スズキ病院附属助産学校 過去問再現問題100問/詳細解説講義付き

【スズキ病院附属助産学校】過去問再現問題100問|助産学校入試対策
スズキ病院附属助産学校を受験する人にとって、最も困ることの一つが「過去問がほとんど手に入らない」という問題です。
助産師学校の入試では、学校によって出題範囲も難易度もかなり違います。看護師国家試験レベルの知識を中心に問う学校もあれば、母性看護学をかなり深く聞いてくる学校、事例問題を中心に看護判断を問う学校もあります。
そのため、ただ看護師国家試験の問題集を解いていればよいわけではありません。
「その学校が、どこを、どの程度の深さで、どのような聞き方をしているのか」
ここを把握して勉強する必要があります。
スズキ病院附属助産学校も同じです。
学校公式サイト上で現在確認できる令和7年度学生募集要項では、一般入試の学科試験は「基礎看護学・母性看護学・小児看護学」、社会人入試では「基礎看護学・母性看護学」とされています。学科試験だけでなく、小論文、出願書類、面接も選考に含まれています。
ただし、ここで分かるのはあくまで「科目」です。
例えば「母性看護学」と書かれていても、妊娠期が中心なのか、分娩期なのか、産褥なのか、新生児なのか。正常経過を聞くのか、異常を聞くのか。単純な知識問題なのか、それとも事例を読ませて看護を選択させるのか。
募集要項だけでは、そこまでは分かりません。
そして、受験対策ではむしろこちらの方が重要です。
スズキの入試問題は「母性だけ勉強すればよい」ではありません
助産師学校を受験するとなると、
「とにかく母性看護学をやらないと」
と考える人が多いと思います。
もちろん母性看護学は重要です。
しかし、今回入手した実際の受験者による出題記録を一つずつ整理していくと、それだけでは不十分であることが分かりました。
スズキでは、助産師を目指す受験生だからこそ押さえておきたい母性看護学の知識だけではなく、看護師として知っておくべき基礎的な知識や、患者・家族を前にしたときの判断まで幅広く確認されています。
しかも、
「用語を知っているか」だけではありません。
短い状況設定を読んで、
「何を確認するのか」
「どの援助を選ぶのか」
「何を優先するのか」
といった形に変えて問われる問題もあります。
ここを知らずに、市販の助産師学校対策問題集を最初から最後まで何となく解いているだけでは、かなり効率が悪いと思います。
今回、実際の出題記録から100問を再構成しました
今回、スズキ病院附属助産学校を実際に受験した人から得られた出題記録をもとに、問題を一つずつ整理しました。
ただし、ここは非常に重要なので明記しておきます。
今回掲載する100問は、学校が公開した公式過去問を転載したものではありません。
また、受験者が試験問題を一字一句記憶していたわけでもありませんが、こんな問題に対してこのような選択肢だった、といった出題内容・論点の記録です。
そこで、その記録から本番で問われた内容を可能な限り崩さないようにしながら、4肢択一形式の問題として再構成しています。
したがって、本記事では「本試験問題そのもの」ではなく、
「受験者の記憶・記録をもとに、実際に出題された論点から再構成した過去問再現問題」
として掲載します。
この違いは明確にしておきます。
100問を作って終わり、にはしていません
ここは今回かなり時間をかけたところです。
再現問題を作るだけにしてはいない。問題は「その答えが本当に正しいのか」です。
看護・助産分野では、古い教科書や昔の国家試験対策で当然のように教えられていた内容が、<現在のガイドラインや研究では違う整理になっている>ことがあります。
また、
「昔の問題集にはこう書いてある」
「ネットではみんなこの答えにしている」
というだけでは、受験生に教える情報としては弱い。
そのため今回の100問については、問題と正答を作成した後、可能な限り、
厚生労働省
日本産科婦人科学会
文部科学省
日本蘇生協議会
日本小児腎臓病学会
日本新生児成育医学会
WHO
などの一次情報・公式資料へ戻って、正答と解説を再確認しています。特に2026年現在の日本産科婦人科学会の診療ガイドラインや、最新の看護師・助産師国家試験、厚生労働省の通知・統計等と照合しています。この作業をしていると、実際に「昔の受験参考書の説明をそのまま使わない方がよい」と判断した論点もありました。
ここは非常に重要です。
受験生が覚えるのは一瞬でも、一度間違った知識を覚えると、それを修正する方が大変だからです。
さらに、100問を分析するとスズキ独特の出題の形が見えてきた‼️
今回100問を再構成していて感じたのは、問題がバラバラに出されているわけではないということです。
何を知っているか。
正常な状態を理解しているか。
そこから逸脱した状態を見分けられるか。
そして、目の前の患者・妊産婦・新生児に対して何をするのか。
このあたりを組み合わせて聞いてくる傾向があります。
単なる「暗記大会」ではありません。
しかし反対に、助産師国家試験の難問ばかりを解けば合格できるという試験でもないことが判明した。看護師として本来落としてはいけない基礎知識を押さえたうえで、母性・新生児領域を正確に積み上げていく必要があります。
ここを外すと、勉強時間を大量に使っているのに本番では点数にならない、ということが起こります。
「過去問がないから何を勉強したらいいか分からない」という人へ
助産師学校受験でよく聞くのが、
「過去問が手に入りません」
「母性看護学をどこまでやればいいですか」
「看護師国家試験の問題集だけで大丈夫ですか」
「小児はどこまで勉強すればいいですか」
という質問です。過去問が十分に公開されていない学校では、これが本当に難しい。だからこそ、実際に受験した人が覚えている内容は非常に価値があります。
ただ、その情報を単に、
「○○が出た」
「△△も出た」
と羅列するだけではまったくもって対策にはなりません。実際に解ける問題へ落とし込み、正答を確認し、なぜその答えになるのかまで理解して初めて受験勉強になります。
そこで今回は、実際の出題記録をベースに、
「問題」
「4つの選択肢」
「正答」
「解説」
という形で100問に再構成しました。
さらに、誤った知識を覚えないよう、必要な問題については全て一次情報まで確認しています。
なお、100問の具体的な出題内容は無料部分では公開しません
当然ですが、ここから先が本題です。
実際にどの分野が出ていたのか。
どの程度まで細かく聞かれていたのか。
どのような場面設定だったのか。
どこが引っかけになり得るのか。
そして、そこから今年どこまで勉強を広げるべきなのか。これを無料部分ですべて書いてしまえば、過去問を分析する意味そのものがなくなります。
特にスズキのように過去問情報そのものが限られている学校では、「実際に何が出ていたか」がそのまま受験対策上の価値になります。
したがって無料部分では、具体的な100問と詳細な出題論点の一覧は公開しません。
以下の有料部分に、
「スズキ病院附属助産学校 過去問再現問題100問」
として、問題・正答・詳細解説講義(最重要)をまとめています。
なお、入試科目、募集区分、受験資格、試験日程等は年度によって変更される可能性があります。本記事内で学校公式情報に触れる場合は確認できた年度を明記しています。実際に出願する際は、必ず受験年度のスズキ病院附属助産学校公式募集要項を確認してください。
ここから先は有料部分です。
「実際に何が問われたのか」を知ったうえで、スズキ病院附属助産学校の学科試験対策を進めたい人だけ読み進めてください。
【有料部分】
スズキ病院附属助産学校
過去問再現問題100問(詳細解説講義付き)
第1問〜第100問
全問詳細解説講義
スズキ病院附属助産学校
再現問題 1〜25
※受験者の記憶に基づく出題論点から再構成した問題であり、本試験の問題文・選択肢そのものを復元したものではない。
【基礎看護学】
問題1 多職種協働
保健医療チームにおける多職種協働で適切なのはどれか。
1.医師が決定した目標を他職種が遂行する。
2.各職種がそれぞれ異なる目標を設定する。
3.チームで目標や情報を共有して協働する。
4.職種間の調整はすべて看護師が行う。
問題2 心肺蘇生
成人に対して心肺蘇生を行う。高度な気道確保が行われていない場合の胸骨圧迫と人工呼吸の比率で正しいのはどれか。
1.15:1
2.15:2
3.30:1
4.30:2
問題3 浣腸
成人患者にグリセリン浣腸を実施する際の体位で適切なのはどれか。
1.左側臥位
2.右側臥位
3.腹臥位
4.立位
問題4 ストーマとセルフケア
ストーマを造設した患者は、「自分で装具を交換するのが怖いです」と話している。看護師の援助で最も適切なのはどれか。
1.退院までは看護師がすべて交換する。
2.患者がストーマを完全に受容するまで交換練習を行わない。
3.患者ができる部分を確認しながら装具交換への参加を促す。
4.患者本人ではなく家族だけに装具交換方法を指導する。
問題5 地域包括支援センター
地域包括支援センターの業務はどれか。
1.高齢者に対する総合相談および権利擁護
2.要介護認定の最終判定
3.入院患者の急性期治療
4.訪問看護指示書の発行
問題6 針刺し事故
看護師が使用済み注射針で針刺し事故を起こした。感染源患者がHIV陽性であることが確認された。その後の対応で適切なのはどれか。
1.感染症状が出現するまで経過観察する。
2.1週間後に抗HIV薬の予防内服を開始する。
3.速やかに報告・受診し、曝露後予防内服の適応を検討する。
4.手袋を着用していた場合には対応を要しない。
問題7 フィジカルアセスメント
身体の表面を指などで叩き、得られた音の性質から内部の状態を判断する診察方法はどれか。
1.視診
2.触診
3.打診
4.聴診
問題8 更衣
右上肢に麻痺のある患者が前開きの上衣を着る。袖を通す順序で適切なのはどれか。
1.右上肢から通す。
2.左上肢から通す。
3.左右同時に通す。
4.麻痺の程度にかかわらず健側から通す。
【小児看護学】
問題9 乳児家庭全戸訪問事業
乳児家庭全戸訪問事業について正しいのはどれか。
1.低出生体重児のいる家庭のみを対象とする。
2.原則として生後4か月を迎えるまでのすべての乳児のいる家庭を対象とする。
3.1歳6か月児健康診査で要支援となった家庭を対象とする。
4.児童相談所のみが実施できる。
問題10 てんかん発作
小児に全身性のけいれん発作が起こった。対応として不適切なのはどれか。
1.周囲の危険物を取り除く。
2.呼吸状態を観察する。
3.発作の持続時間を確認する。
4.舌をかまないようスプーンを口腔内に入れる。
問題11 風しん
学校に通う児童が風しんと診断された。学校保健安全法施行規則上の出席停止期間の基準はどれか。
1.解熱した後2日を経過するまで
2.解熱した後3日を経過するまで
3.発しんが消失するまで
4.発しん出現後5日を経過するまで
【母性看護学】
問題12 第二胎向と胎児心音
頭位で第2胎向の胎児である。胎児心音を最も明瞭に聴取しやすい部位はどれか。
1.母体左上腹部
2.母体右上腹部
3.母体左下腹部
4.母体右下腹部
問題13 月経周期
月経周期が規則的に28日である女性の、月経開始日を第1日とした第20日の時期として最も適切なのはどれか。
1.月経期
2.卵胞期
3.排卵期
4.黄体期
問題14 月経周期とホルモン
排卵後に形成された黄体から分泌され、黄体期に増加するホルモンはどれか。
1.卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
2.黄体形成ホルモン〈LH〉
3.プロゲステロン
4.プロラクチン
問題15 胎児循環
胎児循環において卵円孔が存在する部位はどれか。
1.右心房と左心房の間
2.右心室と左心室の間
3.肺動脈と大動脈の間
4.臍静脈と下大静脈の間
問題16 胎児発育
在胎週数に応じた出生体重の50パーセンタイルに位置する新生児の分類はどれか。
1.SGA
2.LFD
3.AFD
4.HFD
問題17 乳房緊満
産褥3日。褥婦は両側の乳房緊満が強く、乳輪部も硬いため、児が乳房にうまく吸着できない。授乳前の援助として適切なのはどれか。
1.直接授乳を中止する。
2.水分摂取を制限する。
3.乳輪部が軟らかくなる程度に搾乳する。
4.乳汁がなくなるまで乳房全体を強く搾乳する。
問題18 うっ滞性乳腺炎
うっ滞性乳腺炎を発症する背景として最も考えられるのはどれか。
1.授乳間隔が長く、児の吸着も不十分で乳汁が十分に排出されていなかった。
2.頻回授乳によって乳房内の乳汁が十分に排出されていた。
3.授乳前後に手洗いを行っていた。
4.児が乳房を深く含み、十分に吸啜していた。
問題19 産褥2日・悪露
産褥2日。子宮底は臍高で、大きく軟らかい。悪露の排出量も増加している。看護として適切なのはどれか。
1.直接授乳を中止する。
2.子宮底をマッサージする。
3.下腹部を温罨法する。
4.安静臥床のみで経過観察する。
問題20 Apgarスコア
出生1分後の新生児は、心拍数140/分、力強く啼泣し、四肢を活発に動かしている。刺激すると強く泣く。体幹はピンク色だが、手足にチアノーゼがみられる。
Apgarスコアは何点か。
1.7点
2.8点
3.9点
4.10点
問題21 子宮内反症
胎盤娩出後、褥婦に大量の性器出血と強い下腹部痛が出現した。腹壁上から子宮底を触知できず、腟内に暗赤色の腫瘤を認める。
最も考えられるのはどれか。
1.弛緩出血
2.子宮内反症
3.頸管裂傷
4.胎盤遺残
問題22 性器ヘルペスと母子感染
分娩目的で入院した妊婦の外陰部に性器ヘルペス病変が認められた。新生児への感染予防として適切なのはどれか。
1.可能であれば帝王切開による分娩を行う。
2.会陰切開を行って経腟分娩を促進する。
3.吸引分娩を行う。
4.出生直後から母乳栄養を中止するだけでよい。
問題23 分娩誘発とCTG
子宮収縮薬を用いて分娩誘発を行っている。胎児心拍数陣痛図〈CTG〉の管理で適切なのはどれか。
1.薬剤投与前に正常であれば、その後のモニタリングは不要である。
2.子宮収縮薬投与中は連続してモニタリングする。
3.胎動を自覚した場合のみモニタリングする。
4.子宮口が全開大になってからモニタリングを開始する。
問題24 帝王切開後のフットポンプ
帝王切開後に間欠的空気圧迫法、いわゆるフットポンプを使用する主な目的はどれか。
1.子宮復古を促進する。
2.深部静脈血栓症を予防する。
3.術後出血を減少させる。
4.腸蠕動を促進する。
問題25 妊娠と歯周病
妊娠中の歯周病との関連が指摘されているのはどれか。
1.巨大児
2.過期産
3.低出生体重児
4.羊水過多症
解説
問題1 正答3
多職種協働では、各専門職が個別に動くのではなく、患者を中心とした目標・情報を共有しながら協働する。厚労省のチーム医療に関する資料でも「目標と情報を共有して協働する」と整理されている。さらに2026年の第115回看護師国家試験でも、チーム医療について「チーム内で目標を共有する」ことを正答とする問題が出題されている。
問題2 正答4
成人BLSで高度な気道確保がされていない場合は、胸骨圧迫30回に人工呼吸2回、すなわち「30:2」。2026年7月に最終版が刊行された最新の「JRC蘇生ガイドライン2025」でも30:2が維持されている。
問題3 正答1
グリセリン浣腸は左側臥位が基本。直腸からS状結腸、下行結腸の解剖学的位置に沿いやすく、厚労省・PMDAの医療安全情報でも「できるだけ左側臥位」と明記されている。立位での実施は直腸穿孔事故との関連から特に避けるべき体位である。
問題4 正答3
ストーマ看護では、装具の選択・交換方法、皮膚トラブルへの対応などを含む「セルフケア支援」が重要になる。全部を看護師や家族が代行するのではなく、患者の能力に応じて自己管理できるよう支援する。
問題5 正答1
地域包括支援センターは、高齢者の「総合相談」「権利擁護」「地域の支援体制づくり」「介護予防に必要な援助」などを担う市町村の中核機関。2025年4月末時点で全国5,487か所と厚労省が公表している。
問題6 正答3
HIV陽性血液への職業曝露では、曝露後予防〈PEP〉を可及的速やかに開始する。厚労省は「可能であれば2時間以内」としている。したがって、症状出現を待ったり後日対応したりするのは誤り。実際には創部の洗浄などの初期対応も同時に行うが、この問題では「針刺し後のその後の行動」に焦点を置いた。
問題7 正答3
体表を叩き、得られる打診音から肺・腹部などの状態を評価するのが「打診」。厚労省のフィジカルアセスメント資料でも、視診・聴診・打診・触診を区別し、打診では肺打診音や腹部の濁音などを評価するとしている。
問題8 正答1
麻痺患者の更衣は「脱健着患」。着るときは患側から、脱ぐときは健側からである。したがって右上肢麻痺なら右袖から通す。厚労省教材にも明記されている。
問題9 正答2
乳児家庭全戸訪問事業は、原則として「生後4か月を迎えるまでのすべての乳児のいる家庭」が対象。育児の孤立化を防ぎ、情報提供、養育環境の把握、必要な支援への接続などを目的とする。
問題10 正答4
けいれん中に舌をかむことを防ぐ目的でスプーンや指などを口へ入れてはいけない。口腔内損傷、歯牙損傷、窒息などを起こし得る。周囲の安全確保、呼吸・気道の確認、発作時間の把握が重要になる。厚労省の医療安全資料にも、発作中にスプーンが口腔内に残っていた事例が危険事例として記録されている。
問題11 正答3
風しんの出席停止期間は「発しんが消失するまで」。ここは古い資料ではなく、2026年4月公表の文部科学省監修「学校における感染症対策ガイドライン 第二版」で再確認した。
問題12 正答4
第2胎向では胎児の背部が母体の右側にある。今回の条件は頭位なので、胎児心音は「母体右下腹部」で最も聴取しやすい。ここは間違えやすいため念入りに確認したが、厚労省の第111回看護師国家試験で、まさに「第2胎向+頭位」の図問題が出ており、正答は図中③=母体右下腹部だった。
この問題は一次情報で完全に裏取りできた。スズキで非常に出しやすい形だと思う。
問題13 正答4
28日周期を前提にすると排卵はおおむね14日目前後で、20日目は排卵後の「黄体期」。厚労省資料でも28日周期の21日目を「黄体期中期」としており、日本産科婦人科学会も排卵から次回月経までを黄体期としている。
問題14 正答3
排卵後に形成される黄体から主として分泌される黄体ホルモンが「プロゲステロン」。日本産科婦人科学会も黄体期にはエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌されると説明している。なお、「黄体期に増加するホルモンはどれか」だけではエストロゲンも増えるため問題が曖昧になる。そこで今回は「黄体から分泌される黄体ホルモン」と限定した。ここは問題作成後のチェックで曖昧性を潰した部分。
問題15 正答1
卵円孔は胎児の「右心房と左心房」の間に存在し、肺循環を迂回する胎児循環路の一つ。2026年の第115回看護師国家試験でも卵円孔の位置そのものが出題されている。
問題16 正答3
在胎週数に応じた出生体重が10パーセンタイル未満ならLFD、90パーセンタイルを超えればHFD、その間がAFD〈appropriate for dates〉。したがって50パーセンタイルはAFDである。厚労省資料にもこの区分が明記されている。
問題17 正答3
乳房緊満によって乳輪部まで硬くなると、児が深く吸着しにくくなる。この場合、授乳前に乳輪部を軟らかくする程度に搾乳する。驚くほど一致していて、2026年2月の第109回助産師国家試験でも「授乳前に乳輪をほぐすよう搾乳する」が正答となる問題が出ている。 日本産科婦人科学会の2026ガイドライン作成資料でも、直接授乳がうまくいかない場合の搾乳が示されている。
問題18 正答1
うっ滞性乳腺炎は細菌感染そのものから始まるのではなく、乳汁うっ滞が背景になる。授乳間隔が空きすぎることや、児の吸着不良によって乳汁を十分飲み取れないことが原因になり得る。厚労省資料にこの二つがそのまま例示され、日本産科婦人科学会の2026ガイドライン作成資料でも授乳回数の減少・持続する乳汁うっ滞が原因として挙げられている。また2026年の第115回看護師国試では、うっ滞性乳腺炎では「授乳を継続する」が正答となっている。
問題19 正答2
産褥2日で子宮底が臍高、大きく軟らかく、悪露が多い場合は子宮収縮不良を疑い、子宮底マッサージを行う。この問題については、2026年第115回看護師国家試験の問題67がほぼ同じ状況設定で、厚労省の正答は「子宮底をマッサージする」。スズキの再現メモと最新国試の論点が完全に重なっている。
問題20 正答3
Apgarは「心拍数・呼吸・筋緊張・刺激反応・皮膚色」の5項目を各0〜2点で評価する。今回、
心拍数140=2
強い啼泣=2
活発な運動=2
刺激で強く泣く=2
体幹ピンク、四肢チアノーゼ=1
なので合計9点。厚労省資料の採点基準とも一致する。
問題21 正答2
「大量出血+強い下腹部痛+腹部から子宮底を触知できない+腟内に暗赤色腫瘤」は典型的な子宮内反症。厚労省の国家試験でもほぼ同じ症例が出題されており、子宮内反症を選ばせている。
問題22 正答1
分娩入院時に外陰部に性器ヘルペス病変が存在、または強く疑われる場合には、実施可能であれば帝王切開を行うことが母子感染対策となる。日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2026」CQ608原案で明記されている。2026年版そのものは2026年3月に正式刊行済みである。
ここだけ注意点がある。Web上で全文検索可能なのは刊行前の学会公式CQ原案で、正式刊行版のCQ608全文は一般公開検索では確認できなかった。 したがって「2026正式版全文で一語一句再照合済み」とまでは言わない。ただし、この帝王切開の方針は従来版とも一致しており、学会公式の2026原案でも確認できている。
問題23 正答2
オキシトシンなどの子宮収縮薬使用中は胎児心拍数および子宮収縮を連続モニタリングする。日本産科婦人科学会の2026ガイドライン作成資料でも、子宮収縮薬投与中の分娩監視装置による連続モニタリングが示されている。
問題24 正答2
フットポンプは間欠的空気圧迫法〈IPC〉で、静脈うっ滞を減らしVTEを予防するために行う。妊娠・産褥そのものがVTEリスクであり、帝王切開ではさらに高くなる。日本産科婦人科学会の2026ガイドライン作成資料では「帝王切開を受ける女性では間欠的空気圧迫法または弾性ストッキング」と明記し、術後歩行開始以降に中止するとしている。
問題25 正答3
妊娠中の歯周病は早産・低出生体重児との関連が知られている。厚労省の妊産婦歯科保健資料でも、「歯周病と早産・低体重児のリスクの関連」を踏まえた指導が示されている。さらに第107回助産師国家試験では「歯周病―低出生体重児」の組合せが正答として出題されている。
【基礎看護学】
問題26 創洗浄
創傷部の洗浄について正しいのはどれか。
1.創部の汚染物質や異物を除去する目的で行う。
2.すべての創傷には必ず消毒薬を使用する。
3.水道水を創洗浄に使用してはならない。
4.洗浄によって創面を乾燥させることを目的とする。
問題27 国際看護
国際看護について適切なのはどれか。
1.自国の看護方法をそのまま他国に適用する。
2.国や地域の文化・保健医療状況を考慮して看護を行う。
3.国際看護は災害発生時だけに行われる。
4.国際協力は医師のみが担う。
問題28 家族への看護
患者の家族への看護で適切なのはどれか。
1.患者本人だけを看護の対象とし、家族は対象としない。
2.家族が行う介護方法は医療者が一方的に決定する。
3.患者とともに生活する家族の状況や支援ニーズも把握する。
4.家族からの相談には退院後のみ対応する。
【小児看護学】
問題29 小児に関係する法律
乳児家庭全戸訪問事業が規定されている法律はどれか。
1.母子保健法
2.児童福祉法
3.学校保健安全法
4.医療法
問題30 児童期・思春期の栄養
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」における、12〜14歳男子のカルシウム推奨量はどれか。
1.400mg/日
2.650mg/日
3.800mg/日
4.1,000mg/日
問題31 思春期
思春期の特徴として適切なのはどれか。
1.第二次性徴がみられる。
2.身体発育はほぼ停止する。
3.心理的な変化はほとんどみられない。
4.親からの心理的自立は成人期以降に始まる。
問題32 思春期の逸脱行動
20歳未満の者の喫煙について正しいのはどれか。
1.18歳以上であれば本人の判断で喫煙できる。
2.保護者の同意があれば喫煙できる。
3.20歳未満の者は喫煙可能区域に立ち入ることも原則禁止されている。
4.加熱式たばこであれば20歳未満でも使用できる。
問題33 PTSD
心的外傷後ストレス症〈PTSD〉の症状はどれか。
1.トラウマ体験の場面が突然よみがえる。
2.過去の出来事をすべて忘れる。
3.必ず意識消失を繰り返す。
4.発症後1週間以内に必ず消失する。
問題34 蛋白尿を認める小児
高度の蛋白尿と浮腫を認める小児の体液状態を把握するために重要なのはどれか。
1.体重と尿量の推移
2.視力と聴力
3.永久歯の萌出数
4.利き手の確認
【母性看護学】
問題35 母乳育児
WHOが推奨している乳児の栄養について正しいのはどれか。
1.生後1か月から果汁を開始する。
2.生後3か月から離乳食を開始する。
3.生後6か月頃までは母乳のみで育てることを推奨している。
4.1歳まで母乳以外の食物を与えない。
問題36 乳房の構造
授乳と授乳の間、乳汁が主として貯留する部位として適切なのはどれか。
1.乳腺胞と小乳管
2.モントゴメリー腺
3.クーパー靱帯
4.乳房脂肪組織
問題37 子宮口4cmの産婦への援助
子宮口4cm。陣痛が強くなってきた低リスクの産婦が、「同じ姿勢で寝ているのがつらい」と話している。
看護として適切なのはどれか。
1.仰臥位を保持するよう指導する。
2.歩行や立位など、本人が楽な姿勢を選べるよう援助する。
3.分娩までベッド上安静とする。
4.子宮口全開大になるまで体位変換を禁止する。
問題38 出生数
厚生労働省の令和7年〈2025年〉人口動態統計月報年計(概数)における、日本の出生数に最も近いのはどれか。
1.約47万人
2.約67万人
3.約87万人
4.約107万人
問題39 垂直感染
垂直感染の説明として適切なのはどれか。
1.同じ病室の患者間で感染すること
2.医療従事者から患者へ感染すること
3.母体から妊娠・分娩・授乳などを通じて児へ感染すること
4.兄弟姉妹間で感染すること
問題40 クラミジアの母子感染
性器クラミジア感染症に罹患している妊婦から出生する児への主な感染経路はどれか。
1.産道感染
2.蚊媒介感染
3.飛沫感染
4.経皮感染
問題41 母乳と免疫
母乳を介して児の粘膜免疫に寄与する免疫グロブリンはどれか。
1.IgA
2.IgD
3.IgE
4.IgM
問題42 新生児黄疸
日本人の新生児にみられる生理的黄疸のピークとして最も適切なのはどれか。
1.出生直後
2.生後1日
3.生後5〜7日頃
4.生後1か月頃
問題43 出生早期の黄疸
出生後18時間の新生児に明らかな黄疸を認めた。
対応として適切なのはどれか。
1.生理的黄疸なので経過観察のみとする。
2.生後24時間以内の黄疸として原因検索を行う。
3.すべて母乳性黄疸と判断する。
4.正常なので退院を早める。
問題44 前期破水
前期破水と診断された妊婦への評価として適切なのはどれか。
1.感染徴候の有無を確認し、NSTなどで胎児の状態を評価する。
2.胎児心拍数の評価は不要である。
3.感染徴候の有無にかかわらず直ちに全例帝王切開とする。
4.妊娠週数を考慮する必要はない。
問題45 前置胎盤
前置胎盤について正しいのはどれか。
1.胎盤が子宮口を覆う状態である。
2.胎盤が必ず子宮底部に付着している。
3.経腟分娩が原則である。
4.分娩時の出血リスクは低い。
問題46 第2子出生と第1子への対応
第2子を出産した母親が、「上の子が赤ちゃんに嫉妬して、最近よく甘えるようになりました」と相談している。
助言として適切なのはどれか。
1.「赤ちゃんのお兄ちゃんだから我慢させましょう」
2.「甘える行動はすべて無視しましょう」
3.「上のお子さんの気持ちを受け止め、上のお子さんと関わる時間もつくりましょう」
4.「赤ちゃんとはできるだけ会わせないようにしましょう」
問題47 NICUと母乳
NICUに入院している児の栄養について正しいのはどれか。
1.母親自身の母乳〈own mother’s milk〉は原則使用しない。
2.母親自身の母乳を可能な限り優先する。
3.NICU入院児では母乳より必ず人工乳を優先する。
4.早産児には経腸栄養を行わない。
問題48 NICU入院児をもつ母への母乳支援
児がNICUに入院しており、直接授乳できない母親への援助として適切なのはどれか。
1.直接授乳できるようになるまで乳房への刺激を避ける。
2.母乳分泌維持のため、定期的な搾乳を支援する。
3.退院まで母乳育児について説明しない。
4.搾乳した母乳はNICUでは使用できないと説明する。
問題49 吸啜不良の新生児
出生後の新生児は授乳を試みても吸啜が弱く、十分に哺乳できていない。
この児で特に確認が必要なのはどれか。
1.血糖値
2.視力
3.歯の萌出
4.聴力のみ
問題50 帝王切開後の看護
帝王切開後の褥婦に対する静脈血栓塞栓症〈VTE〉予防として適切なのはどれか。
1.長期間の安静臥床を勧める。
2.可能な時期から早期離床を促す。
3.下肢の運動を禁止する。
4.水分摂取を一律に禁止する。
解説
問題26 正答1
創洗浄は、創部に付着した汚染物質、異物、体液などを除去するために行う。厚生労働省の資料でも、「生理食塩水や水道水を用いて創傷部位を洗浄し、汚染物質・異物・体液等を除去する」と整理されている。そのため、「水道水を使用してはならない」「すべての創傷に消毒薬が必要」という選択肢は誤りである。
問題27 正答2
国際看護では、対象者の文化、価値観、習慣、宗教などを一方的に否定せず、それらを踏まえて看護する必要がある。ICN〈国際看護師協会〉の倫理綱領でも、看護師は個人・家族・地域社会の価値観、習慣、宗教的・精神的信念を尊重し、文化的に適切なケアを提供することが示されている。また、日本の看護師教育でも国際化に対応する能力を養うことが求められている。
問題28 正答3
看護の対象は患者本人だけではない。家族の生活状況、介護能力、心理状態、負担、利用できる社会資源なども把握し、その家族に応じた支援を考える必要がある。厚生労働省の看護教育内容でも、地域で療養する人々と「その家族」を理解して看護することが明記されている。
問題29 正答2
乳児家庭全戸訪問事業、いわゆる「こんにちは赤ちゃん事業」は児童福祉法第6条の3第4項に規定されている。原則として生後4か月までの乳児がいるすべての家庭を訪問し、育児に関する相談、情報提供、養育環境の把握などを行う。母子保健法と混同しないことが重要である。
問題30 正答4
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、12〜14歳男子のカルシウム推奨量は1,000mg/日である。同年齢の女子は800mg/日であり、男女で数値が異なるため注意する。今回の問題では曖昧にならないよう「男子」と明記した。
問題31 正答1
思春期には性腺機能が活発になり、第二次性徴が出現する。同時に身体だけでなく心理・社会面にも大きな変化が起こる。厚生労働省資料でも、第二次性徴期にはホルモンの影響によって身体だけでなく脳にも変化が生じ、思春期特有の心理・行動上の特徴が現れることが示されている。
問題32 正答3
民法上の成人年齢は18歳へ引き下げられたが、喫煙可能年齢は現在も20歳である。また、改正健康増進法によって、20歳未満の者は従業員であっても喫煙可能区域へ立ち入ることができない。加熱式たばこについても20歳未満であれば使用できない。
問題33 正答1
PTSDでは、トラウマとなった出来事を本人の意思とは無関係に生々しく思い出す「再体験」がみられる。代表的なのがフラッシュバックである。このほか回避、過覚醒、認知や気分の変化などがみられる。小児では、トラウマ場面を遊びの中で繰り返す「再演」として現れる場合もある。
問題34 正答1
高度の蛋白尿によって血漿膠質浸透圧が低下すると浮腫が生じる。小児ネフローゼ症候群などでは、浮腫や体液量の変化を判断するため、体重、尿量、浮腫、腹囲、バイタルサインなどを継続的に評価することが重要である。日本小児腎臓病学会の「小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020」でも、浮腫および有効循環血漿量の評価が一般療法の重要項目として扱われている。
なお、元の再現メモは「慢性腎症・タンパク(++)」程度しか残っておらず、疾患名までは確定できない。そのため、特定の腎疾患を勝手に設定せず「蛋白尿+浮腫」という論点で再構成している。
問題35 正答3
WHOとUNICEFは、生後6か月までは完全母乳栄養を推奨し、6か月頃から適切な補完食を開始しながら母乳育児を2歳以降まで継続できるとしている。2026年8月4日に更新されたWHOの最新ファクトシートでも、この基本方針は維持されている。
問題36 正答1
乳汁を産生するのは乳腺胞〈alveoli〉の乳腺上皮細胞である。
ここは元の再現メモに「母乳がたまるところはどこか:図」と記録されているため、特に注意が必要である。古い教科書では乳輪下の「乳管洞〈lactiferous sinus〉」を乳汁の貯留部位として説明することがある。しかし、授乳女性を超音波で調べた原著研究では、従来想定されていた乳管洞は確認されず、乳管は乳汁を大量に貯蔵する場所ではなく主として輸送路であることが示されている。したがって、現在の問題として「乳管洞に乳汁がたまる」を無条件に正答にはしない。
つまり、この再現論点については、実際のスズキの図と選択肢が分かれば、本番で何を正答としていたかを別途判断する必要がある。 ここは「完全再現」と断定できない問題である。
問題37 正答2
正常に経過している低リスクの分娩第1期では、仰臥位に固定するのではなく、産婦本人が楽だと感じる体位や歩行、立位などを選択できるように援助する。WHO Labour Care Guideでは、分娩中の移動や立位を推奨し、2025年に公表された実装パッケージでもこの方針が維持されている。
元メモに「子宮口4センチ、陣痛つらくなってきた看護の体位」と残っているため、体位・離床・安楽援助を問う問題だった可能性は高い。
問題38 正答2
厚生労働省の令和7年〈2025年〉人口動態統計月報年計(概数)では、日本において発生した日本人の出生数は671,236人である。したがって最も近いのは「約67万人」。この月報概数は日本における日本人の事象を集計したものであることも厚生労働省が明記している。
統計問題は年度によって正答が変わるため、問題文には必ず「2025年」と年度を入れておく。
問題39 正答3
垂直感染とは、母親から児へ感染する母子感染をいう。感染経路には胎盤を介する胎内感染、分娩時の産道感染、母乳を介した感染などがある。例えばHTLV-1では母乳を介した母子感染が主要な感染経路であり、クラミジアでは主に産道感染が問題となる。
問題40 正答1
妊婦が性器クラミジアに感染している場合、児への感染は主として分娩時の産道感染によって起こる。新生児では封入体結膜炎を発症することがあり、その後、乳児期に肺炎を起こす場合もある。厚生労働省の感染症届出基準にも明記されている。
問題41 正答1
母乳にはさまざまな感染防御因子が含まれるが、粘膜防御に特に重要なのが分泌型IgAである。厚生労働省資料でも、母乳栄養児の便中に分泌型IgAが確認され、母乳から児への受動的な伝達が示されている。したがって正答はIgAである。
問題42 正答3
厚生労働省の妊産婦等支援策に関する検討会では、新生児医療の専門家から、日本人の新生児黄疸は「生後5〜7日くらい」がピークで、アジア人では黄疸が目立ちやすいとの説明がされている。したがって正答は生後5〜7日頃である。
なお、元の再現メモには「黄疸についてどのくらいの確率?黄色人種は」とある。しかし、「黄色人種なら○%」という現在の公的な固定値を一次情報で確認できなかったため、数字を捏造せず、一次情報で確認できるピーク時期に再構成した。
問題43 正答2
生後24時間以内に肉眼的に確認できる黄疸は「早発黄疸」であり、通常の生理的黄疸として扱ってはいけない。日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2026」作成資料でも、生後24時間以内の可視黄疸を病的黄疸の目安としている。したがって原因検索が必要になる。
問題44 正答1
前期破水と診断した場合、日本産科婦人科学会の2026年ガイドラインでは、身体所見や血液検査から臨床的絨毛膜羊膜炎の有無を確認するとともに、NSTなどによって胎児健常性を評価するとしている。また管理方法は妊娠週数によって大きく異なるため、「週数を考慮しない」も誤りである。
元メモは「破水のチェック」となっているため、実際には破水の診断方法を問う問題だった可能性も残る。この点は本番の設問文がない以上、断定しない。
問題45 正答1
前置胎盤は、胎盤が通常より低い位置に付着して子宮口を覆っている状態である。日本産科婦人科学会は、胎盤が子宮口を塞ぐため経腟分娩ができず、分娩は帝王切開が原則であると説明している。また大量出血の危険があるため、「出血リスクが低い」は明らかな誤りである。
問題46 正答3
下の子が誕生したことで、上の子が嫉妬したり、甘えが強くなったりすることがある。この場合、「お兄ちゃんだから我慢しなさい」と役割を押しつけるのではなく、上の子の気持ちを受け止め、上の子だけと関わる時間も確保することが重要である。
厚生労働省の養育に関する資料にも、弟妹が誕生してやきもちを示した上の子に対して、その子の「つまらない」「かまってほしい」という気持ちのサインに大人が応じることで、気持ちが落ち着いた事例が紹介されている。
問題47 正答2
NICU入院児では、母親自身の母乳〈own mother’s milk:OMM〉が得られる場合には、それを優先する。日本新生児成育医学会雑誌2026年掲載の「エビデンスに基づくNICU入院児の母乳栄養戦略」でも、母親自身の母乳を最優先とし、十分に得られない場合にドナーミルクを用いる方法が整理されている。
この論点はスズキの母乳・NICU問題として非常に重要。
問題48 正答2
NICU入院などによって母児が分離し、直接授乳ができない場合でも、母乳分泌を開始・維持するために乳房への刺激と搾乳を継続することが重要である。
厚生労働省の母乳育児支援事例では、直接授乳できるようになるまで「3時間ごとの自己搾乳」を説明・支援し、NICU入院中の母子分離例にも母乳分泌維持のための搾乳指導を行っている。
問題49 正答1
新生児の哺乳状況や活動性は重要な観察項目である。日本産科婦人科学会の2026年ガイドライン作成資料では、体温、体重、呼吸状態、哺乳状況、活動性、皮膚色などを定期的に観察し、異常があれば感染症、低血糖、先天性心疾患、消化器疾患、代謝疾患などを考慮するとしている。
さらに従来の同学会ガイドライン解説では、「何となく活気がない、哺乳が悪い」場合には低血糖を想定して血糖値を測定すると明記されている。したがって元メモの「授乳しても吸啜しない、3時間後の新生児リスク」は、低血糖を問う問題だった可能性が高い。
問題50 正答2
妊娠・産褥期は静脈血栓塞栓症〈VTE〉のリスクが高く、帝王切開によってさらにリスクが増加する。日本産科婦人科学会の2026年ガイドライン作成資料では、帝王切開を受ける女性には弾性ストッキングまたは間欠的空気圧迫法を行うとともに、早期離床を勧めている。離床時期は可能な限り術後1日目までが望ましいとされている。
【基礎看護学】
問題51 ベッドメイキング
ベッドメイキングについて適切なのはどれか。
1.シーツのしわは患者の安楽に影響しない。
2.シーツにしわが生じても交換時までそのままにする。
3.患者の状態に合わせ、清潔でしわの少ない寝床環境を整える。
4.ベッドメイキングでは寝具の清潔より外観を優先する。
問題52 施設に入所している高齢者への援助
高齢者施設に入所している高齢者への援助として適切なのはどれか。
1.事故防止のため、できることもすべて職員が行う。
2.本人の意思より施設の業務効率を優先する。
3.本人の意思を尊重し、できることは本人が行えるよう支援する。
4.入所後は生活習慣をすべて施設の方法に統一する。
問題53 針刺し事故
使用済み注射針で針刺し事故を起こした直後の対応として適切なのはどれか。
1.受傷部から血液を強く絞り出す。
2.受傷部を直ちに流水で洗浄する。
3.ガーゼを貼り、そのまま勤務を続ける。
4.翌日になってから上司へ報告する。
問題54 HIV曝露後予防
HIV感染の可能性がある血液による針刺し事故後の曝露後予防〈PEP〉について適切なのはどれか。
1.HIV感染が確定してから開始する。
2.症状が出現した場合に開始する。
3.可能な限り速やかに開始する。
4.事故から1週間経過してから開始する。
問題55 患側のある患者の更衣
右上肢に麻痺がある患者が上衣を脱ぐ。
適切な順序はどれか。
1.右上肢から脱ぐ。
2.左上肢から脱ぐ。
3.左右の上肢を同時に脱ぐ。
4.麻痺の有無にかかわらず利き手から脱ぐ。
問題56 顔面蒼白を認めた患者への対応
椅子に座っていた患者が突然顔面蒼白となり、ぐったりしている。
看護師の最初の対応として適切なのはどれか。
1.声をかけて反応を確認し、全身状態を評価する。
2.すぐに歩かせる。
3.水分を摂取させて様子を見る。
4.静かに休めるため一人にする。
【小児看護学】
問題57 風しん
学校保健安全法施行規則において、風しんはどの感染症に分類されるか。
1.第一種
2.第二種
3.第三種
4.学校感染症には含まれない
問題58 てんかん
全身性のけいれん発作が続いている小児で、救急対応を特に考慮すべき発作持続時間はどれか。
1.30秒以上
2.1分以上
3.3分以上
4.5分以上
問題59 ネフローゼ症候群
小児のネフローゼ症候群に特徴的なのはどれか。
1.高度蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫
2.高アルブミン血症、脱水、乏尿
3.低血糖、高カルシウム血症、浮腫
4.血尿のみで蛋白尿を認めない。
問題60 乳児家庭全戸訪問事業
乳児家庭全戸訪問事業で行う内容として適切なのはどれか。
1.乳児の予防接種を必ず実施する。
2.保護者の養育環境を把握し、相談や助言を行う。
3.要介護認定を行う。
4.保育所への入所を決定する。
【母性看護学】
問題61 胎児循環
胎児循環において、酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
1.臍動脈
2.臍静脈
3.肺動脈
4.上大静脈
問題62 胎児循環・動脈管
胎児の動脈管が直接交通している血管の組合せはどれか。
1.肺動脈と大動脈
2.肺静脈と大動脈
3.右心房と左心房
4.臍静脈と下大静脈
問題63 月経周期と排卵
28日程度の規則的な月経周期をもつ女性で、排卵直前に急激に増加するホルモンはどれか。
1.プロラクチン
2.オキシトシン
3.黄体形成ホルモン〈LH〉
4.ヒト絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉
問題64 AFD
在胎週数に応じた身体発育が、10パーセンタイル以上90パーセンタイル未満である新生児の分類はどれか。
1.SGA
2.AFD
3.LGA
4.超低出生体重児
問題65 母児同室
正常に出生し、母児ともに全身状態が安定している。
産後の母児同室について適切なのはどれか。
1.母児同室は母乳育児の妨げになる。
2.生後早期からの母児同室は母子ケアの基本である。
3.母児同室は産後1週間以降に開始する。
4.母児同室では新生児の観察は必要ない。
問題66 悪露
正常な産褥経過における悪露の変化として適切なのはどれか。
1.黄色から血性へ変化する。
2.血性から次第に褐色、黄色へ変化する。
3.産後すぐに無色透明となる。
4.正常であれば産後24時間以内に消失する。
問題67 悪露のアセスメント
産褥10日。褥婦から「悪露は褐色で少なくなっていたのに、今朝3cmほどの血の塊が出ました」と電話があった。
優先して確認するのはどれか。
1.妊娠前の月経周期
2.児の授乳回数
3.現在も赤色の悪露や血塊が出ているか
4.妊娠中の体重増加量
問題68 Apgarスコア
Apgarスコアの5分値が主として示すのはどれか。
1.胎児の在胎週数
2.新生児蘇生への反応
3.先天性疾患の有無
4.出生体重の評価
問題69 梅毒と母子感染
妊婦が梅毒に感染している場合の母子感染経路として正しいのはどれか。
1.胎盤を介して胎児へ感染する。
2.母乳感染のみである。
3.飛沫感染によって胎児へ感染する。
4.出生後の接触感染のみである。
問題70 破水の確認
前期破水が疑われる妊婦の診断に用いられる所見として適切なのはどれか。
1.腟内への羊水貯留や腟内貯留液のpHを確認する。
2.尿糖のみを測定する。
3.血圧のみで判断する。
4.胎児推定体重のみで判断する。
問題71 前期破水と感染
前期破水で管理中の妊婦に、38.2℃の発熱と子宮圧痛を認めた。
最も注意すべき状態はどれか。
1.臨床的絨毛膜羊膜炎
2.妊娠悪阻
3.前置胎盤
4.妊娠糖尿病
問題72 分娩誘発とCTG
オキシトシンを使用して分娩誘発・促進を行っている。
胎児心拍数の観察として適切なのはどれか。
1.胎児心拍数の観察は必要ない。
2.投与開始時だけ確認する。
3.連続的な胎児心拍数モニタリングを行う。
4.子宮口全開大後からモニタリングを開始する。
問題73 CTG装着のタイミング
分娩第1期で入院した産婦への胎児心拍数陣痛図〈CTG〉について適切なのはどれか。
1.入院時には装着しない。
2.入院時に20分以上記録する。
3.子宮口全開大後のみ記録する。
4.胎児心拍数異常が起こってから初めて装着する。
問題74 前置胎盤
前置胎盤で特徴的なのはどれか。
1.妊娠後半の痛みを伴わない性器出血
2.必ず激しい腹痛を伴う性器出血
3.胎盤が子宮底部に付着する。
4.経腟分娩が原則である。
問題75 うっ滞性乳腺炎
うっ滞性乳腺炎への対応として適切なのはどれか。
1.授乳を継続する。
2.母乳分泌を完全に止める。
3.必ず細菌感染によって生じるため、全例抗菌薬を投与する。
4.乳房への刺激をすべて避ける。
解説
問題51 正答3
ベッドメイキングは単に見た目を整えるためではなく、患者が清潔で快適に過ごせる寝床環境をつくるために行う。厚生労働省の介護技術教材でも、寝具に汚れやしわがみられた場合にはその都度対応し、利用者の状態に合わせて環境を整えることが示されている。したがって正答は3である。
問題52 正答3
高齢者への援助では、「何でもしてあげる」ことが良い介護ではない。厚生労働省は、高齢者の自立と尊厳を支えるケアを基本とし、本人の意思で自分らしい生活を営めるよう支援することを重視している。2026年の介護現場に関する厚労省資料でも、本人にできる範囲のことは本人に行ってもらうことが自立支援につながるとされている。
問題53 正答2
針刺し事故が起こった場合には、曝露部位を直ちに流水で十分に洗浄する。血液を強く絞り出す必要はない。厚生労働省の職業曝露対策資料にも「直ちに流水で洗浄」「血液を絞り出す必要はない」と明記されている。
問題54 正答3
HIV曝露後予防〈PEP〉は時間が重要であり、感染の可能性がある曝露後は可能な限り速やかに開始する。厚生労働省の通知では「可及的速やか、可能であれば2時間以内」とされている。症状出現や感染確定を待って開始するものではない。
問題55 正答2
片麻痺患者の更衣は「着患脱健」が基本である。つまり着衣時は患側から、脱衣時は健側から行う。右上肢麻痺であれば、脱衣時には左上肢から脱ぐ。厚生労働省の介護教材にも「着衣時は麻痺肢→非麻痺肢、脱衣時は非麻痺肢→麻痺肢」と明記されている。
問題56 正答1
突然の顔面蒼白は、失神、出血、循環不全など重大な状態の初期徴候となり得る。そのため、まず声をかけて反応・意識状態を確認し、安全を確保したうえでバイタルサインなど全身状態を評価する。
厚労省が公開した看護師国家試験でも、顔面蒼白、冷汗、血圧80/40mmHgという急変場面では、原因となり得る出血の確認を最優先させる問題が出題されている。なお、「気分は悪くないですか」など声かけの文言そのものに全国共通の正答があるわけではないので、この問題は「顔面蒼白:看護の声かけ」という再現メモを、まず反応を確認する問題として再構成している。
問題57 正答2
風しんは学校保健安全法施行規則上の「第二種感染症」である。2026年4月公表の文部科学省監修「学校における感染症対策ガイドライン第二版」でも、風しんの出席停止は「発しんが消失するまで」とされている。
問題58 正答4
多くのてんかん発作は数分以内に自然に終了するが、全身性けいれんが5分以上持続する場合には、てんかん重積状態を考えて速やかな医療対応が必要になる。国立精神・神経医療研究センター〈NCNP〉も、5分以上続くけいれん発作を緊急対応の目安としている。
問題59 正答1
ネフローゼ症候群は、糸球体毛細血管障害によって高度蛋白尿が生じ、それに伴う低アルブミン血症や全身性浮腫を特徴とする。日本小児腎臓病学会の最新公開ガイドラインでも、この3つが病態の中心として整理されている。
問題60 正答2
乳児家庭全戸訪問事業では、原則として生後4か月までの乳児がいる家庭を訪問し、乳児と保護者の心身の状況、養育環境を把握するとともに、相談、助言、必要な支援への接続を行う。児童福祉法および同法施行規則に明記されている。
問題61 正答2
胎児では肺で酸素化するのではなく、胎盤から酸素を受け取る。その酸素を多く含んだ血液を胎児側へ運ぶのが臍静脈である。厚生労働省の看護師国家試験でも「胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのは臍静脈」が正答として出題されている。
問題62 正答1
胎児循環の動脈管は肺動脈と大動脈を交通させ、肺循環を迂回させる役割をもつ。厚生労働省の看護師国家試験でも、「胎児期の動脈管で大動脈と直接交通するのは肺動脈」が正答として出題されている。
問題63 正答3
排卵前には黄体形成ホルモン〈LH〉が急激に上昇する「LHサージ」が起こり、排卵が誘発される。厚生労働省の最新健康情報でも「月経開始から2週間ほどでLHが急増して排卵が誘発される」と説明されている。
問題64 正答2
厚生労働省資料では、在胎週数に応じた身体発育が10パーセンタイル以上90パーセンタイル未満の場合をAGA/AFDとしている。10パーセンタイル未満はSGA/SFD、90パーセンタイル以上はLGA/LFDである。したがって正答はAFD。
問題65 正答2
日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2026」作成資料では、「生後早期からの母児同室と母乳育児支援は母子ケアの基本」と明記されている。ただし、母体が帝王切開直後や大量出血後である場合、児の状態が不安定な場合などは安全を優先し、必ずしも早期母児同室に固執する必要はない。
問題66 正答2
悪露は産後に子宮・腟から排出される分泌物で、分娩直後は血性であり、その後は次第に褐色、黄色へと変化し、通常は産褥4〜6週間程度で消失する。厚生労働省の母性健康管理資料でもこの経過が示されている。
問題67 正答3
一度褐色で少量になった悪露に再び血塊が出現した場合には、現在も鮮血や血塊の排出が続いているかを確認することが重要である。この問題は厚生労働省が公開している助産師国家試験にもほぼ同じ症例があり、正答は「今も赤い悪露や血の塊が出ていますか」である。
問題68 正答2
Apgarスコアは皮膚色、心拍数、刺激への反応、筋緊張、呼吸の5項目を評価する。厚生労働省資料では、1分値は出生直後の児の状態、5分値は蘇生に対する反応を評価するものとして整理されている。
問題69 正答1
妊婦が梅毒に感染している場合、梅毒トレポネーマは胎盤を介して胎児へ感染することがある。先天梅毒では死産、早産、新生児死亡や神経・骨などの異常につながる可能性がある。厚生労働省の2026年時点の梅毒情報でも明記されている。
問題70 正答1
前期破水の診断では、羊水流出の自覚症状に加え、腟内への羊水貯留の確認や腟内貯留液のpH検査などが用いられる。日本産科婦人科学会の公式ガイドライン資料でこの診断法が明記されている。
ここは注意が必要で、2026年版の公開CQ303は前期破水後の管理を中心に記載しており、公開されているAnswer部分ではpH検査など診断手技の細部まで再掲していない。 そのため、この問題ではJSOGが公式に示してきた診断法を用いた。2026年版の管理方針と矛盾する内容ではない。
問題71 正答1
2026年版JSOGガイドラインCQ303では、前期破水と診断した場合は臨床的絨毛膜羊膜炎の有無を確認することが求められている。母体38℃以上の発熱に加えて、母体頻脈、子宮圧痛、羊水・腟分泌物の悪臭、白血球増加などは臨床的絨毛膜羊膜炎を疑う重要な所見である。
問題72 正答3
子宮収縮薬使用中は胎児機能不全や過強陣痛を早期に把握する必要があるため、連続的な胎児心拍数モニタリングを行う。厚生労働省のマタニティケア能力チェックリストでも、「子宮収縮剤使用中」は連続モニタリングの適応として明示されている。
問題73 正答2
日本産科婦人科学会の2026年版CQ410では、分娩第1期の入院時には、分娩監視装置を一定時間「20分以上」装着して胎児心拍数陣痛図を記録するとしている。厚生労働省のマタニティケアチェックリストでも同じ20分以上が示されている。
問題74 正答1
前置胎盤では妊娠後半、とくに妊娠28週頃以降に「痛みを伴わない突然の性器出血」がみられることがある。日本産科婦人科学会はこれを「警告出血」と説明している。胎盤が子宮口を覆っているため経腟分娩はできず、帝王切開が原則である。
問題75 正答1
うっ滞性乳腺炎では乳汁うっ滞を改善することが重要であり、授乳を一律に中止するのではない。2026年2月実施の第115回看護師国家試験で、まさに「うっ滞性乳腺炎について正しいのはどれか」という問題が出題され、厚生労働省の正答は「授乳を継続する」である。
日本産科婦人科学会の2026年ガイドライン作成資料でも、乳腺炎では搾乳などによって乳汁排出を図り、症状が改善しない場合や急速に悪化する場合に抗菌薬を検討するとしている。
【基礎看護学】
問題76 心肺蘇生
成人に胸骨圧迫を行う場合の圧迫テンポで適切なのはどれか。
1.60〜80回/分
2.80〜100回/分
3.100〜120回/分
4.130〜150回/分
問題77 胸骨圧迫
成人に対する胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。
1.約2cm
2.約3cm
3.約5cmで、6cmを超えない。
4.7cm以上
問題78 地域包括支援センター
地域包括支援センターに原則として配置される3職種の組合せで正しいのはどれか。
1.医師・看護師・理学療法士
2.保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員
3.看護師・薬剤師・管理栄養士
4.社会福祉士・作業療法士・介護福祉士
問題79 ストーマ
消化管ストーマについて正しいのはどれか。
1.ストーマには肛門と同様の括約筋がある。
2.排泄物は意思によって完全にコントロールできる。
3.ストーマには括約筋機能がないため、排泄物を受ける装具を使用する。
4.ストーマ造設後は入浴できない。
【小児看護学】
問題80 児童期・思春期の栄養
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」における12〜14歳女子のカルシウム推奨量はどれか。
1.500mg/日
2.650mg/日
3.800mg/日
4.1,000mg/日
問題81 ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群でみられる検査所見はどれか。
1.高アルブミン血症
2.低アルブミン血症
3.低蛋白尿
4.高ヘモグロビン血症のみ
問題82 PTSD
心的外傷後ストレス症〈PTSD〉にみられる「回避症状」はどれか。
1.トラウマ体験を思い出す場所を避ける。
2.同じ言葉を繰り返す。
3.食欲が必ず増加する。
4.意識を必ず失う。
問題83 小児のPTSD
小児のPTSDにみられることがある症状として適切なのはどれか。
1.トラウマ体験に似た場面を遊びの中で繰り返す。
2.必ずトラウマ体験を言葉で詳細に説明する。
3.必ず症状が数日以内に消失する。
4.身体症状は出現しない。
問題84 思春期の発達
女児の第二次性徴で、一般に最初に認められるのはどれか。
1.初経
2.乳房の発育
3.腋毛の発生
4.声変わり
【母性看護学】
問題85 第2胎向
Leopold触診法で胎児の背部を母体の右側に触知した。
この胎向はどれか。
1.第1胎向
2.第2胎向
3.第3胎向
4.胎向は判定できない。
問題86 月経周期と基礎体温
排卵後の黄体期について正しいのはどれか。
1.プロゲステロンが増加し、基礎体温は高温相となる。
2.プロゲステロンが減少し、基礎体温は低温相となる。
3.hCGが急増して排卵が起こる。
4.プロラクチンが排卵を起こす。
問題87 妊娠初期とhCG
妊娠初期にhCG〈ヒト絨毛性ゴナドトロピン〉によって黄体からの分泌が維持されるホルモンはどれか。
1.オキシトシン
2.プロラクチン
3.プロゲステロン
4.FSH
問題88 乳汁産生
乳腺胞の細胞に作用して乳汁産生を促進するホルモンはどれか。
1.プロラクチン
2.オキシトシン
3.FSH
4.LH
問題89 射乳反射
乳腺胞の周囲にある筋上皮細胞を収縮させ、乳汁を乳管へ送り出すホルモンはどれか。
1.エストロゲン
2.プロゲステロン
3.プロラクチン
4.オキシトシン
問題90 授乳と子宮収縮
産褥2日。褥婦が「授乳すると下腹部が痛くなります」と話した。
この現象に最も関係するホルモンはどれか。
1.FSH
2.hCG
3.オキシトシン
4.エストロゲン
問題91 初乳と免疫
母乳に含まれる分泌型IgAについて正しいのはどれか。
1.成熟乳より初乳に多く含まれる。
2.母乳には含まれない。
3.胎盤を介してのみ児へ移行する。
4.児の粘膜免疫には関与しない。
問題92 Apgarスコア
Apgarスコアの5分値が主として示すのはどれか。
1.在胎週数
2.出生体重
3.蘇生に対する新生児の反応
4.先天性疾患の有無
問題93 性器ヘルペス
分娩目的で入院した妊婦の外陰部に性器ヘルペス病変を認める。
母子感染対策として適切なのはどれか。
1.可能であれば帝王切開を行う。
2.必ず吸引分娩を行う。
3.会陰切開を行えば感染を防止できる。
4.分娩様式は母子感染に関係しない。
問題94 HTLV-1の母子感染
HTLV-1の主な母子感染経路はどれか。
1.母乳
2.飛沫
3.空気
4.蚊
問題95 新生児黄疸
生後20時間の新生児に明らかな黄疸を認めた。
判断として適切なのはどれか。
1.生理的黄疸として正常である。
2.早発黄疸として原因検索が必要である。
3.母乳性黄疸と断定できる。
4.生後1週間まで評価する必要はない。
問題96 前期破水
前期破水で管理中の妊婦に胎児心拍数異常を認め、胎児健常性が良好であることを確認できない。
原因として考慮するのはどれか。
1.臍帯脱出や常位胎盤早期剝離
2.妊娠悪阻
3.乳腺炎
4.子宮内膜症
問題97 子宮収縮薬
オキシトシンを用いた陣痛促進中に過強陣痛を認めた。
対応として適切なのはどれか。
1.オキシトシンを増量する。
2.同じ速度で投与を継続する。
3.オキシトシンの投与を中止する。
4.胎児心拍数を確認せず経過を見る。
問題98 CTG
胎児心拍数陣痛図〈CTG〉で胎児健常性が保たれていると判断できる所見はどれか。
1.基線細変動が消失している。
2.繰り返す遅発一過性徐脈がある。
3.正常な心拍数基線と基線細変動があり、一過性頻脈を認め、一過性徐脈がない。
4.サイナソイダルパターンを認める。
問題99 NICUと母乳
NICUに入院している児の経腸栄養について優先されるのはどれか。
1.母親自身の母乳
2.牛乳
3.果汁
4.母親自身の母乳は使用しない。
問題100 新生児の吸啜不良
出生後の新生児は活気が乏しく、授乳しても吸啜が弱い。
優先して確認する検査はどれか。
1.血糖値
2.視力検査
3.歯科検診
4.骨密度測定
正答
76:3
77:3
78:2
79:3
80:3
81:2
82:1
83:1
84:2
85:2
86:1
87:3
88:1
89:4
90:3
91:1
92:3
93:1
94:1
95:2
96:1
97:3
98:3
99:1
100:1
解説+一次情報によるダブルチェック
問題76 正答3
成人の胸骨圧迫は「100〜120回/分」で行う。日本蘇生協議会が2026年7月に最終版を刊行した「JRC蘇生ガイドライン2025」の医療用BLSアルゴリズムでも、胸骨圧迫を「速く(100〜120回/分)」と明記している。したがって正答は3である。
問題77 正答3
成人の胸骨圧迫の深さは「約5cm、ただし6cmを超えない」が現在のJRC基準である。深すぎる胸骨圧迫は外傷を増加させるため、単に「強ければ強いほどよい」わけではない。2025年版BLSアルゴリズムにもこの数値が明記されている。
問題78 正答2
地域包括支援センターには原則として「保健師」「社会福祉士」「主任介護支援専門員」の3職種を配置する。厚生労働省の介護保険法施行規則および地域包括支援センター設置運営通知の双方で確認できる。各職種の専門性を持ち寄って高齢者を包括的に支援する仕組みである。
問題79 正答3
人工肛門には肛門括約筋の機能がない。そのため、便やガスを本人の意思だけで完全に調整することはできず、排泄物を受けるストーマ装具を腹部皮膚へ装着する。厚生労働省の医療的ケア実施マニュアルにも明記されている。
問題80 正答3
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、12〜14歳女子のカルシウム推奨量は800mg/日である。同年齢男子は1,000mg/日なので男女を取り違えないことが重要。
問題81 正答2
ネフローゼ症候群では大量の尿蛋白喪失によって低蛋白血症・低アルブミン血症が生じる。小児特発性ネフローゼ症候群でも高度蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫が重要な特徴である。日本小児腎臓病学会の最新公開ガイドラインでも、浮腫管理や感染予防まで含めて扱われている。
問題82 正答1
PTSDの主要症状の一つが「回避」である。トラウマ体験そのものを考えることを避けたり、体験を思い出させる場所、人、物、話題などを避けたりする。厚生労働省資料でも侵入・再体験、回避、過覚醒などが主要症状として整理されている。
問題83 正答1
子どものPTSDでは、大人のように経験を言語化できないことがある。その代わり、トラウマ体験やそれに似た場面を遊びの中で繰り返す「再演」がみられる場合がある。厚生労働省の子どものPTSD資料にも具体的に記載されている。
問題84 正答2
女児の第二次性徴では、一般に乳房発育が最初にみられる。厚生労働省が公開している医師国家試験でも「女児の二次性徴で最初に認めるもの」として乳房発育を問う問題が出題されている。初経は乳房発育より後である。
問題85 正答2
胎児の背部を母体右側に触れる場合は「第2胎向」である。厚生労働省が公開している国家試験問題でも、Leopold診察法で「胎児の背部を母体右側に触れる」という条件から頭位第2胎向を選択させている。元のスズキ再現メモにある「第二頭位・胎児心音」の基本になる知識である。
問題86 正答1
排卵後には黄体からプロゲステロンが多く分泌され、基礎体温は高温相となる。厚生労働省の最新健康情報でも、黄体期にはプロゲステロンが増加し、基礎体温が高くなると説明されている。
問題87 正答3
妊娠初期にはhCGが黄体を刺激し、黄体からのプロゲステロン分泌を維持する。実際に第107回助産師国家試験でも「妊娠初期にhCGが産生を維持するホルモン」を問う問題が出題されており、選択肢にはプロゲステロンが含まれている。hCGは黄体機能維持作用を持つため、正答はプロゲステロンである。
問題88 正答1
乳汁の「産生」を促すのはプロラクチンである。吸啜刺激によって下垂体前葉からプロラクチンが分泌され、乳腺胞の細胞に作用して次回授乳に向けた乳汁産生を促す。WHOもプロラクチンを乳汁産生に必要なホルモンと説明している。厚労省公開の助産師国家試験でも同じ論点が出題されている。
問題89 正答4
乳汁を「作る」のがプロラクチンなのに対し、「出す」のがオキシトシンである。オキシトシンは乳腺胞周囲の筋上皮細胞を収縮させ、乳汁を乳管方向へ押し出す。これが射乳反射である。
問題90 正答3
授乳による吸啜刺激で分泌されるオキシトシンは乳汁射出だけでなく子宮収縮も促進する。そのため産褥早期には、授乳時に後陣痛が強く感じられることがある。WHOの母乳育児教材でも、オキシトシンによる子宮収縮と授乳中の疼痛について説明されている。
問題91 正答1
母乳に含まれる分泌型IgAは、児の消化管などの粘膜防御に重要であり、成熟乳より初乳に多く含まれる。厚生労働省が公開している国家試験でも「分泌型IgAは成熟乳より初乳に多い」が正しい記述として出題されている。
問題92 正答3
Apgarスコアは皮膚色、心拍数、刺激反応、筋緊張、呼吸の5項目を各0〜2点で評価する。厚生労働省資料では、1分値は出生直後の児の状態を、5分値は「蘇生への反応性」をみるものとして整理されている。したがって正答は3である。
問題93 正答1
日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン産科編2026」CQ608では、分娩目的の入院時に外陰部にヘルペス病変を認める、または強く疑われる場合には、実施可能であれば帝王切開を行うとしている。これは新生児ヘルペスの母子感染を防ぐためである。
問題94 正答1
HTLV-1の主要な母子感染経路は母乳である。2026年時点の厚生労働省公式ページでも、HTLV-1感染は主に「母乳を介した母子感染」と性的接触などによって起こると説明されている。
問題95 正答2
生後24時間以内に出現する黄疸は、通常の生理的黄疸として扱ってはいけない。早発黄疸として溶血、感染など原因検索が必要である。WHOも「出生後24時間以内の黄疸」を新生児の危険徴候としている。
問題96 正答1
前期破水後に胎児健常性が良好であることを確認できない場合、日本産科婦人科学会の2026年ガイドラインCQ303では、「臍帯脱出」「常位胎盤早期剝離」を念頭に原因検索を行うとしている。したがって正答は1である。
問題97 正答3
日本産科婦人科学会の2026年ガイドラインCQ413-3では、子宮収縮薬投与中に「過強陣痛」と判断した場合は投与を中止するとしている。子宮頻収縮や胎児心拍数異常の場合にも減量・中止を検討する。したがって、過強陣痛があるのに増量するのは明らかな誤りである。
問題98 正答3
2026年JSOGガイドラインCQ411では、
「正常な胎児心拍数基線」
「正常な基線細変動」
「一過性頻脈あり」
「一過性徐脈なし」
のとき、胎児健常性が保たれていると判断するとしている。逆に基線細変動消失、繰り返す遅発一過性徐脈、サイナソイダルパターンなどは異常を疑う所見となる。
問題99 正答1
2026年の日本新生児成育医学会雑誌「エビデンスに基づくNICU入院児の母乳栄養戦略」では、NICU入院児の経腸栄養について母親自身の母乳〈OMM〉を最優先とし、得られない場合にドナーミルクを用いる方針が整理されている。これは今回の100問の中でもかなり新しい一次情報で確認できた論点である。
問題100 正答1
哺乳不良や活気低下は新生児低血糖の徴候となり得る。日本産科婦人科学会の2026年ガイドライン資料では、新生児低血糖のリスク児について血糖フォローを行い、50mg/dL未満の場合には速やかな哺乳などの介入を行うとしている。また哺乳が困難な場合には経管栄養やブドウ糖輸液も考慮する。元の再現メモにある「吸啜しない・3時間後のリスク」という記憶からみても、低血糖を問う問題であった可能性は高い。
