都立看護 社会人入試 小論文クソ例3|令和7年度「努力することの大切さ」1200字丸ごと徹底解剖/願書 面接 小論文 推薦 説明会 オープンキャンパス 都立看護専門学校

  • 2026/09/08
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都立看護専門学校 社会人入試小論文クソ例3

令和7年度入試、つまり令和6年9月29日実施分として扱う。東京都公式の課題は「『努力することの大切さ』について、経験を踏まえたあなたの考えを1,200字程度で述べなさい」である。

今回は令和7年度の都立看護専門学校社会人入試で実際に出題された「努力することの大切さ」を扱う。

このテーマ、一見すると書きやすい。「努力した経験ならある」「資格試験の勉強を書けば1200字くらい埋まる」と思う人も多いだろう。だから危ない。

書きやすいテーマほど、受験生は自分の経験を思いついた順番に書く。「努力は大切」「諦めないことが重要」「努力すれば成長できる」「看護学校でも努力したい」。こんな言葉を並べて1200字を埋め、本人は書けたつもりになる。

しかし、受験小論文は作文ではない。

今回は、ネットで検索すればそこら中に転がっていそうな答案を意図的に作った。露骨な誤字脱字や「です・ます」と「だ・である」の混同など、さすがに社会人受験生でも気付くような幼稚なミスは入れていない。

それでも、徹底的に見るとダメなところだらけである。

ダメな1200字答案

私はこれまでの社会人経験から、努力することはとても大切であると考える。努力とは、目標に向かって諦めずに頑張ることであり、努力を続けることで人は成長することができる。私は介護職として働きながら資格取得の勉強をした経験があり、その経験から努力することの大切さを学んだ。仕事では利用者のADLを確認しながら介助を行い、毎日忙しい中で勉強時間を確保することは簡単ではなかった。しかし、将来のためには資格が必要だと思い、仕事が終わってから毎日二時間勉強するようにした。最初は疲れていて集中できない日もあり、何度も辞めたいと思ったが、SNSで同じ資格を目指している人の投稿を見て、自分も頑張ろうというモチベーションをもらった。また、休日には図書館へ行って勉強し、分からないところは職場の先輩に教えてもらうことで少しずつ理解できるようになった。勉強を始めた頃は模擬試験でも思うような点数が取れず、自分には向いていないのではないかと落ち込むこともあった。それでも毎日継続することが大切だと思い、苦手な分野を何度も繰り返し勉強した。その結果、模擬試験の点数も徐々に上がり、最終的には資格試験に合格することができた。この経験から、努力は続ければ必ず結果につながると感じた。

また、コロナの時には職場でも感染対策が必要となり、今までとは違う業務が増えた。マスクや消毒、換気などを徹底しながら利用者に安心してもらえるように声を掛け、職員同士でもコミュニケーションを取りながら協力した。利用者の中には感染を怖がる人もいたため、私は不安に寄り添い、安心できるような声掛けを心掛けた。当初は慣れないことが多く大変だったが、みんなで努力したことで感染者を出さずに乗り越えることができた。この経験からも、一人だけではなく周囲と努力することが大切だと考えるようになった。努力することで、自分自身の能力を高めるだけでなく、周囲との信頼関係や協調性、責任感、思いやりも身につけることができると考えられる。社会人として働く中では、自分だけが努力すればよいのではなく、周囲と協力しながら同じ目標に向かって努力することも重要である。だからこそ、人とのコミュニケーションを大切にし、相手の立場を考えながら行動する必要があると思う。

私はこれらの経験から、努力することは目標を達成するために欠かせないものだと思う。努力をしても結果が出ないこともあるかもしれないが、その努力は決して無駄にはならず、自分の成長につながるのではないだろうか。努力する中で失敗することもあるが、その失敗から学んで次に生かすことで、さらに成長することができると考える。看護学校に入学してからも勉強や実習で大変なことがたくさんあると思うが、これまでの経験を生かして努力を続けたい。そして、患者さんに寄り添い、多職種と連携しながら安心・安全な看護を提供できる看護師になるために、これからも努力していきたい。

約1200字である。

さて、学校の先生やそこらの小論文講師なら「資格試験に合格した具体的な経験が書けています」「二つの経験があっていいですね」「最後は看護師につながっています」とでも返すのだろう。

私はそんな幼稚園生のママごと遊びのような添削はしない。

最初から切る。

1文目からすでにダメ

「私はこれまでの社会人経験から、努力することはとても大切であると考える。」

❌「とても大切」

小学生の感想か。「とても」を付けたら大切さが強くなるわけではない。

さらに、❌「考える」。

問題文で「あなたの考え」を聞かれている。だったら、考えた内容を書け。「私は考える」という思考行為を報告する必要はない。

もっと問題なのは、この一文を読んでも「努力することの何が大切なのか」が分からないことである。テーマをそのまま「努力することは大切」と言い直しただけだ。設問を答えにするな。

2文目は定義から崩れる

「努力とは、目標に向かって諦めずに頑張ることであり、努力を続けることで人は成長することができる。」

❌「頑張る」。

受験小論文で便利な口語へ逃げるな。

しかも「努力とは頑張ることである」。ほとんど説明になっていない。「頑張る」を「努力」に置き換えただけである。

その直後に、また❌「努力」。

一文の中で「努力とは」「努力を続ける」と繰り返している。さらに「ことであり」「ことで」「ことができる」と、「こと」まで増殖している。

47字あることも問題だが、それ以前に文章が重い。

そして、「努力を続けると人は成長できる」と突然一般化している。何をもって成長とするのか。知識か、技術か、精神面か、結果か。何も書いていない。

❌抽象語を抽象語で説明して終了。

3文目は同じことをもう一度書いている

「私は介護職として働きながら資格取得の勉強をした経験があり、その経験から努力することの大切さを学んだ。」

❌「経験」が一文で二回。

さらにまた、❌「努力することの大切さ」。

題名を何回書くつもりだ。

1文目で「努力することは大切」、2文目で「努力とは」、3文目で「努力することの大切さ」。

たった三文で「努力」を連打している。これはテーマが一貫しているのではない。表現力がないだけだ。

しかも、この段階でもこの答案が何を主張するのか定まっていない。努力を継続することなのか、資格取得なのか、成長なのか。起で方向を決められていない。

4文目、ADLって何だ

「仕事では利用者のADLを確認しながら介助を行い、毎日忙しい中で勉強時間を確保することは簡単ではなかった。」

まず52字。長い。

さらに、❌ADL。

何だそれ。

日常生活動作のことか。コンピュータ関連のシステム用語か。別分野の略語か。

「看護学校の採点者だからADLくらい知っているだろう」などという甘えを文章へ持ち込むな。略語を使うなら最初に正式名称を示せ。採点者に補完させるな。略語や専門用語は説明なく置くな。

それ以前に、このテーマで「利用者のADLを確認して介助した」という情報が必要なのか。

不要である。

問題は「努力することの大切さ」だ。介護職らしい単語を入れたら評価が上がるわけではない。関係のない専門用語を放り込むな。

5文目、「将来のため」っていつの何だ

「しかし、将来のためには資格が必要だと思い、仕事が終わってから毎日二時間勉強するようにした。」

❌「将来のため」。

何の将来だ。

転職か。昇進か。業務上必要だったのか。資格取得後に何をしたかったのか。

書き手の頭の中にしか答えがない。

そしてまた、❌「思い」。

思ったことはどうでもいい。なぜ資格が必要だったのかを書け。

ただし、「毎日二時間勉強した」という部分は具体的な事実として使える。ところが、その前の説明が曖昧なので、せっかくの具体性を自分で潰している。

6文目は完全に詰め込みすぎ

「最初は疲れていて集中できない日もあり、何度も辞めたいと思ったが、SNSで同じ資格を目指している人の投稿を見て、自分も頑張ろうというモチベーションをもらった。」

78字。

長すぎる。

しかも、疲れた、集中できない、辞めたい、SNSを見た、頑張ろうと思った、モチベーションをもらった。何個入れる。

一文一義はどこへ行った。

さらに、❌SNS。

何だそれ。

日常会話では通じる。それがどうした。受験小論文だ。必要なら最初に説明しろ。

そして、❌「頑張ろう」。

また口語。

❌「モチベーションをもらった」。

何だその日本語は。「もらった」という授受表現まで入っている。

この一文だけで、一文の長さ、一文一義、略語、口語、授受表現、抽象語が全部出た。

7文目も授受表現

「また、休日には図書館へ行って勉強し、分からないところは職場の先輩に教えてもらうことで少しずつ理解できるようになった。」

58字。

❌「教えてもらう」。

授受表現。

さらに、❌「~することで」。

この表現が出たら主語を確認しろ。

誰が教える。先輩だ。

誰が理解できるようになる。私だ。

一文の中で主体が変わっている。「~することで」は前後の主体を必ず確認するルールになっている。

そして「分からないところ」とは何だ。これも曖昧。

読めるかどうかではない。

分からない。だから直す。

8文目、また「思う」

「勉強を始めた頃は模擬試験でも思うような点数が取れず、自分には向いていないのではないかと落ち込むこともあった。」

54字。

❌「思うような点数」。

どの程度だ。

40点か。合格点まで10点不足なのか。前回より低下したのか。何もない。

さらに、「自分には向いていないのではないか」と内面の独白へ寄っている。

小説ではない。

この経験で重要なのは、落ち込んだ自分の心情をドラマチックに書くことではなく、その後どう努力を修正・継続したのかである。

9文目は重複だらけ

「それでも毎日継続することが大切だと思い、苦手な分野を何度も繰り返し勉強した。」

❌「毎日継続」。

毎日続けるなら、それ自体が継続である。

❌「何度も繰り返し」。

繰り返すから何度もやるのである。

同じ意味を重ねるな。

さらにまた、❌「大切だと思い」。

思った動作ではなく内容を書け。

10文目、結果の書き方まで雑

「その結果、模擬試験の点数も徐々に上がり、最終的には資格試験に合格することができた。」

「その結果」を使うなら、その前の行動と本当に因果関係があるか確認する。この場合、勉強の継続と点数上昇、資格試験合格という流れ自体は置ける。

しかし、❌「点数も」。

何に対する「も」だ。

何かほかのものも上がったのか。

そして、❌「最終的には」。

なくても意味は変わらない。

さらに「合格することができた」。冗長である。「合格した」で済む。

11文目で一気に論理が暴走する

「この経験から、努力は続ければ必ず結果につながると感じた。」

❌「感じた」。

感想文。

それ以上に酷いのが、❌「必ず結果につながる」。

あなたが一回資格試験に合格した。

だから、努力を続ければ人間は必ず結果を得られる。

どういう論理だ。

たった一つの経験から一般化しすぎである。

さらに「結果」とは何だ。合格か。成長か。技能向上か。

曖昧なまま断定だけ強くしている。

そして、この「必ず」は後で自分自身の文章によって破壊される。

覚えておいてほしい。

12文目、ここから突然二つ目の話が始まる

「また、コロナの時には職場でも感染対策が必要となり、今までとは違う業務が増えた。」

何だこれは。

資格勉強の話はどこへ行った。

起で「二つの経験を述べる」とも書いていない。努力の二つの側面を示したわけでもない。

突然、第二話開始。

だからナンバリングが必要になる。

さらに、❌「コロナ」。

何のコロナだ。

コロナビールか。太陽のコロナか。新型コロナウイルス感染症を指すなら、そのように書け。

❌「コロナの時」。

いつだ。

2020年か。2021年か。感染拡大期なのか。

❌「今までとは違う業務」。

何がどう違う。

全部雑。

13文目、64字で全部詰め込む

「マスクや消毒、換気などを徹底しながら利用者に安心してもらえるように声を掛け、職員同士でもコミュニケーションを取りながら協力した。」

64字。

長い。

「マスク」「消毒」「換気」と三つ並べ、その後に「利用者」「安心」「声掛け」「職員」「コミュニケーション」「協力」。

欲張りすぎだ。名詞を並べて良いのは3つまでだ。

しかも、❌「安心してもらえる」。

授受表現。

安心とは何だ。声を掛けたら安心したのか。その結果はどこにある。

さらに、❌「コミュニケーションを取りながら協力」。

コミュニケーションと協力の違いすら説明していない。

看護っぽい言葉を入れれば中身が濃くなると思うな。

14文目、「寄り添う」が出た瞬間に面接まで危険

「利用者の中には感染を怖がる人もいたため、私は不安に寄り添い、安心できるような声掛けを心掛けた。」

❌「感染を怖がる人」。

文章が幼い。「感染への不安」など、表現を整理できる。

そして、❌「不安に寄り添う」。

何をしたんだ。

不安に寄り添うという行為は存在しない。

さらに、❌「安心できるような声掛け」。

どんな声掛けだ。

何を説明した。

何を確認した。

何もない。

しかも、こういう「寄り添う」を小論文に書けば、人物考査でも材料を自分から提供することになる。

「あなたのいう寄り添うとは具体的に何ですか」

ここで答えられなければ終わり。

「不安を聞くことです」程度の回答をすれば、さらに「どのように不安を把握するのですか」と聞かれる。

説明できない看護用語を格好だけで使うな。

15文目、事実まで勝手に強くする

「当初は慣れないことが多く大変だったが、みんなで努力したことで感染者を出さずに乗り越えることができた。」

❌「大変だった」。

何が大変だった。

❌「みんな」。

小論文でその言葉を使うな。

そして最大の問題。

❌「みんなで努力したことで感染者を出さなかった」。

感染者が発生しなかったという結果を、職員の「努力」だけに帰属させている。

そこまで証明できるのか。

できない。

感染者が出なかった事実と、職員が感染対策を行った事実は書ける。しかし、それを「努力したから感染者がゼロだった」と一本の因果で結ぶのは強すぎる。

事実以上の成果を書くな。

16文目で「努力」の意味そのものが変わっている

「この経験からも、一人だけではなく周囲と努力することが大切だと考えるようになった。」

また、❌「考えるようになった」。

しかし、もっと問題なのはそこではない。

最初の経験では、努力とは自分が資格取得へ向けて勉強を継続することだった。

二つ目では「周囲と努力すること」に変わっている。

つまり、一つ目は個人の継続、二つ目は集団の協力。

この二つを扱いたいなら、起で最初から二本の柱として設定しろ。

何も設定せずに書き進め、途中で思いついた話を追加するから、段落同士がつながらなくなる。

17文目は名詞のゴミ箱

「努力することで、自分自身の能力を高めるだけでなく、周囲との信頼関係や協調性、責任感、思いやりも身につけることができると考えられる。」

65字。

長い。

❌「努力することで」。

誰が何をして、何がどうなるのかを確認しろ。

❌「自分自身」。

「自分」で足りる。

そして、

信頼関係、協調性、責任感、思いやり。

四つ。

名詞を四つ並べるな。

さらに次元も違う。信頼関係は人と人との関係性、協調性・責任感・思いやりは人の性質や態度である。

何でも並べればよいわけではない。

その最後に、❌「身につけることができると考えられる」。

「こと」「できる」「考えられる」の全部乗せ。

文章を薄める表現を何個重ねるんだ。

18文目、努力を一文で二回

「社会人として働く中では、自分だけが努力すればよいのではなく、周囲と協力しながら同じ目標に向かって努力することも重要である。」

61字。

また「努力」。

一文の中だけで二回。

さらに「周囲と協力しながら同じ目標に向かって努力」。

何の目標だ。

二段落目では感染対策だった。しかし、文章は突然「社会人一般」の話へ拡大している。

一つの職場経験から、「社会人は周囲と同じ目標へ向かって努力することが重要」と一般化。

また広げすぎている。

19文目、今度はコミュニケーションへ旅行する

「だからこそ、人とのコミュニケーションを大切にし、相手の立場を考えながら行動する必要があると思う。」

なぜ「だからこそ」なのか。

前文は「周囲と協力して努力すること」。

そこから、なぜ「相手の立場」と「コミュニケーション」が出てくる。

論理が飛んでいる。

そして、❌「コミュニケーション」。

この小論文のテーマは努力だ。

❌「相手の立場を考えながら」。

また「考える」。

❌「必要があると思う」。

最後まで逃げる。

こういう文章を「話が広がっていてよい」などと評価する講師がいたら最悪だ。広がっているのではない。散らかっている。

20文目、結論なのに設問をコピー

「私はこれらの経験から、努力することは目標を達成するために欠かせないものだと思う。」

❌「これらの経験」。

二つの経験が何を共通して証明したのか整理できていないから、「これら」で逃げている。

また、❌「努力すること」。

そして、❌「思う」。

「努力することの大切さ」を問われて、「努力することは欠かせないと思う」。

ほぼ設問の言い直しだ。

1200字書いて、その結論か。

21文目、自分で自分の11文目を破壊する

「努力をしても結果が出ないこともあるかもしれないが、その努力は決して無駄にはならず、自分の成長につながるのではないだろうか。」

ここは致命傷。

11文目を思い出してほしい。

「努力は続ければ必ず結果につながる」

と断定した。

ところが、ここでは、

「努力をしても結果が出ないこともあるかもしれない」

と言っている。

真正面から矛盾している。

自分で書いた主張を、自分で否定している。

さらに、

❌「こともあるかもしれない」

ぼかしすぎ。

❌「決して無駄にはならない」

今度は強すぎ。

❌「自分の成長」

何の成長だ。

❌「ではないだろうか」

疑問形。

自分の主張を読み手へ質問するな。

この一文だけで、主張の矛盾、曖昧表現、根拠のない断定、抽象語、疑問形が全部出ている。

22文目、「成長する」に逃げる

「努力する中で失敗することもあるが、その失敗から学んで次に生かすことで、さらに成長することができると考える。」

❌「失敗」が二回。

❌「することで」。

❌「成長」。

何が成長した。

❌「ことができる」。

❌「考える」。

しかも、今回の具体例では「失敗から学んだ経験」を具体的に書いていない。

本文にない話を結論で追加している。

「努力」「失敗」「成長」というそれっぽい言葉を並べれば深い文章になると思うな。

ならない。

23文目で突然、看護学校生活の話

「看護学校に入学してからも勉強や実習で大変なことがたくさんあると思うが、これまでの経験を生かして努力を続けたい。」

聞かれていない。

問題は「努力することの大切さについて、経験を踏まえたあなたの考え」である。

「看護学校へ入ったらどうするか」ではない。

❌「大変なことがたくさん」。

小学生か。

何が大変なのか何もない。

そして、また❌「思う」。

最後には「努力を続けたい」。

設問への論述から、入学後の決意表明へ完全に移動した。

24文目、最後は看護受験テンプレート全部乗せ

「そして、患者さんに寄り添い、多職種と連携しながら安心・安全な看護を提供できる看護師になるために、これからも努力していきたい。」

最悪の締め方である。

❌「そして」。

前文から何を追加しているのか。

❌「患者さん」。

敬称不要。

❌「寄り添い」。

具体性ゼロ。

❌「多職種と連携」。

本文で多職種連携について論じていない。

❌「安心・安全」。

何をもって安心、安全なのか。

❌「看護を提供できる看護師」。

看護、看護師の近接。

そして何より、この1200字はいつから「私の目指す看護師像」になった。

設問を勝手に変えるな。

看護学校の小論文だから、最後に「患者に寄り添う看護師になりたい」と書けば喜ばれると思っているのだろうか。

そんなわけがない。

問われたことに答えろ。

この答案は一文単位だけではなく、段落構成そのものが壊れている

ここまで一文ずつ切ったが、本当の致命傷は1200字全体にある。

最初の段落では「努力は大切」としか設定していない。ところが、資格試験の話を書き始めると「継続」が出てくる。その次の段落では突然「集団での努力」「感染対策」「コミュニケーション」「信頼関係」「協調性」「責任感」「思いやり」が増える。結論ではさらに「失敗」「成長」「看護学校」「患者」「寄り添う」「多職種連携」「安心」「安全」まで追加される。

文章が進むほど論点が増えている。

逆だ。

1200字は、最後へ進むほど自分の主張へ収束させなければならない。

この答案は最後へ進むほど散らかっている。

起では論点を二本程度に絞り、承1・承2で一つずつ扱い、結論で回収することを基本としている。結論で新しい話を始めるのは禁止である。

文と文もつながっていない

さらにひどいのが、「また」「しかし」「その結果」「だからこそ」を書けば文章がつながると思っている点だ。

「資格試験に合格した。その経験から努力は必ず結果につながる。また、コロナの時には……」

この「また」で、資格勉強と感染対策が論理的につながるのか。

つながらない。

「周囲と同じ目標に向かって努力することが重要である。だからこそ、人とのコミュニケーションを大切にする」

なぜ「だからこそ」なのか。

つながらない。

接続詞は、バラバラの文章を接着する魔法のテープではない。

前後の意味関係が成立しているから、初めて接続詞を使える。プロジェクトの基準でも、接続詞を書いただけで論理が成立したとは扱わず、「例えば」なら本当に具体例か、「そのため」なら本当に原因から導けるのかまで確認する。

同じ言葉を何回使うんだ

この答案では「努力」が異常なほど出てくる。

テーマが努力だから当然?

違う。

題名と同じ言葉を何度も書けば、テーマに答えたことになるわけではない。

「努力することは大切」「努力を続ける」「努力することの大切さ」「努力は必ず結果につながる」「みんなで努力した」「周囲と努力する」「努力することで」「自分だけが努力」「同じ目標へ努力」「努力することは欠かせない」「努力をしても」「その努力」「努力する中で」「努力を続けたい」「これからも努力」。

これだけ使っている。

文章力以前の問題である。

「努力」という単語を使わずに、努力の何が重要なのか説明できなければならない。

さらに「考える」「思う」「考えられる」「感じた」も連発している。本人の考えを書く問題なのだから、そんな思考動詞を何度も書く必要はない。考えた行為ではなく<考えた内容そのもの>を書くことが原則だ。

「である」に統一すれば文章がうまくなるわけでもない

今回のダメ答案は、あえて「です・ます」と「だ・である」を混ぜていない。そんな初歩以前のミスを題材にしても意味がないからだ。

しかし、ここからさらに注意が必要になる。

「努力は重要である。継続は必要である。協力も大切である。信頼関係も重要である。」

こんな文章を書けば、文体は統一されている。

だから何だ。

「である」「重要である」「必要である」を何度も繰り返せば、文章は機械的になる。同じ名詞だけでなく、同じ文末、同じ構文まで近距離で繰り返さない。これは小論文の超基礎ルールである。

この答案を「内容はいい」で返すZラン卒のゴミ講師は何も見ていない

資格試験に合格した。

感染対策を経験した。

介護職として働いている。

一見すると材料はある。

しかし、材料があることと、小論文として成立していることは全く違う。

この答案は、主張が定まっていない。二つの経験の関係も設定されていない。ADLやSNSやコロナを説明せずに使う。同じ語を繰り返す。一文が長い。授受表現を使う。「考える」「思う」を連発する。事実から一般論へ飛ぶ。本文中で自分の主張が矛盾する。最後には設問を捨てて看護師志望動機を書く。

これを「具体的な経験があっていいですね」などと返すのは添削ではない。

答案の表面を眺めて感想を言っているだけだ。

受験小論文を見るなら、一文の中では主語と述語を見る。文と文の間では論理を見る。段落と段落の間では役割と順序を見る。そして1200字全体では、最初から最後まで設問へ答え続けているかを見る。

今回の答案なら、まず「努力することの大切さとは何なのか」を一本の主張として固定しなければならない。そのうえで経験を使って、その主張を証明する。経験を書いたから得点になるのではない。その経験が自分の主張を証明して初めて意味を持つ。

ここを理解せず、思い出話を1200字書いている受験生が多すぎる。

それは小論文ではない。

幼稚園生の作文である。