練習も必要です。
今回は正答だけではなく、全選択肢を確認します
有料部分では、令和7年度の看護学について、問題文を確認したうえで正答と解説を掲載していきます。
ただし、「正答はcです」で終わる解説にはしません。なぜcなのかだけでなく、a、b、dはどこが違うのかまで分かるようにします。
さらに、古い教科書と現在の基準に差があるもの、出題時の学校側の想定正答と現在の医学的評価が必ずしも一致しないものについては、その違いも説明します。
助産学校の入試問題は、過去問そのものを暗記しても次年度に同じ問題が出るわけではありません。
必要なのは、この一問から何を覚えるかです。
一つの過去問から周辺知識まで押さえておけば、翌年に聞き方を変えられても対応できます。
2027年度受験生は、まず令和7年度50問を完璧にした方がいい
ただ一周解くだけでは足りません。
なぜその選択肢が正しいのか。他の選択肢のどこが違うのか。同じ分野から別の聞き方をされたら答えられるのか。ここまで確認して、初めて過去問をやったことになります。
特に茨城県立中央看護専門学校の令和7年度問題は、看護師国家試験の復習と助産学校入試対策を同時に行う教材としてかなり使いやすいです。
一問ずつ徹底的に潰していきます。
ここから有料部分です
ここからは、2025(令和7)年度に実施された茨城県立中央看護専門学校 助産学科「看護学」の過去問について、問題ごとの正答と解説を掲載します。
解説では、問題冊子に残っている手書きの丸印を正答として採用するのではなく、2026年現在確認できる一次情報をもとに一問ずつ再判定しています。
また、学校側の想定正答と現在の医学的な情報にずれがある問題や、単一選択問題として疑問が残る設問についても、そのままにせず理由を説明します。
過去問を「答えを覚えるもの」ではなく、次年度の問題を解くための教材として使ってください。
令和7年度 茨城県立中央看護専門学校 助産学科 過去問題
問題1
キュブラーロスによる死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。
a. 怒り
b. 受容
c. 抑うつ
d. 引き取り
※「引き取り」は画像に印刷されている表記をそのまま転記しています。キューブラー・ロスの理論上は「取引」が通常の用語なので、原問題側の誤植と考えられます。
問題2
倫理原則とその内容の正しい組合せはどれか。
a. 正義・公正 ……… 患者に対して有害なことをしない。
b. 自律尊重 ……… すべての患者に平等に医療を提供する。
c. 善行 ……… 患者の利益が最大となる医療を提供する。
d. 無危害 ……… 患者が自分のことは自分で決めることを認める。
問題3
看護師が行う患者のアドボカシーとして正しいのはどれか。
a. 患者の意見を代弁する。
b. 科学的根拠に基づいた医療を提供する。
c. 患者とその家族を交えてカンファレンスを行う。
d. 治療の方法や問題点などの説明をし、患者が納得した上で治療を受けてもらう。
問題4
クリティカルシンキングについて誤っているのはどれか。
a. 批判的な思考のことである。
b. 根拠に基づいて考えることである。
c. 訓練することができる能力である。
d. 目の前にある状況をそのまま受け入れることである。
問題5
氷枕の作り方として誤っているのはどれか。
a. 内部の空気を抜く。
b. 濡れたタオルで覆う。
c. 逆さまにしても水漏れがないことを確認する。
d. 2/3程度の氷を入れ、氷と氷の隙間を埋める程度に水も入れる。
問題6
患者に対して口腔ケアを実施する際に使用した手袋を廃棄する容器はどれか。
a. 非感染性廃棄物用の容器
b. 黄色バイオハザードマーク付きの容器
c. 橙色バイオハザードマーク付きの容器
d. 赤色バイオハザードマーク付きの容器
問題7
成人女性の一時的導尿においてカテーテルを挿入する長さとして正しいのはどれか。
a. 1〜3cm
b. 4〜6cm
c. 9〜11cm
d. 16〜20cm
問題8
車椅子による移送について誤っているのはどれか。
a. 段差を上るときは、前輪を浮かせる。
b. 患者が乗り降りするときは、フットレストを下げる。
c. 急な坂道を下るときは、患者の背中が坂の下方向に向くように後ろ向きに下りる。
d. エレベーターに乗るときには、原則として出る時に前向きになるように後ろ向きに入る。
問題9
入浴の静水圧作用として誤っているのはどれか。
a. 血圧が上昇する。
b. 心拍出量が増加する。
c. 自律神経を刺激する。
d. 静脈還流量が増加する。
問題10
創傷の治癒過程における増殖期の説明として正しいのはどれか。
a. 肉芽組織を形成する。
b. コラーゲンが成熟し、瘢痕組織となる。
c. マクロファージによって創内が清浄化される。
d. 出血後、血小板などが凝集・粘着し出血を止める働きをする。
問題11
成人の安静時におけるバイタルサインで基準値から逸脱しているのはどれか。
a. 体温 36.0℃
b. 脈拍 75回/分
c. 呼吸数 15回/分
d. 血圧 150/90mmHg
問題12
成人の気管吸引について誤っているのはどれか。
a. 無菌操作で行う。
b. 1回の吸引時間は30〜40秒とする。
c. 一時的吸引法における吸引圧は-150mmHgとする。
d. 吸引チューブを閉塞させた状態で静かに挿入する。
問題13
嚥下障害のある患者への援助として正しいのはどれか。
a. 流動食にする。
b. 次々と食べ物を口に運ぶ。
c. 頸部が後屈した体位をとる。
d. 唾液の分泌促進のため食前の口腔ケアを行う。
問題14
地域包括ケアシステムの考え方として正しいのはどれか。
a. 通所介護は、介護分野の「施設・居住系サービス」に含まれる。
b. 地域包括支援センターは、相談業務やサービスのコーディネートを行う。
c. 病気になった場合は、日常の医療も入院医療も急性期病院が最初の担当となる。
d. おおむね1時間以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定されている。
問題15
継続看護について正しいのはどれか。
a. 看看連携とは、医師が「診療情報提供書」を作成して、患者の紹介や受け入れを行うことである。
b. 退院後の患者に在宅看護でも一貫した看護を続けるためには、病棟看護師と訪問看護師は同じ看護師でなければならない。
c. 患者の居場所が変わる場合は治療方針が変わる可能性があるため、看護師間で継続してケアが必要な事項を共有する必要はない。
d. 継続看護とは、患者の生活の場がどこに移動しても、その人への看護が途切れることなく継続して受けられるようにすることである。
問題16
戸籍法について正しいのはどれか。
a. 出生の届出について定められている。
b. 死産の届出について定められている。
c. 出生の届出は、7日以内に届け出なければならない。
d. 出生の届出は、父または母の本籍地に届け出なければならない。
問題17
日本の人口動態統計における妊産婦死亡について正しいのはどれか。
a. 日本の妊産婦死亡率は増加傾向にある。
b. 妊産婦死亡とは、妊娠中または分娩後28日未満の女性の死亡をいう。
c. 妊産婦死亡率は、1年間の出産数10万に対する1年間の妊産婦死亡数で示す。
d. 妊産婦死亡のうち、妊娠や分娩に付随した原因によるものを間接産科的死亡という。
問題18
性の多様性を表すLGBTという言葉のうち、「性自認が生物学的性あるいは出生時に割り当てられた性別と異なる人」を表すのはどれか。
a. L
b. G
c. B
d. T
問題19
月経周期とホルモンについて誤っているのはどれか。
a. 黄体期は基礎体温が上昇する。
b. 子宮内膜の剝離に伴う出血を月経という。
c. 卵胞期には子宮内膜はプロゲステロンの作用で増殖する。
d. LHサージがおこり排卵を促すとともに、卵胞の黄体化を指令する。
問題20
ルービン、R.による母親役割獲得過程における空想はどれか。
a. 知人の出産体験を聞く。
b. 人形で沐浴の練習をする。
c. 看護師の児の抱き方を見る。
d. 購入する育児用品を考える。
問題21
避妊法について正しいのはどれか。
a. 子宮内避妊器具(IUD)は未産婦に適する。
b. 経口避妊薬の避妊効果は90%程度である。
c. コンドーム法は1年間の失敗率が10%以上と高い。
d. 基礎体温法は副作用がなく、月経不順の女性に有用である。
問題22
不妊治療について正しいのはどれか。
a. タイミング法は生殖補助医療である。
b. 基礎体温測定は毎朝覚醒時に腋窩で行う。
c. 精子頸管粘液適合試験(フーナーテスト)は排卵期の性交前に行う。
d. 排卵日に合わせて採取した精子を子宮腔内に注入する方法を人工授精という。
問題23
エストロゲンの低下が更年期以降の女性に与える影響として誤っているのはどれか。
a. 骨粗鬆症をおこしやすい。
b. HDLコレステロールが上昇する。
c. 腟が萎縮し、腟炎がおきやすくなる。
d. 動脈硬化が促進され、脳血流量が減少する。
問題24
流産の説明として誤っているのはどれか。
a. 妊娠12週未満の流産を早期流産という。
b. 妊娠12週以降22週未満を後期流産という。
c. 妊娠22週未満に妊娠が中絶した場合をいう。
d. 子宮内で胎児死亡後、症状のないまま子宮内に停滞している状態を不全流産という。
問題25
妊娠期の飲酒の影響として正しいのはどれか。
a. 流産率が高くなる。
b. 胎盤血流量の低下を引き起こす。
c. 低出生体重児の出生率が高くなる。
d. 行動・学習障害を引き起こすリスクが高まる。
問題26
妊娠期のマイナートラブルと予防の組合せとして正しいのはどれか。
a. つわり ……… 適度な運動
b. 腰背部痛 ……… 食事を少量ずつ頻回に摂取
c. 便秘 ……… かための布団またはマットレスの使用
d. 下肢の痙攣 ……… カルシウムおよびビタミンの十分な摂取
問題27
分娩第3期として正しいのはどれか。
a. 排臨から発露まで
b. 胎児娩出から胎盤娩出まで
c. 分娩開始から子宮口全開大まで
d. 子宮口全開大から胎児娩出まで
問題28
正常な産褥の経過として正しいのはどれか。
a. 授乳は子宮収縮を促す。
b. 産褥2日頃までの悪露は透明な分泌液である。
c. 子宮が妊娠前の大きさに戻るのは分娩後1週間である。
d. 子宮底の高さは分娩後上昇することなく下降し続け妊娠前に戻る。
問題29
出生直後の正常新生児の特徴として誤っているのはどれか。
a. 大泉門が平坦である。
b. 視力は0.02〜0.05程度である。
c. 初回排便は黄色の普通便がみられる。
d. 生理的黄疸は生後4〜5日後にピークを迎える。
問題30
新生児聴覚スクリーニングについて正しいのはどれか。
a. 出生当日に行う。
b. 保護者の同意は不要である。
c. 先天性難聴の早期発見を目的としている。
d. 音に対する反応を脳波で検出する方法をOAE(耳音響放射)という。
問題31
正常な胎児の分娩機転について誤っているのはどれか。
a. 胎児の小泉門が先進する。
b. 胎児の顔は、前頭部、顔面、頤の順に娩出される。
c. 骨盤底では児頭の矢状縫合は母体の骨盤の横径に一致する。
d. 胎児の肩甲が母体の骨盤の縦径に一致する方向で娩出される。
問題32
子宮口全開大のころに起こる破水として正しいのはどれか。
a. 前期破水
b. 早期破水
c. 適時破水
d. 遅滞破水
問題33
産褥期の乳汁分泌について正しいのはどれか。
a. 産後3〜4日頃に分泌される乳汁を成乳という。
b. 母乳には免疫グロブリンIgAが多く含まれている。
c. 乳児の吸啜刺激によりプロラクチンが分泌され射乳がおこる。
d. 乳頭から乳管を経由する細菌感染が原因で生じる乳腺炎をうっ滞性乳腺炎という。
問題34
産褥期の正常な変化として正しいのはどれか。
a. 妊娠中に減少した心拍出量が分娩後に増加する。
b. 循環血液量は、産褥3週までに非妊時の値に回復する。
c. 授乳婦、非授乳婦ともに分娩後平均約30日で月経が再開する。
d. 腎血漿流量と糸球体濾過量は、産褥3週までに非妊時の値に回復する。
問題35
バースレビューについて正しいのはどれか。
a. 産婦が心身ともに落ち着いた出産1週間以降に実施する。
b. バースプランを聞いている場合は、それが実現できたかどうかを判定する。
c. 産婦が出産に立ち会った看護師や助産師とともに、自らの出産体験を振り返るものである。
d. 出産に関する計画や希望する介入または避けたい介入について、医療者に伝えることである。
問題36〜38 次の文を読み、問いに答えよ
Yさん(30歳、会社員、初妊婦)は、夫と暮らしている。身長は160cm、非妊娠時体重54kgである。仕事は立ち仕事が多く、残業が月に40時間前後ある。10月1日に月経の遅れと悪心があり、市販の妊娠反応薬で陽性を示したため、産婦人科を受診した。最終月経は、8月14日から20日の6日間であった。超音波検査で子宮内に胎囊(GS)と胎児心拍が確認され、尿検査にて尿蛋白(-)、尿糖(-)、ケトン体(-)であった。血液検査の結果はHb 12.5g/dL、Ht 35%、血糖90mg/dL。看護師に「尿の回数が多く、身体が重く疲れやすいため残業ができるか不安です」と訴えた。
問題36
このとき看護師の対応として、最も適切なのはどれか。
a. 次回2週間後の予約をとる。
b. 血糖値が高いため食事の時間を確認する。
c. 貧血のため鉄分の多い食品を摂るように指導する。
d. 「いまの時期には頻尿傾向になることがある」と説明する。
問題37
Yさんが今後適用となる制度と、その制度が定められている法律の組合せとして、正しいのはどれか。
a. 時間外労働の制限 ― 労働基準法
b. 産前妊娠6週間の休業 ― 母子保健法
c. 出産後8週間の就業禁止 ― 男女雇用機会均等法
d. 妊婦健康診査受診のための時間確保 ― 育児・介護休業法
問題38
妊娠36週0日の妊婦健康診査においてNST(non-stress test)を行うことになった。Yさんへの説明で適切なのはどれか。
a. 仰向けで行うことを説明する。
b. 所要時間は10分間であると説明する。
c. 事前に排尿をすませておくように説明する。
d. 固定用ベルトは1本のみ使用すると説明する。
問題39
Zさんは妊娠37週3日に胎位異常のため予定帝王切開術となった。術後の経過は母児ともに順調である。Zさんへの看護として、最も適切なのはどれか。
a. 術後当日は、出生児とは対面せず、体力の回復に努める。
b. 母子の状態が安定している場合、産褥2日目に初回授乳をする。
c. 自責の念にとらわれる場合もあるので、話を積極的に傾聴する。
d. 深部静脈血栓症の予防のため、産褥3日目から弾性ストッキング着用を推奨する。
問題40
Zさんが出産した新生児は2,500gで出生した。生後4日目の状態で、正常を逸脱しているのはどれか。
生後4日目、児の体重は2,480g、体温37.1℃、呼吸数45回/分、心拍数148回/分である。顔面、胸部の皮膚に黄染がみられ、血清総ビリルビンは10.0mg/dL、児の皮膚は乾燥しており、一部がはがれている。昨日の児の便は黒緑色であった。授乳時少量の母乳を吐いている。
a. 体重減少率
b. 黒緑色の便
c. 授乳時の少量の吐乳
d. 血清総ビリルビン値
問題41
児童憲章について正しいのはどれか。
a. 18歳未満の者を「児童」と定義している。
b. 「児童は、人として尊ばれる」と記されている。
c. 国連において採択され、日本は1994年に批准した。
d. 保護者のみでなく国や地方公共団体が児童を育成する責任を示している。
問題42
子どもの発達について正しいのはどれか。
a. 身体の下部から頭部の方向へ発達が進む。
b. 発達には連続性があり、速度は一定である。
c. 運動機能の発達は、微細から粗大の方向に進む。
d. 子どもの成長・発達は、内的因子だけでなく外的因子の影響も受ける。
問題43
乳歯について正しいのはどれか。
a. う蝕になりにくい。
b. 全部で20本である。
c. 7歳頃に生えそろう。
d. 1歳頃から生え始める。
問題44
麻疹罹患後の児童の登校開始可能時機について正しいのはどれか。
a. 発疹が消失するまで
b. 解熱後3日を経過するまで
c. すべての発疹が痂皮化するまで
d. 発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで
問題45
乳児の安静時におけるバイタルサインで基準値から逸脱しているのはどれか。
a. 体温(腋窩):37.1℃
b. 血圧:85mmHg
c. 呼吸数:35回/分
d. 脈拍数:90回/分
問題46
児童虐待について正しいものはどれか。
a. 児童に食事を与えないことは、身体的虐待にあたる。
b. 児童にわいせつな行為をすることは、心理的虐待にあたる。
c. 児童が虐待を受けたと思われる場合は、通告義務の対象外である。
d. ネグレクトを受けている児の一時保護を行うのは、児童相談所である。
問題47
溺水して意識のない小児への救急処置で最も優先されるものとして、正しいのはどれか。
a. 保温をする。
b. 水を吐かせる。
c. 呼吸の有無を確認する。
d. 心臓マッサージを開始する。
問題48
先天異常について正しいのはどれか。
a. ターナー症候群は高身長になる。
b. 先天異常は環境的な要因は関与しない。
c. クラインフェルター症候群は低身長になる。
d. ダウン症児は出生時から筋緊張が弱いという身体的特徴がある。
問題49〜50 次の文を読み、問いに答えよ
Cちゃん(3歳、男児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。生後8か月のときに、牛乳による食物アレルギーと診断され、医師の指示で牛乳の除去食療法をしていた。保育所では牛乳を除去した給食が提供されている。Cちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の牛乳を摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現したため、保育士に連れられて救急外来を受診した。Cちゃんは保育士に抱っこをされてぐったりしている。
問題49
受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。
a. 体重
b. 心拍数
c. 腹部膨満
d. 蕁麻疹の範囲
問題50
Cちゃんの母親は、「牛乳を除去した給食を出してもらっていたのですが、Aの保育所での生活や将来が心配です」と不安な様子である。
このときの母親への説明として最も適切なのはどれか。
a. 「別の保育所への転所を検討してはどうですか」
b. 「給食内容を保育所の栄養士に確認しましょう」
c. 「成長とともに牛乳を飲めるようになる子どもは多いですよ」
d. 「Cちゃんに保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」
正答・解説講義
問題1 正答 a
キューブラー・ロスが示した死の受容過程は「否認→怒り→取引→抑うつ→受容」の5段階であり、第2段階は「怒り」です。
なお、原問題のdは「引き取り」と印刷されていますが、理論上の第3段階は「取引」です。ここは原問題の誤植とみてよいでしょう。
問題2 正答 c
「善行」は、患者にとって利益となることを行うという倫理原則です。したがって「患者の利益が最大となる医療を提供する」が対応します。
一方、「無危害」は患者に害を与えないこと、「自律尊重」は患者本人の自己決定を尊重すること、「正義・公正」は医療資源や医療機会を公平に扱うことです。厚生労働省の倫理関連資料でも、自律尊重、無危害、善行、正義の4原則はこのように整理されています。
問題3 正答 a
アドボカシーとは、患者の権利や意思を擁護し、必要に応じて患者の意見を代弁することです。
bはEBN・EBMに関係する内容、dはインフォームド・コンセントの説明です。患者が自分の意思を十分表明できない場合にも、その価値観や希望を医療チームへ伝えることが看護師のアドボカシーに含まれます。厚生労働省の看護師国家試験出題基準でも、患者の権利擁護・アドボカシーは看護倫理の学習事項に位置づけられています。
問題4 正答 d
クリティカルシンキングは、得られた情報をそのまま受け入れるのではなく、「根拠は何か」「別の可能性はないか」「情報は妥当か」と吟味する思考です。
したがって「目の前にある状況をそのまま受け入れる」はクリティカルシンキングと正反対です。なお「批判的思考」の「批判」は、他者を否定するという意味ではありません。根拠を吟味し、論理的に判断するという意味です。
問題5 正答 b
氷枕は氷を1/2〜2/3程度入れ、少量の水で氷同士の隙間を埋め、内部の空気を抜いて栓をし、水漏れを確認します。使用時は冷えすぎや皮膚障害を防ぐため、乾いたタオルやカバーで覆います。
したがって「濡れたタオルで覆う」が誤りです。日本赤十字系医療機関の看護教育資料でも、空気を抜くこと、水漏れ確認、氷と水の量など同様の手順が示されています。
問題6 正答 c
感染性廃棄物のバイオハザードマークは、性状によって「赤=液状・泥状」「橙=固形状」「黄=鋭利なもの」と整理されています。手袋は鋭利物でも液体でもなく固形物なので、本問の分類では橙色です。
環境省の感染性廃棄物処理マニュアルでも、固形状の感染性廃棄物は橙色、注射針などは黄色、血液等の液体は赤色とされています。
ただし、実務では「使用した手袋がすべて無条件で感染性廃棄物」という意味ではなく、付着物や患者の感染症、施設の廃棄物管理基準に従います。本問は看護基礎技術上の分類問題としてcを選ばせています。
問題7 正答 b
厚生労働省の臨床実習前技能評価資料では、成人女性の尿道の長さを4〜6cm程度としています。本問のbと完全に一致します。
したがって4〜6cmが正答です。男性では尿道がはるかに長いため、16〜20cm程度という数値と混同しないことが重要です。
問題8 正答 b
患者が車椅子へ乗り降りするときは、足がフットレストに引っ掛かるのを防ぐため、フットレストを上げる・外側へ開くのが基本です。「下げる」が誤りです。
段差を上がる際にはティッピングレバーなどを利用してキャスターを浮かせます。急な下り坂では後ろ向きで下り、患者が前方へ転落する危険を減らします。
問題9 正答 c
ここは写真の手書き丸印とは違います。正答はcです。
水中では静水圧によって下肢などの血液が胸腔内へ移動し、静脈還流量が増えます。その結果、中心血液量や心拍出量も増加します。温水浴の研究でも、静水圧による静脈還流増加に伴って心拍出量が増加することが確認されています。
一方、「自律神経を刺激する」は主に温熱作用などと関連する説明であり、静水圧そのものの代表的作用ではありません。
なお実際の血圧は水温や入浴時間、末梢血管拡張などの影響も受けるため、「入浴すれば必ず血圧が上がる」と一般化してはいけません。この問題は「静水圧作用」を分けて聞いています。
問題10 正答 a
創傷治癒は、大きく止血・炎症、増殖、成熟・再構築という流れで進みます。増殖期には線維芽細胞増殖、血管新生、コラーゲン産生などが進み、肉芽組織が形成されます。
マクロファージによる創内清浄化は炎症期、血小板凝集による止血は初期の止血期、コラーゲン成熟と瘢痕形成は成熟・再構築期です。厚生労働省の看護師国家試験でも、増殖期に血管新生が起こること、成熟期には瘢痕形成がみられることが確認されています。
問題11 正答 d
脈拍75回/分、体温36.0℃、呼吸数15回/分はいずれも安静時成人として大きく逸脱していません。厚生労働省のフィジカルアセスメント資料でも、成人の安静時脈拍は60〜90回/分程度が基準として示されています。
150/90mmHgは高血圧域であり、明らかに基準値から外れます。
問題12 正答 b
気管吸引を1回30〜40秒続けるのは長すぎます。吸引中は換気・酸素供給を妨げるため、低酸素血症などを防ぐ目的で短時間に行う必要があります。
厚生労働省の吸引手技資料では、1回の吸引をおおむね10〜15秒以内とする資料があり、別の公的手技資料でも5〜10秒程度が示されています。成人の吸引圧については機器・手技によって範囲表記に差がありますが、-150mmHg程度は使用され得る範囲です。したがって本問で明確に誤っているのはbです。
問題13 正答 d
嚥下障害患者では、食事前に口腔内を刺激・清潔にすることで、唾液分泌や口腔機能を整えることがあります。
一方、さらさらした流動食は嚥下障害患者では誤嚥しやすく、とろみなど物性調整が必要になる場合があります。次々に食物を入れるのも危険で、一口ごとの嚥下を確認します。また頸部後屈は気道へ流れ込みやすくなるため、基本的には避けます。厚生労働省の摂食嚥下関連資料でも、口腔ケアや食形態・姿勢調整が重要な支援として扱われています。
問題14 正答 b
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防支援、関係機関との調整などを行う地域の中核機関です。したがってbが正しい。
地域包括ケアシステムの日常生活圏域は、一般におおむね30分以内に必要なサービスを利用できる範囲を想定しており、「1時間以内」ではありません。
問題15 正答 d
継続看護は、入院、退院、在宅、施設など生活場所が変わっても、必要な看護が途切れないよう情報と支援をつなぐ考え方です。
同じ看護師がずっと担当する必要はありません。むしろ担当者や施設が変わるからこそ、看護サマリーやカンファレンスなどを通じて必要な情報を共有することが重要です。地域包括ケアでも、医療・介護関係者の連携による継続的支援が重視されています。
問題16 正答 a
戸籍法には出生届について規定があります。出生届は原則として出生の日から14日以内です。7日以内ではありません。
また届出先は父母の本籍地だけに限定されず、出生地や届出人の所在地などでも可能です。死産届については戸籍法ではなく「死産の届出に関する規程」があります。法務省の案内でも出生届の期限と届出先が確認できます。
問題17 正答 c
妊産婦死亡とは、妊娠中または妊娠終了後満42日未満の女性の死亡のうち、妊娠またはその管理に関連した、あるいは妊娠によって悪化した原因による死亡をいい、不慮・偶発的原因を除きます。28日ではありません。
日本の人口動態統計における妊産婦死亡率は、
「妊産婦死亡数 ÷ 出産数 × 100,000」
で示されます。したがってcが正しい。厚生労働省資料にもこの算式が明記されています。
また、妊娠・分娩・産褥そのものの産科的合併症による死亡は「直接産科的死亡」です。間接産科的死亡は、既存疾患などが妊娠の生理的作用によって悪化した場合を指します。
問題18 正答 d
TはTransgenderのTです。出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる人などを表します。
LはLesbian、GはGay、BはBisexualです。写真ではbに丸がありますが、正答はdです。法務省の人権啓発資料でも同様に整理されています。
問題19 正答 c
卵胞期では卵胞から分泌されるエストロゲンの作用によって子宮内膜が増殖します。したがって「プロゲステロンの作用で増殖する」が誤りです。
プロゲステロンは排卵後の黄体から主に分泌され、増殖した子宮内膜を分泌期へ変化させます。また黄体期にはプロゲステロンの体温上昇作用によって基礎体温が高温相となり、排卵直前にはLHサージが起こります。
問題20 正答 d
ルービンの母親役割獲得過程でいう「空想」は、これから生まれる児や育児生活について心の中でイメージすることです。「購入する育児用品を考える」が該当します。
「看護師の児の抱き方を見る」は模倣、「人形で沐浴を練習する」はロールプレイに近い行動です。厚生労働省の看護師国家試験でも、ルービンの母親役割獲得行動について同種の出題があります。
問題21 正答 c
厚生労働省が示す避妊法の一般的使用時の失敗率では、男性用コンドームはおおむね13%程度とされており、「1年間の失敗率が10%以上」というcが正しいです。
一方、低用量経口避妊薬は一般的使用でも避妊効果は90%より高く、現在の資料では失敗率約7%程度です。IUDは未産婦に絶対使用できないわけではありませんが、「未産婦に適する」と一般化するのは不適切です。基礎体温法は月経不順では排卵時期の推定が難しくなります。
問題22 正答 d
人工授精〈IUI〉は、排卵時期に合わせて調整した精子を子宮腔内へ注入する方法です。JSOGも一般不妊治療の一つとして説明しています。
タイミング法や人工授精は一般不妊治療であり、体外受精や顕微授精などが生殖補助医療〈ART〉に当たります。基礎体温は腋窩ではなく舌下で測定します。フーナーテストは性交後の頸管粘液中の精子を評価する検査です。
問題23 正答 b
更年期以降にエストロゲンが低下すると、一般にLDLコレステロールが上昇しやすく、HDLコレステロールは低下方向となります。したがって「HDLコレステロールが上昇する」が誤りです。
またエストロゲン低下は骨量減少・骨粗鬆症、腟粘膜の萎縮・乾燥、脂質代謝悪化などと関連します。厚生労働省の現在の女性健康資料でも同様の変化が示されています。
問題24 正答 d
JSOGでは「妊娠22週未満で妊娠が終了すること」を流産とし、12週未満を早期流産、12週以降22週未満を後期流産としています。したがってa〜cは正しい。
胎児・胎芽が死亡していても排出されず、出血や腹痛などがないまま子宮内に留まっている状態は稽留流産です。不全流産は妊娠内容物の一部が排出されたものの、一部が子宮内に残存している状態です。
よってdが誤り。写真で丸が付いているcは正答ではありません。
問題25 ⚠️この問題は一意に正答を決められない
ここはかなり重要です。学校側はおそらくcを想定した可能性がありますが、現在の一次情報で確認すると、この問題は単一選択問題として成立していません。
日本産婦人科医会は妊娠中の飲酒について、胎児性アルコール・スペクトラム障害〈FASD〉だけでなく、胎児発育不全や流産リスクの上昇を明記しています。またFASDには発達、知的機能、行動、学習などの障害が含まれます。
厚生労働省も、妊娠中の飲酒によって低出生体重や脳障害、学習・記憶などの問題が生じ得ることを示しています。
したがって、
a「流産率が高くなる」→医学的に支持される
c「低出生体重児の出生率が高くなる」→支持される
d「行動・学習障害のリスクが高まる」→支持される
となります。
これはかなり明確な設問不備の可能性があります。「写真でcに丸があるからc」と処理するのはダブルチェックにならないので、ここは有料教材等へ載せる場合にも注記した方がいいです。
問題26 正答 d(ただし注記あり)
入試問題としての想定正答はdです。妊娠中の下肢痙攣〈こむら返り〉では、栄養・電解質、筋疲労、循環変化などが関係するとされ、カルシウム等を含む十分な栄養摂取が従来の看護教材で対策として扱われています。
他の組合せは明確に不適切です。つわりには少量頻回の食事など、腰背部痛には姿勢・適度な運動や寝具調整、便秘には水分・食物繊維・適度な運動などを考えます。
ただし、カルシウムやビタミンの補充が妊娠中の下肢痙攣を確実に予防するという強い現代的エビデンスは十分ではありません。 厚生労働省のサプリメント情報でも一律の補充を推奨する根拠とはなっていません。
したがって「この試験の正答=d」と「臨床でカルシウムを飲めば予防できる」は分けて理解した方がいい問題です。
問題27 正答 b
分娩第3期は胎児娩出から胎盤娩出までです。厚生労働省の分娩関連資料でもこの定義が用いられています。
分娩第1期は分娩開始から子宮口全開大まで、第2期は子宮口全開大から胎児娩出まで、第3期が胎児娩出から胎盤娩出までとなります。
問題28 正答 a
児が乳頭を吸啜するとオキシトシン分泌が促されます。オキシトシンは射乳だけでなく子宮筋収縮も促すため、授乳によって後陣痛が強くなり、子宮復古を促進します。厚生労働省の母性健康管理資料でも授乳・乳頭刺激が子宮収縮を促すことが示されています。
産褥初期の悪露は血性で、透明ではありません。また子宮がほぼ非妊娠時の大きさへ戻るには通常数週間を要し、1週間ではありません。子宮底も分娩直後の膀胱充満などによって高さが影響を受けるため、「一度も上昇することなく下降し続ける」というdは不適切です。
問題29 正答 c
出生後最初の便は**胎便〈meconium〉**で、暗緑色〜黒色の粘稠な便です。黄色の普通便ではありません。WHOの新生児関連教材でも初回便は黒色・タール状の胎便として説明されています。
正常新生児の大泉門は平坦です。膨隆していれば頭蓋内圧上昇など、著明な陥没なら脱水などを考えます。生理的黄疸は出生後すぐではなく数日後に増強し、一般に日齢4〜5頃にピークとなります。
問題30 正答 c
新生児聴覚スクリーニングは、先天性聴覚障害を早期に発見し、精密検査や早期支援へつなぐことが目的です。
2026年8月17日にこども家庭庁の通知も改正されており、現在は初回検査をおおむね生後3日以内に実施する体制が示されています。出生当日に限定されません。
また、OAE〈耳音響放射〉は内耳・蝸牛の反応を測る検査です。脳幹までの電気的反応を測定するのはAABR〈自動聴性脳幹反応〉です。したがってdは両者を取り違えています。
問題31 正答 c
正常な頭位分娩では児頭が十分屈曲し、小泉門側が先進します。児頭が骨盤内を下降すると内旋し、骨盤底付近では矢状縫合が母体骨盤の前後径〈縦径〉方向へ一致するようになります。
したがって、「骨盤底では矢状縫合が横径に一致する」が誤りです。厚生労働省が公開している助産師国家試験関連資料でも、児頭の下降・回旋と矢状縫合の方向を組み合わせて評価する問題が示されています。
問題32 正答 c
陣痛開始後、子宮口全開大前後の適切な時期に自然破水するものが適時破水です。
前期破水は陣痛開始前の破水、早期破水は陣痛開始後で子宮口全開大になる前の破水です。したがって「子宮口全開大のころ」はcとなります。
問題33 正答 b
母乳、特に初乳には分泌型IgAが豊富に含まれ、新生児の消化管などの粘膜面で感染防御に働きます。
aは誤りで、産後3〜4日頃はまだ初乳から移行乳へ向かう時期であり「成乳」とはいいません。cも誤りで、プロラクチンは乳汁産生を促し、射乳を起こすのはオキシトシンです。dのような細菌感染による乳腺炎は感染性乳腺炎であり、乳汁うっ滞を主体とする「うっ滞性乳腺炎」とは区別します。
WHOの母乳育児教材でも、プロラクチンによる乳汁産生とオキシトシンによる射乳は明確に区別されています。
問題34 正答 b(ただし表現に少し注意)
入試上の正答はbです。妊娠中は心拍出量が「減少」するのではなく増加しているためaは最初から誤りです。分娩後は胎盤循環の消失や体液移動によって循環動態が大きく変化し、妊娠中に増加していた循環血液量は産褥期に減少していきます。
cも明確に誤りです。授乳中は高プロラクチン血症などによって排卵が抑制されるため、月経再開は非授乳婦より遅くなる傾向があり、両者一律に「平均約30日」ではありません。
dについても、妊娠中に増加したGFRは産後すぐ完全に正常化するわけではなく、研究では産後2週でも非妊娠時より高く、約1か月で正常化するとするデータがあります。
ただし、ここは少し注意が必要です。「循環血液量が産褥3週で完全に非妊時値」という表現には資料による差があります。産科・看護教育では2〜3週程度とされることが多い一方、血漿量を厳密に測定した研究では3週時点でも10〜15%高く、6週頃に正常化するとの報告もあります。
したがって本試験の想定正答はbで間違いないが、生理学的にはかなり教科書的に単純化された設問と評価した方が正確です。
問題35 正答 c
バースレビューは、産婦が助産師・看護師などとともに自分の出産体験を振り返り、その体験を整理・意味づけしていく支援です。
厚生労働省の検討会資料でも、バースレビューは「女性自身が助産師とともに出産体験を振り返るもの」として扱われています。実施時期も必ず「1週間以降」ではなく、産褥2〜3日頃など母親の状態に応じて行われます。
dはバースレビューではなくバースプランの説明です。bのように「計画どおりできたかを採点すること」でもありません。
問題36 正答 d
Yさんの血糖90mg/dLは高血糖ではなく、Hb 12.5g/dLも妊婦貧血には該当しません。厚生労働省では妊娠性貧血の目安をHb 11g/dL未満などとしています。したがってb、cは不適切です。
妊娠すると子宮の増大などによって膀胱が圧迫され、排尿回数が増えることがあります。厚生労働省の母性健康管理情報でも、妊娠中の頻尿についてこの機序が説明されています。したがって、現在みられている頻尿が妊娠に伴って起こり得ることを説明するdが最も適切です。
問題37 正答 a
妊産婦が請求した場合、事業主は時間外労働、休日労働、深夜業をさせることができません。これは「労働基準法第66条」に定められています。よってaが正答です。
産前6週間の休業と産後8週間の就業制限も労働基準法です。一方、妊婦健康診査や保健指導を受けるための時間確保は「男女雇用機会均等法第12条」に定められています。
問題38 正答 c
NSTは胎児心拍数の変化を一定時間観察する検査です。厚生労働省の国家試験でも、正常なNSTについて「20分間に2回以上の一過性頻脈」が確認事項として扱われており、10分で終了する検査ではありません。
妊娠後期に仰臥位を続けると、増大した子宮による下大静脈圧迫から仰臥位低血圧症候群を起こす可能性があります。厚生労働省の国家試験でもNST中に気分不良となった妊婦を左側臥位へ変更する問題が出題されています。
またNSTでは胎児心拍用と子宮収縮用のトランスデューサーを使用します。検査中の不快感を減らすため、事前に排尿を済ませておく説明が適切です。
問題39 正答 c
帝王切開は母児の安全のために必要な分娩方法ですが、母親が「自分で産めなかった」「自分のせいではないか」と罪悪感や自責感を持つことがあります。こども家庭庁の妊産婦メンタルヘルスケア資料でも、予期しない帝王切開などの出産体験が自己肯定感の低下や自責感につながることが示されています。したがって、その思いを否定せず傾聴するcが適切です。
帝王切開だから産褥2日目まで児と対面・授乳を避ける必要はありません。またVTE予防は産褥3日目から始めるのでは遅く、日本産科婦人科学会は帝王切開後について弾性ストッキング等と早期離床を推奨し、可能な限り術後1日目までの離床を望ましいとしています。
問題40 正答 a。ただし、この問題は少し注意が必要
出生体重2,500gから日齢4で2,480gなので、体重減少は20g、減少率は約0.8%です。新生児では出生後3〜4日までは生理的に体重が減少します。こども家庭庁の発育ガイドでは「出生直後の体重減少は最大10%未満」とされています。
一方、黒緑色の便は異常とはいえません。こども家庭庁の便色カードマニュアルでは、生後2〜4日頃には黒緑色の胎便と黄色便が混じった「移行便」がみられるとされています。したがって写真でbに付けられている手書きの丸は正答とは考えにくいです。
日齢4の総ビリルビン10.0mg/dLも、生理的黄疸が生後4〜5日頃にピークとなる経過と矛盾しません。 少量の溢乳も乳児ではみられる現象で、こども家庭庁の1か月児健診マニュアルでも一般的な症状として扱われています。
したがって学校が想定した正答はaと考えるのが妥当です。ただし、「0.8%しか減っていないこと自体を病的」とする明確な公的下限基準はありません。 現在の一次情報では10%以上の減少を注意すべき基準としているため、この設問はやや作りが甘いと考えます。
問題41 正答 b
児童憲章には冒頭で、
「児童は、人として尊ばれる」
と明記されています。したがってbがそのまま正答です。
18歳未満を「児童」と定義しているのは児童憲章ではなく「児童の権利に関する条約」です。また、国連で1989年に採択され、日本が1994年に批准したのも児童の権利条約です。
問題42 正答 d
子どもの発達は頭部から下肢方向へ進むため、aは逆です。厚生労働省の教育資料でも、「頭部から脚部へ発達する」ことが発達の方向性として示されています。
また発達には一定の順序性がありますが、速度には個人差があり一定ではありません。運動発達も粗大運動から、より精緻な微細運動へ発達していきます。成長・発達には遺伝的・身体的な内的要因だけでなく、栄養、生活環境、養育、遊びなど外的要因も影響するためdが正しいです。
問題43 正答 b
乳歯は上下10本ずつ、合計20本です。こども家庭庁の最新の母子保健資料では、生後6〜8か月頃から生え始め、2歳半〜3歳頃までに20本が生えそろうとされています。したがってbが正答です。
「1歳頃から」では遅すぎ、「7歳頃に生えそろう」も誤りです。7歳頃にはむしろ永久歯への交換が始まっています。
問題44 正答 b
麻疹は学校保健安全法上の第二種感染症で、出席停止期間は原則として**「解熱した後3日を経過するまで」**です。2026年に文部科学省監修で更新された麻しん対応資料でも同じ基準が確認できます。
aの「発疹が消失するまで」は風疹、cの「すべての発疹が痂皮化するまで」は水痘、dの「発症後5日かつ解熱後2日」はインフルエンザの基準です。
問題45 正答 d
厚生労働省の資料では、乳児の脈拍数は安静時でおおむね120回/分前後、呼吸数は30〜40回/分が目安です。したがって呼吸数35回/分は正常範囲ですが、脈拍90回/分は乳児として少なく、基準から逸脱しています。
体温37.1℃も正常範囲で、収縮期血圧85mmHgも乳児として直ちに低血圧と判断する値ではありません。厚生労働省の乳幼児救急基準では、乳児の収縮期血圧80mmHg未満を重症度判断の一つとしています。
問題46 正答 d
食事を与えないことは「ネグレクト」、児童へのわいせつ・性的行為は「性的虐待」です。したがってa、bは誤りです。こども家庭庁も、食事を与えないことをネグレクト、児童への性的行為を性的虐待として明示しています。
また「虐待を受けたと思われる」段階で通告対象になります。確実な証拠がそろうまで待つ必要はありません。児童相談所は児童の安全確保のため必要に応じて一時保護を行う機関であり、dが正答です。
問題47 正答 c
意識のない小児では、まず反応と呼吸を確認し、正常な呼吸がなければ心肺蘇生へ移ります。そのため選択肢の中で最も優先されるのは「呼吸の有無を確認する」です。
溺水児だからといって水を吐かせることを優先してはいけません。こども家庭庁も、意識がなく呼吸が停止している場合には速やかに心肺蘇生を開始するよう示しています。
問題48 正答 d
ターナー症候群では代表的特徴の一つが低身長です。日本小児内分泌学会もターナー症候群を「均整のとれた低身長」と説明しています。したがってaは逆です。
先天異常には遺伝的要因だけでなく、感染、薬剤、アルコールなどの環境要因が関与するものもあるためbも誤りです。クラインフェルター症候群は一般に高身長傾向を示すためcも逆です。
ダウン症候群では出生時から筋緊張低下がみられることがあり、国立成育医療研究センターも「筋肉の緊張が低い」ことを特徴として明記しています。したがってdが正答です。
問題49 正答 b
牛乳摂取後に蕁麻疹と咳嗽が出現し、さらに「ぐったりしている」ため、単なる皮膚症状ではなくアナフィラキシーを強く疑う状態です。
アナフィラキシーでは気道・呼吸・循環・意識状態を最優先して評価します。厚生労働省の緊急対応資料でも、血圧、心拍数、呼吸状態、酸素化を頻回に評価することが示されています。選択肢の中では循環状態を把握できる心拍数が最も優先度が高いためbです。
蕁麻疹の範囲も観察は必要ですが、生命に直結する呼吸・循環より優先するものではありません。
問題50 正答 b
今回重要なのは、母親の不安を単に「転園すればよい」で終わらせることではなく、再発防止のために保育所でどのような食事管理が行われているかを具体的に確認することです。
こども家庭庁の保育所アレルギー対応ガイドラインでは、食物アレルギー児の食事は安全を最優先し、「完全除去」または解除という単純化した対応を基本とし、保護者、医療機関、保育所の各職種が連携して管理することが求められています。したがって栄養士と給食内容を確認するbが最も適切です。
「成長すれば飲めるようになる」と安易に安心させるcは不適切です。食物アレルギーの解除は医師による評価を踏まえて行う必要があります。また3歳のCちゃん本人だけに事故防止の責任を負わせるようなdも適切ではありません。
