埼玉医科大学短期大学 専攻科(助産師) 過去問3年分(2024/2025/2026)解説講義+予想問題50/倍率 過去問 オープンキャンパス 学費 募集要項

① 問題編 2024年度
埼玉医科大学短期大学
令和6年度専攻科入学試験問題
専門基礎分野・専門分野
1 以下の問いに答えなさい。
<1>生殖器の分化と発達について正しいのはどれか。
1.発生初期の胚子は、男女両方の生殖器の原基を備えている。
2.胚子がX染色体を持つか否かで、生殖器の分化がおこる。
3.ウォルフ管は女性生殖器の原基である。
4.ミュラー管はY染色体があると発達する。
<2>ステロイド核をもたないのはどれか。
1.テストステロン
2.エストラジオール
3.胆汁酸
4.プロスタグランディン
<3>胃がんの進展様式でないのはどれか。
1.卵巣へ転移したクルーケンベルグ腫瘍
2.鎖骨上窩リンパ節へ転移したウィルヒョウ転移
3.膀胱子宮窩へ播種したシュニッツラー転移
4.早期に血行転移するグラビッツ腫瘍
<4>非ステロイド性抗炎症薬が禁忌であるのはどれか。
1.痛風
2.関節リウマチ
3.消化性潰瘍
4.がん性疼痛
<5>母子感染のうち経胎盤感染するものはどれか。
1.風疹ウイルス
2.GBS感染症
3.単純ヘルペスウイルス
4.成人T細胞白血病ウイルス
<6>骨粗鬆症について適切なのはどれか。
1.老年期の男性に多い。
2.脊椎圧迫骨折のリスクが高い。
3.骨密度は、上腕骨で測定するのが標準的である。
4.PSA検査が有用である。
<7>育児・介護休業法(令和3年6月に育児・介護休業法改正)で誤っているのはどれか。
1.事業主は育児休業制度等に関することを個別に周知・確認する。
2.「産後パパ育休」は、その出生後8週間以内に4週間まで取得することができる。
3.育児休業を分割して2回まで取得することが可能である。
4.雇用人数にかかわらず事業主は、育児休業等の取得の状況を公表する。
<8>出生前診断の普及するなか、課題となっている事項はどれか。
1.胎児条項の導入の是非
2.インフォームドアセントの有効性
3.幹細胞を用いた再生医療への利用
4.セクシャルマイノリティに対する差別
<9>成人に経鼻経管栄養を行う際の胃管挿入について適切なのはどれか。
1.体位は、水平仰臥位とする。
2.顔の向きは、挿入する鼻腔と反対側にむける。
3.咽頭部通過後は、管からの空気の出入りがあれば挿入を続ける。
4.胃管の位置確認は、空気注入による気泡音で十分である。
<10>左心不全の病態はどれか。
1.頸静脈の怒張
2.呼吸困難
3.肝腫大
4.下肢の浮腫
<11>肝硬変症患者の治療について適切でないのはどれか。
1.絶対安静
2.食塩の制限
3.利尿薬の投与
4.ラクツロースの投与
<12>呼吸困難の分類で吸気性呼吸困難となるのはどれか。
1.気管支喘息
2.気管支軟化症
3.急性喉頭蓋炎
4.慢性閉塞性肺疾患
<13>妊娠中の血液動態について正しいのはどれか。
1.循環血液量は減少する。
2.赤血球の生産が低下する。
3.血小板数は単独で低下する。
4.白血球数は増加する。
<14>頭蓋内圧亢進時の看護で禁忌なのはどれか。
1.頭部挙上30度
2.痰の吸引
3.酸素の吸入
4.グリセリン浣腸
<15>1991年の国際連合総会で決議された「高齢者のための国連原則」には5つの原則が示された。その原則とは「自立の原則」「[ ]の原則」「ケアの原則」「自己実現の原則」「尊厳の原則」である。[ ]に入るのはどれか。
1.活動
2.参加
3.権利
4.擁護
<16>新生児の蘇生法アルゴリズム(2020版)で、パルスオキシメーターのプローブは動脈管の影響を受けない新生児の右手に装着しSpO₂値を把握する。その目標値として1分、3分、5分、10分の値が示されているが、出生後1分の目標値は[ ]である。[ ]に入る値で正しいのはどれか。
1.60%以上
2.70%以上
3.80%以上
4.90%以上
2 次の文を読み、問い(17)、(18)、(19)に答えなさい。
Aさん、39歳の女性、介護士、夫と2人暮らし。月経の遅れに気づき、市販の妊娠検査薬で陽性となり、産婦人科を受診した。最終月経は、11月26日から5日間、月経周期は、28日である。経腟超音波検査と内診が行われ、本日妊娠8週0日と診断された。身長155cm、非妊時体重60.5kgである。「結婚してすぐ子どもが授からず、ずっと基礎体温を測定していた。夜勤もあってかなり体に負担がかかるので心配です。」と話している。
<17>妊娠の経過で誤っているのはどれか。
1.経腟超音波検査では、胎児心拍動を確認できる。
2.ネーゲレ概算法による分娩予定日は、9月2日である。
3.基礎体温は、高温相が持続している。
4.子宮底の高さは、恥骨結合上縁である。
<18>Aさんの妊娠全期間を通しての推奨体重増加量はどれか。
1.増加なし
2.おおよそ5kg
3.7〜12kg
4.13〜15kg
<19>この健診時の保健指導で適切でないのはどれか。
1.仕事の内容を確認する。
2.母子健康手帳交付の説明をする。
3.性器出血に注意するよう説明する。
4.バースプランの説明をする。
3 次の文を読み、問い(20)、(21)、(22)に答えなさい。
妊娠37週5日の初産婦。妊婦健康診査で「最近、就寝時にお腹が10〜15分間隔で硬くなります。少し痛みもありますがいつの間にか寝てしまうようで、気づくと朝になっています。今は何ともありません。入院した方が良いでしょうか」と話す。診察の結果、子宮口は2cm開大、血性の分泌物を少量みとめ、未破水である。
<20>看護師の説明として正しいのはどれか。
1.前駆陣痛なので心配ありません。
2.陣痛が15分間隔になったら入院しましょう。
3.夜間に破水したら、朝一番で受診して下さい。
4.出血もありますから直ぐに入院しましょう。
<21>会計を待つ間にトイレに行ったところ、少量の出血があり、お腹も痛くなってきたと言うので、分娩監視装置を装着することとなった。30分程度装着した結果、陣痛は10分以内に認められた。胎児心拍の状況で正常なのはどれか。
1.頻脈が持続している。
2.変動一過性徐脈を認める。
3.胎児心拍数基線細変動がない。
4.胎児心拍数基線が110〜120bpmである。
<22>胎児心拍の状況からさらに10分程度、観察をしたところ、「気持ちが悪くなってきました」と訴えがあった。優先するケアはどれか。
1.ベッドサイドに座らせた。
2.トイレへ行くように誘導した。
3.左側を向くように指示した。
4.血圧測定をするので深呼吸させた。
4 染色体異常による主な疾患について
常染色体異常には①、性染色体異常には②をマークしなさい。
<23>13トリソミー
<24>ダウン症候群
<25>ターナー症候群
<26>18トリソミー
<27>クラインフェルター症候群
5 アレルギー反応と機序について
正しいものには①、誤っているものには②をマークしなさい。
<28>花粉症は、Ⅰ型アレルギーである。
<29>全身性エリテマトーデスは、Ⅱ型アレルギーである。
<30>突発性血小板減少性紫斑病は、Ⅱ型アレルギーである。
<31>関節リウマチは、Ⅲ型アレルギーである。
<32>アナフィラキシーショックは、Ⅳ型アレルギーである。
6 更年期のホルモン変化について、
閉経後に上昇するものには①、減少するものには②をマークしなさい。
<33>エストロゲン
<34>ゴナドトロピン放出ホルモン
<35>プロゲステロン
<36>黄体化ホルモン
<37>卵胞刺激ホルモン
7 産褥期の身体的変化について
正しいものには①、誤っているものには②をマークしなさい。
<38>子宮は、産褥10〜14日で非妊時の大きさに回復する。
<39>オートクリン・コントロールで乳汁産生が制御される。
<40>体温は、分娩直後から産褥24時間以内に多少の体温上昇がみられることがある。
<41>赤血球数や血色素数は、分娩当日に最低値となる。
<42>腎血漿流量と糸球体濾過量は、産褥2〜3週で非妊時の値に回復する。
8 医療保険における給付について
正しいものには①、誤っているものには②をマークしなさい。
<43>被扶養者が出産した時は、出産育児一時金が支給される。
<44>被保険者が出産した時は、家族出産育児一時金が支給される。
<45>被保険者が、出産のため仕事を休んだ場合、出産手当金が支給される。
<46>双胎の場合、出産育児一時金は、二児分の金額が支給される。
<47>出産育児一時金は、妊娠3か月以上の出産に対して支給される。
問題別 詳しい解説講義
問題1 正答①
発生初期の胚子では、生殖器はまだ男女いずれにも分化していない「未分化」の状態にあり、ウォルフ管とミュラー管など、男女両方へ分化し得る構造を備えている。そのため①が正しい。
②は誤り。男女の分化を単純に「X染色体を持つかどうか」で決めているわけではない。通常、男性もXYでありX染色体を持っている。性分化ではY染色体上のSRY遺伝子などが重要になる。
③は誤り。ウォルフ管は男性で精巣上体、精管、精嚢などへ分化する。女性生殖器の主要な原基となるのはミュラー管である。
④も逆である。男性では精巣のセルトリ細胞から分泌される抗ミュラー管ホルモン〈AMH〉によってミュラー管が退縮する。ミュラー管は女性では卵管、子宮、腟上部などへ分化する。
この問題では「ウォルフ管=男性」「ミュラー管=女性」をまず確実に覚える。
問題2 正答④
テストステロン、エストラジオール、胆汁酸はいずれもステロイド骨格をもつ。これに対してプロスタグランジンはアラキドン酸などの20炭素脂肪酸から作られるエイコサノイドであり、ステロイド核をもたない。
テストステロンはアンドロゲン、エストラジオールはエストロゲンで、いずれもコレステロールから合成されるステロイドホルモンである。胆汁酸もコレステロールを材料として肝臓で合成され、ステロイド骨格を保持している。
なお、原問題では「プロスタグランディン」と印刷されている。一般的な日本語表記は「プロスタグランジン」であるが、転記では原文を変更していない。
問題3 出題者想定正答④。ただし設問に疑義あり
①クルーケンベルグ腫瘍は、典型的には胃癌などから卵巣へ転移した転移性卵巣腫瘍である。
②ウィルヒョウ転移は、胃癌などが左鎖骨上窩リンパ節へ転移するものである。
④グラビッツ腫瘍〈Grawitz tumor〉は腎細胞癌を指す名称であり、胃癌の進展様式ではない。したがって出題者が意図した正答は④と考えるのが自然である。
ところが③にも問題がある。胃癌の腹膜播種によるシュニッツラー転移として古典的に扱われるのは「ダグラス窩」、女性では直腸子宮窩である。原問題は「膀胱子宮窩」としており、これは子宮と膀胱の間にある別の腹膜窩である。日本消化器外科学会の報告でも、胃癌のSchnitzler転移はダグラス窩病変として記載されている。
したがって厳密には「③の記載も正しくない」。単一選択問題としては不備があると判断する。ただし実際の採点想定を推測するなら④である。
問題4 正答③
NSAIDs〈非ステロイド性抗炎症薬〉はシクロオキシゲナーゼ〈COX〉を阻害してプロスタグランジン産生を低下させる。プロスタグランジンには胃粘膜血流を維持し、粘液・重炭酸分泌を促す作用があるため、これが抑制されると胃・十二指腸潰瘍や消化管出血の危険が高まる。
そのため活動性の消化性潰瘍は、多くのNSAIDsで禁忌または強い使用制限となる。
①痛風では急性発作時の治療としてNSAIDsが用いられることがある。②関節リウマチでも疼痛・炎症軽減目的に使用される。④がん性疼痛でもWHO方式の鎮痛治療などで非オピオイド鎮痛薬として用いられる場合がある。
よって③。
問題5 正答①
風疹ウイルスは妊婦から胎盤を介して胎児へ感染し、先天性風疹症候群〈CRS〉を起こす代表的な病原体である。厚生労働省もCRSを「風しんウイルスの胎内感染によって先天異常を起こす感染症」と定義している。
②GBSは主として分娩時に産道を通過する際の垂直感染が問題になる。③単純ヘルペスウイルスも新生児感染では分娩時感染が中心である。④HTLV-1は母子感染の中でも特に母乳を介した感染が重要である。
したがって「経胎盤感染」の代表として①を選ぶ。
問題6 正答②
骨粗鬆症では骨強度が低下し、軽微な外力でも脆弱性骨折を起こしやすくなる。代表的な部位は椎体、大腿骨近位部、橈骨遠位端などであり、椎体圧迫骨折のリスクが高い。厚生労働省の資料でも脆弱性骨折部位として脊椎、大腿骨頸部などが示されている。
①は誤り。原発性骨粗鬆症、とくに閉経後骨粗鬆症は女性に多い。
③も誤り。骨密度測定ではDXA法による腰椎・大腿骨近位部が標準的であり、「上腕骨」が標準ではない。
④PSAは前立腺に関連する検査であり、骨粗鬆症の診断検査ではない。
問題7 正答④
④の「雇用人数にかかわらず」が誤りである。
産後パパ育休は、出生後8週間以内に通算4週間〈28日〉まで、2回に分割して取得できる。通常の育児休業も原則2回に分割取得可能となっている。
また、労働者本人または配偶者から妊娠・出産の申出があった場合、事業主には育児休業制度等の個別周知と取得意向確認が求められる。したがって①〜③は制度の内容に合う。
さらに現在は2025年4月1日の改正施行により、育児休業等の取得状況の公表義務が「従業員300人超」の企業まで拡大されているが、すべての事業主に公表義務があるわけではない。
なお、ここは法律改正があるため、2027年度以降の受験では最新制度を覚える必要がある。
問題8 正答①
出生前診断によって胎児の染色体異常や疾患が判明する機会が増えると、「胎児の疾患・障害を人工妊娠中絶の法的適応理由として明文化するのか」という胎児条項をめぐる倫理的・法的問題が生じる。
日本の母体保護法には、胎児に疾患や障害があること自体を直接の人工妊娠中絶適応とする、いわゆる胎児条項は置かれていない。そのため出生前診断の普及とともに繰り返し議論されてきた論点であり、①が最も適切である。
②インフォームドアセントは主として意思決定能力が十分でない小児などへの説明・同意過程に関する概念で、この設問の中心課題ではない。③再生医療、④性的少数者への差別も出生前診断固有の主要論点ではない。
問題9 正答②
経鼻胃管を挿入するときは、鼻腔から咽頭、食道へ円滑に進めるため頭頸部の位置を調整する。選択肢の中では②が適切である。
③は危険である。チューブから空気の出入りを認めた場合は、気道へ誤挿入されている可能性を考える必要があり、そのまま挿入を続けてはいけない。
④も重要な誤りである。かつては胃管から空気を入れ、心窩部で「気泡音」を聴取する確認法が広く行われたが、これだけでは気管への誤挿入を除外できない。PMDAも「気泡音だけでは、チューブの位置を正確に確認することが困難な場合がある」と注意喚起し、複数の方法による確認を求めている。
問題10 正答②
左心不全では左心系から血液を十分に送り出せなくなり、左房圧・肺静脈圧が上昇する。その結果、肺うっ血や肺水腫を生じ、息切れ、呼吸困難、起坐呼吸などが現れる。
2025年改訂の日本循環器学会・日本心不全学会ガイドラインでも、肺うっ血・左房圧上昇の典型症状として「息切れ、起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難」が示されている。
一方、頸静脈怒張、肝腫大、下肢浮腫は主として右房圧上昇・体うっ血の所見である。したがって②。
問題11 正答①
肝硬変そのものに対して「絶対安静」を一律に続けることは適切ではない。
腹水を伴う肝硬変では塩分制限や利尿薬が治療に用いられる。日本肝臓学会の肝硬変診療ガイドラインでも、腹水治療では塩分摂取を減らし、スピロノラクトンなどの利尿薬を使用する治療戦略が示されている。
ラクツロースは肝性脳症に対してアンモニア産生・吸収を抑える目的などで使用される。
もちろん病状によって安静が必要な時期はあるが、「肝硬変=絶対安静」という治療ではない。したがって①。
問題12 正答③
吸気性呼吸困難は、喉頭など上気道の狭窄・閉塞で生じやすい。吸気時には胸腔内の陰圧が強くなり、狭窄部で空気が通りにくくなるためである。
急性喉頭蓋炎では喉頭蓋の急激な腫脹によって上気道が狭窄し、吸気性喘鳴〈stridor〉や吸気性呼吸困難を生じ得る。そのため③。
気管支喘息やCOPDは末梢気道が狭窄し、特に呼気時に空気を出しにくくなる「呼気性呼吸困難」が基本である。気管支軟化症も呼気時の気道虚脱が問題となりやすい。
問題13 正答④
妊娠すると循環血漿量は大きく増加し、赤血球量も増加する。ただし血漿量の増加率の方が大きいため、生理的な血液希釈が起こり「妊娠性貧血」のような状態になる。
①循環血液量は「減少」ではなく増加する。
②赤血球産生も低下するのではなく、エリスロポエチンなどの作用で増加する。
血小板は妊娠に伴って軽度低下することがあるが、妊娠中の血液変化を「血小板だけが単独で低下する」と表現する③は不適切である。
一方、白血球数は妊娠中に生理的に増加する。したがって④。
問題14 正答④
頭蓋内圧が亢進している患者では、排便時の怒責や腹圧上昇によって静脈圧が上昇すると、さらに頭蓋内圧が上がる危険がある。そのため強い腸管刺激や排便を引き起こすグリセリン浣腸は避けるべきであり、④が正答となる。
頭部を約30度挙上することは脳静脈還流を促し、頭蓋内圧管理に用いられる。酸素投与も低酸素血症を避けるため必要となる。
痰の吸引は一時的に頭蓋内圧を上げる可能性があるため、必要最小限・短時間で行うなど注意が必要だが、分泌物による気道閉塞がある患者に「絶対禁忌」ではない。
看護師国家試験でも便秘・怒責が頭蓋内圧亢進を助長することが問われている。
問題15 正答②
1991年の国連総会で採択された「高齢者のための国連原則」は、次の5領域から構成される。
「自立」
「参加」
「ケア」
「自己実現」
「尊厳」
したがって空欄は「参加」で②となる。
高齢者福祉・老年看護では、単に名称を覚えるだけでなく、「高齢者自身が社会に参加し、意思決定にも関与できる」という考え方まで押さえておく。
問題16 正答①
新生児蘇生では出生直後から成人と同じSpO₂を目標にするわけではない。胎児循環から新生児循環へ移行する過程で酸素飽和度は徐々に上昇する。
NCPRでは右手〈pre-ductal〉にパルスオキシメータを装着し、目安として、
出生1分:60%以上
3分:70%以上
5分:80%以上
10分:90%以上
とする。したがって出生1分は①60%以上。NCPR公式教材でも同じ目標値が示されている。
なお、2026年の産科診療ガイドラインでもこの60・70・80・90%という目標値は維持されている。
問題17 正答④
Aさんは妊娠8週0日である。
①妊娠8週であれば、通常、経腟超音波検査で胎児心拍動を確認できる時期に入っている。
②最終月経開始日が11月26日で、28日周期であればネーゲレ概算法では「月−3、日+7」で翌年9月2日となる。したがって正しい。
③妊娠成立後は黄体からのプロゲステロン、その後は胎盤由来ホルモンの影響によって高温相が維持されるため正しい。
④が誤り。妊娠8週では子宮はまだ骨盤腔内にある。子宮底が恥骨結合上付近まで上がって腹壁から認識されやすくなるのは、おおむね妊娠12週頃である。
問題18 出題者想定②。ただし現行基準では正答なし
ここは非常に重要である。
Aさんの非妊時BMIは、
60.5kg ÷ 1.55² = 約25.18
となる。
現在の日本産科婦人科学会の区分では「BMI 25以上30未満=肥満1度」であり、単胎妊娠における体重増加指導の目安は「7〜10kg」である。
しかし選択肢は、
①増加なし
②おおよそ5kg
③7〜12kg
④13〜15kg
であり、「7〜10kg」が存在しない。
さらに重要なのは、この7〜10kgという基準は2021年度に日本産科婦人科学会から示されているため、「2026年になって基準が変わったから令和6年度問題と食い違った」という話ではない。令和6年度入試の時点ですでに新基準が存在した。
古い「妊産婦のための食生活指針」ではBMI25以上について個別対応とし、肥満度が軽い場合には約5kgを目安とする考え方が使われていた。その古い知識を前提に出題したと考えると②が想定正答と思われる。
したがって教材には、
「想定正答②。ただし現行基準および試験当時すでに示されていた2021年基準では7〜10kgで、該当選択肢なし」
と残すのが最も正確である。
問題19 正答④
妊娠8週の初期妊婦に対する保健指導を考える。
①Aさんは介護士で夜勤もあり、「体に負担がかかる」と訴えている。勤務時間、夜勤、重量物の取り扱い、休憩状況など仕事の内容を確認することは重要である。
②妊娠届を提出して母子健康手帳の交付を受けることについて説明する時期である。
③妊娠初期には流産や異所性妊娠なども念頭に置き、性器出血、腹痛など受診が必要な症状を説明することは適切である。
④バースプランは分娩・出産時の希望を具体化していくもので、妊娠8週の初回に優先して説明する内容ではない。したがって④。
問題20 正答①
就寝時には10〜15分間隔で子宮収縮があるものの、そのまま眠ることができ、朝には消失し、現在は何ともない。規則性・持続性が乏しいため、前駆陣痛と考えるのが妥当である。
②初産婦の分娩開始を判断する目安として、規則的な子宮収縮が10分以内、または1時間に6回以上となることなどが用いられる。「15分間隔になったら入院」と一律にはいえない。
③破水が疑われた場合は夜間であっても医療機関へ連絡し、指示を受ける必要がある。朝まで放置する説明は不適切である。
④少量の血性分泌物は「おしるし」の可能性があり、それだけで直ちに入院とは限らない。
したがって試験としては①。
ただし実際の患者指導では「前駆陣痛なので心配ありません」と完全に言い切るのは強すぎる。破水、出血増加、胎動減少、規則的な陣痛などがあれば連絡・受診するよう追加説明する必要がある。
問題21 正答④
正常胎児心拍数基線は原則110〜160bpmの範囲で評価される。したがって「110〜120bpm」は正常範囲に含まれ、④が正しい。
①持続性頻脈は正常とはいえない。母体発熱、感染、薬剤、胎児低酸素などの原因を検討する。
②変動一過性徐脈は臍帯圧迫などによって生じる。一過性・軽度で臨床的問題にならない場合もあるが、「正常所見」を一つ選ぶ問題なら④の方が明確である。
③基線細変動の消失は胎児低酸素、睡眠、薬剤などを考慮すべき所見であり、持続する場合は正常とは判断しない。
問題22 正答③
妊娠37週の妊婦が分娩監視装置を装着したまま仰臥位になり、「気持ちが悪くなってきた」と訴えている。
これは増大した子宮が下大静脈を圧迫して静脈還流量を減少させる「仰臥位低血圧症候群」をまず疑う場面である。
優先するのは左側臥位にして、子宮を下大静脈からずらすことである。したがって③。
血圧測定も当然必要だが、原因として考えられる大静脈圧迫をすぐ解除できる体位変換を先に行える。妊産婦の急変問題では「左側臥位」が非常に重要である。
問題23 正答①
13トリソミーは13番染色体が3本になる常染色体数的異常で、「Patau〈パトウ〉症候群」と呼ばれる。
13番染色体は常染色体なので①。
重度の先天異常を合併することが多く、中枢神経系、心臓、口唇口蓋などの異常がみられる。
問題24 正答①
ダウン症候群の多くは21番染色体が3本になる21トリソミーである。
21番染色体は常染色体なので①。
転座型・モザイク型なども存在するが、分類としては「常染色体異常」である。
問題25 正答②
ターナー症候群は典型的には45,Xで、X染色体が1本のみとなる性染色体異常である。
したがって②。
低身長、性腺機能不全、二次性徴の遅れ、翼状頸などを認めることがある。
問題26 正答①
18トリソミーは18番染色体が3本となる常染色体数的異常で、「Edwards〈エドワーズ〉症候群」と呼ばれる。
したがって①。
問題27 正答②
クラインフェルター症候群の代表的核型は47,XXYである。
X・Yという性染色体の数的異常なので②。
男性として出生するが、精巣機能低下、不妊、高ゴナドトロピン性性腺機能低下などを認めることがある。
問題28 正答①
花粉症はⅠ型アレルギーである。
Ⅰ型はIgEを介する即時型アレルギーで、肥満細胞からヒスタミンなどが放出される。花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アナフィラキシーなどが代表となる。
厚生労働省のGellとCoombs分類でもⅠ型の代表疾患としてアレルギー性鼻炎等が示されている。
したがって①。
問題29 正答②
「SLEはⅡ型アレルギー」は誤り。
全身性エリテマトーデス〈SLE〉は、抗原抗体複合体が組織に沈着して補体を活性化し炎症を起こす「Ⅲ型アレルギー」の代表として扱われる。
したがって②。
問題30 正答①
原問題では「突発性血小板減少性紫斑病」と印刷されているが、従来の正式名称は「特発性血小板減少性紫斑病〈ITP〉」であり、「突発性」は誤植と考えられる。
ITPでは血小板表面抗原に対する自己抗体が関与して血小板が破壊されるため、GellとCoombs分類ではⅡ型アレルギーとして扱われる。厚生労働省資料でもⅡ型の代表疾患に特発性血小板減少性紫斑病が挙げられている。
したがって①。
さらに2025年4月から指定難病の正式名称は「特発性血小板減少性紫斑病」から「免疫性血小板減少症」に変更されている。2027年度対策では新名称も覚えておく。
問題31 正答①
関節リウマチ〈RA〉は複数の免疫機序が関与する自己免疫疾患だが、GellとCoombs分類の古典的な試験問題では免疫複合体が関与するⅢ型アレルギーとして分類される。
厚生労働省資料でもⅢ型の代表疾患としてSLEとRAが掲載されている。
したがって①。
問題32 正答②
アナフィラキシーショックはⅣ型ではなくⅠ型アレルギーである。
Ⅰ型はIgEを介した即時型反応であり、アレルゲンへの再曝露などにより肥満細胞からヒスタミン等が急速に放出され、血管透過性亢進、血管拡張、気管支収縮などを起こす。
厚生労働省の現在の資料でも「アナフィラキシーはⅠ型アレルギー反応に属する」と明記されている。
Ⅳ型はT細胞を主体とした遅延型反応で、接触性皮膚炎などが代表である。したがって②。
問題33 正答②
閉経では卵巣の卵胞機能が低下し、エストロゲン産生が減少する。
したがって「閉経後に減少するもの」で②。
エストロゲン低下は更年期症状だけでなく、骨量減少、脂質代謝変化、泌尿生殖器症状などにも関与する。
問題34 正答①
卵巣からのエストロゲン・プロゲステロンが低下すると、視床下部・下垂体に対する負のフィードバックが弱くなる。
そのため視床下部からのGnRH刺激は増加方向となり、下垂体からFSH・LHが増加する。
したがってゴナドトロピン放出ホルモンは①。
問題35 正答②
閉経すると排卵・黄体形成が起こらなくなるため、黄体から分泌されるプロゲステロンは低下する。
したがって②。
厚生労働省の助産師国家試験でも「閉経期に血中濃度が低下するホルモン」としてプロゲステロンが問われている。
問題36 正答①
原問題では「黄体化ホルモン」と書かれているが、一般には黄体形成ホルモン〈LH〉と呼ぶ。
閉経後はエストロゲンやプロゲステロンによる負のフィードバックが弱くなるため、LHは上昇する。
したがって①。
問題37 正答①
FSH〈卵胞刺激ホルモン〉は閉経後に大きく上昇する。
卵巣機能が低下するとエストロゲンだけでなくインヒビンも低下するため、下垂体への抑制が解除され、特にFSH上昇が顕著となる。
看護師国家試験でも閉経に近づくと上昇するホルモンとしてLHとFSHが問われている。
したがって①。
問題38 正答②
「産褥10〜14日で非妊時の大きさまで戻る」は早すぎる。
分娩直後の子宮は約1,000g程度あるが、子宮復古によって徐々に縮小し、非妊時に近い大きさ・重量へ戻るにはおおむね産褥6週程度を要する。
産褥10〜14日頃には子宮が小骨盤内へ下降し、腹壁上から子宮底を触れにくくなるため、ここを「非妊時の大きさへ回復」と混同しやすい。
したがって②。
問題39 正答①
これは手書きの「②」に引っ張られてはいけない問題である。
乳汁産生は初期にはプロラクチンなどの内分泌性調節の影響を強く受けるが、乳汁分泌が確立してくると、乳房内にどの程度乳汁が残っているか、どれだけ吸啜・排乳されたかによる局所的な調節が重要になる。これが「オートクリン・コントロール」である。
乳汁が十分除去されると乳汁産生が維持・促進され、乳房内に乳汁が長く貯留すると産生が抑制される。
したがって「オートクリン・コントロールで乳汁産生が制御される」は正しく、①。
問題40 正答①
分娩は大きな身体活動であり、脱水、筋活動、ホルモン変化などによって、分娩直後から産褥24時間以内に一過性の軽度体温上昇を認めることがある。
したがって①。
ただし38℃以上の発熱が持続する場合や、悪露の悪臭、子宮圧痛、創部症状などを伴う場合には産褥感染などを考える。単なる「産褥だから発熱してよい」と判断してはいけない。
問題41 正答②
分娩では出血と産後の体液移動が起こるため、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットは変動する。しかし「分娩当日に必ず最低値になる」という表現は誤りである。
分娩後の体液シフトのため、HbやHtは産後24〜48時間程度まで低下していくことがあり、出血量や輸液量によって最低値となる時期も異なる。
したがって②。
「当日」「必ず」「最低値」という断定がポイントである。
問題42 正答②
妊娠中はGFR〈糸球体濾過量〉や腎血流動態が増加し、産後徐々に非妊時へ戻る。
しかしGFRは産後2週でも非妊時より高い状態が残ることが報告されており、「腎血漿流量と糸球体濾過量がともに産褥2〜3週で非妊時まで回復する」と言い切るのは不正確である。生理学的研究では産後2週でもGFRがおよそ20%高い状態が示されている。
最近のレビューでも腎機能の正常化には「数週間」を要するとされている。
したがって②。
この問題は「RPFとGFRを一緒にしている」点にも注意する。
問題43 正答②
健康保険では名称を正確に区別する必要がある。
「被保険者本人」が出産した場合
→ 出産育児一時金
「被扶養者」が出産した場合
→ 家族出産育児一時金
である。
したがって「被扶養者が出産した時は、出産育児一時金」とした43は誤りで②。
協会けんぽもこの名称を明確に区別している。
問題44 正答②
43とちょうど逆である。
被保険者本人が出産した場合は「出産育児一時金」であり、「家族出産育児一時金」ではない。
家族出産育児一時金は被扶養者が出産した場合の給付である。したがって②。
この2問は、
本人=出産育児一時金
扶養家族=家族出産育児一時金
と整理する。
問題45 正答①
被保険者本人が出産のために仕事を休み、一定の要件を満たした場合には「出産手当金」が支給される。したがって試験上は①。
ただし、選択肢は条件をかなり省略している。
正確には、被保険者が出産のため会社を休み、その期間について給与の支払いを受けなかった場合などが対象である。給与が出産手当金より少ない場合には差額が支給されることがある。協会けんぽによれば対象期間は原則として出産日前42日〈多胎妊娠98日〉から出産翌日以後56日までである。
したがって「無条件に休めば必ず支給」ではないことも覚えておく。
問題46 正答①
出産育児一時金は「1回の出産につき一律1件」ではなく、「胎児1人につき」支給される。
そのため双胎であれば2児分が支給されるので①。
協会けんぽも「多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給」と明記している。現在、一定の要件を満たす出産では1児につき50万円であるため、対象条件を満たす双胎なら原則2児分となる。
問題47 正答②
「妊娠3か月以上」が誤り。
健康保険上の出産育児一時金における「出産」は、妊娠85日〈4か月〉以後の出産をいう。生産だけでなく、妊娠85日以後であれば死産・流産・人工妊娠中絶も対象となり得る。
したがって②。
ここは数字問題なので、
「出産育児一時金=妊娠85日=4か月以上」
までセットで覚える。
今回の過去問で特に重要な修正点
この47問を一通り一次情報で再判定すると、画像に書かれている手書き回答をそのまま正答として採用するのは危険だと分かる。特に次の3点は教材化するときに注記した方がよい。
問題3は「想定正答④」だが、③の「膀胱子宮窩」という記載にも問題があり、厳密には単一正答性に疑義がある。
問題18はさらに明確で、BMI 25.18の現在の体重増加指導目安は「7〜10kg」。ところが選択肢に存在せず、出題者は旧基準から②「おおよそ5kg」を想定した可能性が高い。2021年度から7〜10kg基準が示されていたため、令和6年度試験当時から設問として問題があったと判断する。
問題30は原問題の「突発性血小板減少性紫斑病」が誤記とみられる。従来は「特発性血小板減少性紫斑病」、さらに現在の正式名称は「免疫性血小板減少症」である。
この3問は、単に答えだけ載せるより「埼玉医科大学短期大学の過去問で実際に生じている注意事項」として残しておく価値がかなり高い。特に問題18は、2027年度対策で古い問題集の数字をそのまま暗記させないためにも重要なポイントになる。
R 6年度:問題そのものは大学側の公式サイトから入試してください。
2025年度問題はこちらから入手
https://adm.saitama-med.ac.jp/tandai/wp-content/uploads/2026/03/senkouka_shiken_mondai.pdf
全50問 2025年度解説講義
問題1 公式正答②
ICNの看護師倫理綱領では、看護師の基本的責任として「健康を増進する」「疾病を予防する」「健康を回復する」「苦痛を緩和する」の4つが示されている。したがって、選択肢の中では「疾病の予防」が該当する。ICNの2021年改訂版でもこの4つは維持されている。
「基本的人権の尊重」はもちろん看護倫理上きわめて重要であるが、この問題は「基本的責任として列挙された4項目」を聞いているので④ではない。
ここは「倫理的に重要か」ではなく、「ICNがどう分類しているか」を正確に覚える問題である。
問題2 公式正答③
2023年の日本の合計特殊出生率は「1.20」である。
厚生労働省の2023年人口動態統計で、出生数は72万7,277人、合計特殊出生率は1.20と公表されている。
したがって③。
なお、これは「2023年」という年度指定問題なので、2026年現在の最新値へ置き換えて解いてはいけない。統計問題では「何年の値を聞いているのか」を必ず確認する。
問題3 公式正答③
母子保健法第16条では、市町村が妊娠の届出をした者に対して「母子健康手帳を交付しなければならない」と定めている。したがって③。
他の選択肢は法律が異なる。
育児時間は労働基準法、出生届は戸籍法、妊娠・出産を理由とした不利益取扱いの禁止は男女雇用機会均等法などが中心となる。
この学校はR6年度でも育児・介護休業法を出している。法律名と制度を結びつける問題は明らかに継続している。
問題4 公式正答③
子宮頸癌は、HRTに関して選択肢に挙げられた中では「リスク因子でない」とする③が正答。
HRTでは乳癌、子宮内膜に対する影響、血栓症などを考える必要がある。エストロゲンの作用によって子宮筋腫が増大する可能性もある。
一方、婦人科悪性腫瘍治療後のHRTについても、癌種・組織型・進行期などを踏まえて個別に判断されており、「子宮頸癌だからHRTで発癌リスクが上がる」と単純には扱わない。日本産科婦人科学会の婦人科外来編でも、婦人科癌治療後のHRTは癌種ごとに評価されている。
問題5 公式正答②
ブリンクマン指数は、
「1日の喫煙本数 × 喫煙年数」
で算出し、累積喫煙曝露量の目安として用いる。
例えば1日20本を20年間なら、
20×20=400
となる。
①Hugh-Jones分類は呼吸困難の程度、③修正Borgスケールも自覚的呼吸困難・運動強度など、④PaP scoreは緩和医療における予後予測に用いられる。
したがって②。
問題6 公式正答①
FDP〈fibrin/fibrinogen degradation products〉はフィブリン・フィブリノゲンの分解産物で、線溶亢進やDICなどの評価に用いる。
出血傾向を伴うDICでは凝固系活性化と線溶亢進が生じるため、FDPやD-dimerが上昇する。
②CRPは炎症、③HbA1cは過去1〜2か月程度の血糖状態、④eGFRは腎機能評価。
したがって①。
問題7 公式正答④
ビタミンB1〈チアミン〉欠乏によってウェルニッケ脳症を発症するため④が正しい。厚生労働省も、ウェルニッケ脳症はビタミンB1不足によって生じるとしている。
①視覚に重要なのは主にビタミンA。
②母乳栄養児で特に注意するのはビタミンK欠乏。
③骨粗鬆症に直接重要なのはビタミンDなど。
妊娠悪阻でも重度の嘔吐が続けばチアミン欠乏からウェルニッケ脳症を起こすので、助産受験では特に重要である。
問題8 公式正答④
プロラクチンは下垂体前葉から分泌されるので④。
①テストステロンは主として精巣Leydig細胞。
②hCGは妊娠成立後の絨毛組織、のちの胎盤。
③アドレナリンは副腎「髄質」。
「副腎皮質=コルチゾール・アルドステロン・副腎アンドロゲン」「副腎髄質=アドレナリン・ノルアドレナリン」は必ず分ける。
問題9 公式正答④
日本の食道癌は扁平上皮癌が大多数を占め、飲酒・喫煙が重要なリスク因子で、男性に多い。
誤っているのは「胸部下部食道が最も多い」とする④。
日本では胸部中部食道が最も多い。
したがって④。
ここも「欧米では腺癌が増えている」という知識と、日本の食道癌を混ぜないことが重要である。
問題10 公式正答④
労作性狭心症では、運動などによって心筋酸素需要が増加したときに一過性の心筋虚血が生じる。
胸部圧迫感・絞扼感などに加え、左肩から左上肢、特に尺側、頸部、顎などへ放散することがある。したがって④。
①深呼吸で悪化する疼痛は胸膜炎などを考える。
③狭心症発作は通常数分程度で、30分以上持続する強い胸痛なら急性心筋梗塞などを考える必要がある。
問題11 公式正答④
ERCPでは内視鏡を十二指腸まで挿入し、十二指腸乳頭からカテーテルを胆管・膵管へ進めて造影剤を注入する。
代表的な合併症が「ERCP後膵炎」である。日本消化器内視鏡学会も、ERCP後膵炎を代表的偶発症として挙げている。
したがって④。
造影剤を単純に静脈内投与する検査ではない。
また鎮静を行うこともあり、検査直後に何の観察もせず帰宅できる検査ではない。
問題12 公式正答③
重症筋無力症〈MG〉は、神経筋接合部の「シナプス後膜」にあるアセチルコリン受容体などを標的とする自己抗体によって神経筋伝達が障害される疾患である。日本神経学会にも2022年診療ガイドラインがある。
したがって③のエドロホニウムテストが正答。
①MGは基本的に運動障害で、感覚障害は生じない。
②アセチルコリン「放出障害」はLambert-Eaton筋無力症候群を考える。
④CKは通常著明に上昇しない。
なお、原問題には「血性クレアチニンキナーゼ」と印刷されている。医学的には「血清クレアチンキナーゼ」等を意図した誤記と考えられる。
問題13 公式正答②
急性動脈閉塞で有名なのが「5P」。
Pain:疼痛
Pallor:蒼白
Pulselessness:脈拍消失
Paresthesia:知覚異常
Paralysis:運動麻痺
である。
日本循環器学会の末梢動脈疾患ガイドラインでもこの5Pが示されている。
したがって「腫脹」は含まれず②。
むしろ動脈血流が途絶えるため、冷感・蒼白が重要となる。
問題14 公式正答③
大腿骨転子部骨折は大腿骨頸部骨折と異なり、関節包外骨折である。そのため骨折部からの出血が周辺組織に広がりやすく、殿部・大腿部の腫脹や皮下出血が目立つことがある。
したがって③。
①関節包内ではない。
②Garden分類は主として大腿骨頸部骨折。
④Hansson pinも主に頸部骨折に使用され、転子部骨折では髄内釘などが用いられる。
問題15 公式正答②
SLEではループス腎炎を高頻度に合併するので②。
厚生労働省の現在の診断基準でも、腎病変として尿蛋白や腎生検によるループス腎炎が重要項目となっている。
①SLEでは抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Sm抗体などが重要。
③メチルエルゴメトリンは子宮収縮薬であってSLE治療薬ではない。
④現在は予後が大きく改善しており、「10年生存率50%未満」という認識は明らかに古い。厚労省資料でも5年生存率95%以上とされている。
問題16 公式正答④
ただし、この問題は設問上の疑義あり
大学は④「長時間の手術ができない」を不適切としている。
硬膜外カテーテルを留置すれば局所麻酔薬を追加できるため、麻酔時間を延長できる。したがって④が公式正答となること自体は理解できる。
①意識を保ったまま施行できる。
③局所麻酔薬中毒は起こり得る。
問題は②である。
「麻酔薬の胎児への移行がない」という絶対表現になっている。
日本麻酔科学会は、妊婦へ投与された薬物は胎盤を介して胎児へ移行すると説明し、局所麻酔薬についても「胎児へほとんど移行しない」としている。「移行しない」とはしていない。
したがって、
「学校公式正答=④」
は固定する。
しかし最新医学としては、
「②は『胎児への移行が少ない』なら妥当だが、『ない』と断定したため厳密には不正確」
と注記するべき問題である。
これはR7年度で最初に見つかった要注意問題。
問題17 公式正答③
1,800mLを10時間で投与する。
10時間=600分。
1mL=20滴なので総滴数は、
1,800×20=36,000滴。
36,000÷600=60滴/分。
したがって③。
この学校はこういう基本的な滴下計算も出す。計算問題は絶対に落としたくない。
問題18 公式正答④
正常では、排卵された卵子は卵管采によって卵管へ取り込まれ、精子との受精は主として卵管膨大部で起こる。
受精卵は卵割しながら卵管を子宮へ移動する。
受精後約2日では4細胞期前後となるが、この時点ではまだ「着床」していない。
着床開始は一般に受精後6〜7日頃。
したがって④が誤り。
「4細胞までは正しいのに、着床しているを付けて誤答にする」というタイプ。文章を最後まで読む必要がある。
問題19 公式正答②
ここはかなり問題がある
大学公式は、
「乳管洞と呼ばれる乳汁を貯める場所がある」
を誤りとして②。
これは現在の乳房解剖に照らすと理解できる。
2005年に授乳婦を超音波で調べたRamsayらの研究では、従来想定されていたような典型的な大きなlactiferous sinus〈乳管洞〉は確認されず、乳管は乳汁を「貯蔵」するというより輸送する構造だと示された。
したがって②を誤りとしたこと自体は、むしろ新しい乳房解剖を反映している。
ところが①にも問題がある。
原文は「乳頭は枝分かれして、乳房の中に乳腺の本体を作る」という趣旨になっている。
枝分かれするのは「乳管」であって、「乳頭そのもの」が枝分かれするわけではない。
しかもRamsayらは、乳管が乳輪内部で急速に分枝することを報告している。
つまり、
学校公式正答=②
だが、文章を字義どおり読むなら①も誤りと評価できる。
これは単一選択問題として疑義あり。
教材化するときには必ず注記したい。
問題20 公式正答②
羊水の由来は妊娠時期によって変化する。
胎児尿は妊娠末期になって初めて加わるわけではなく、妊娠中期以降すでに羊水形成の重要な要素になる。
したがって②が誤り。
①妊娠末期になると胎脂や胎児由来成分などにより白濁してくる。
③羊水検査によって胎児情報を得られる。
④羊水は胎児を外力から保護し、運動空間を確保する役割も持つ。
問題21 公式正答①
切迫早産では、子宮収縮を抑制する目的でリトドリン塩酸塩が用いられる場合がある。日本産科婦人科学会も切迫早産について、リトドリン塩酸塩や硫酸マグネシウムの点滴治療を挙げている。
したがって①。
②ペニシリンは抗菌薬。
③ジドブジンは抗HIV薬。
④ジノプロストンは子宮頸管熟化・分娩誘発などに用いる方向の薬剤で、切迫早産を抑える薬ではない。
問題22 公式正答②
ただし2027年度対策では最新基準へ更新する
大学は「活動期は15分に1回」を正答②としている。
ただし現在の産科診療ガイドライン2026では、より細かく、
分娩第1期・入院時には「20分以上」分娩監視装置を装着。
正常なレベル1であれば、次の連続モニタリングまでの6時間以内は「15〜90分ごと」の間欠的胎児心拍聴取を認める。
異常波形であれば監視を強化する。
とされる。
したがって本試験時の想定として②を採点するのはよいが、2027年度受験生へ、
「活動期=必ず15分に1回」
と固定暗記させるのは危険。
①も「20分」ではなく現在は「20分以上」が正確。
③徐脈なら10分ごとで済ませるのではなく、異常所見に応じ連続監視・原因検索などが必要。
④第2期を30分ごとだけで見るのは不十分。
ここも「試験公式正答」と「現在の管理基準」を分ける。
問題23 公式正答③
正常な頭位分娩では、胎児後頭部が母体前方へ回旋した「前方後頭位」で娩出へ進む。
したがって③。
①前頭位は反屈位。
②低在横定位は児頭回旋異常。
④前頭頂骨進入は不正軸進入。
助産受験では「胎位・胎向・胎勢・回旋」は必須。
問題24 公式正答④
乳汁産生のエンドクリン〈endocrine〉コントロールとは、ホルモンによって乳汁分泌が調節される段階。
プロラクチンなどが中心となる。
したがって④。
一方、
局所の乳房内で乳汁除去量などによって調節されるのが「オートクリンコントロール」。
R6年度ではまさに「オートクリン・コントロール」が出題されていた。
これは非常に重要である。
R6:オートクリン
R7:エンドクリン
と、同じ論点を裏返して2年連続出題している。
問題25 公式正答②
1型糖尿病だからといって、学校生活や行事を一律に禁止する必要はない。
日本小児内分泌学会も、良好な血糖コントロールが得られていれば「ほとんどの学校行事への参加には制限がない」と説明している。
したがって②。
①通常の学校給食も、インスリン量や摂取量を調整しながら対応できる。
③インスリンは単純に「帰宅したらすぐ」と時刻だけで決めるものではない。
④学校専属看護師の配置を必須条件とするものでもない。
○×問題
問題26 公式正答①
女性の尿道カテーテルでは成人用として概ね12〜16Fr前後が一般的で、教材によっては12〜18Frの範囲を示す。
したがって本試験では①。
ただし現在の感染予防・尿道損傷予防では、「排尿に必要な範囲でできるだけ細い適切な径」を選択する考え方が基本なので、「女性なら常に18Frまで普通に使う」と覚える必要はない。
問題27 公式正答②
尿流出が確認された瞬間にその場でバルーンを膨らませるのは危険。
カテーテル先端だけ膀胱内に入り、バルーン部分が尿道内に残っている可能性がある。
尿流出を確認したうえで十分に膀胱内へ進めてから、規定量でバルーンを拡張する。
PMDAの医療安全資料でも、尿流出を確認し、膀胱内でバルーンを拡張する手順が示されている。
したがって②。
問題28 公式正答②
固定用バルーンへ生理食塩水を入れる、という記載が誤り。
製品の添付文書・手順に従い、通常は規定量の「滅菌蒸留水」を使用する。
PMDA資料にもバルーンへ規定量の滅菌蒸留水を注入する手順が示されている。
したがって②。
問題29 公式正答①
バルーンを適切に膀胱内で膨らませた後、抵抗を感じるまで軽く牽引して膀胱頸部に接したことを確認し、過度な牽引がかからない位置へ戻して固定する。
したがって①。
重要なのは「強く引っ張った状態で固定しない」こと。
問題30 公式正答②
男性の尿道留置カテーテルを陰茎を下方へ向け、大腿内側へ強く固定すると、尿道に圧迫・牽引が加わる。
男性では尿道の走行を考慮し、一般に下腹部方向へ適切に固定する。
したがって②。
問題31 公式正答②
ここでいう「口腔内与薬」は舌下・頬粘膜などから吸収させる方法を指している。
粘膜から吸収された薬物は、通常の経口投与のように消化管から門脈を経て最初に肝臓へ入る経路を大きく回避できる。
したがって「肝臓を通り全身循環へ入る」という説明は誤りで②。
ニトログリセリン舌下薬が代表。
問題32 公式正答①
直腸粘膜は血流が豊富で、坐薬は経口薬より比較的速やかに吸収・作用するものがある。
また直腸下部から吸収された薬剤の一部は門脈を経由せず、肝初回通過効果を回避できる。
したがって本試験では①。
ただし、薬物ごとに製剤・吸収速度が異なるため、「すべての直腸薬がすべての経口薬より速い」という普遍的法則ではない。
問題33 公式正答②
皮内注射は非常に浅い真皮内へ少量注入するため、より細い注射針を用いる。
23〜25Gという記載は皮内注射として太め。
したがって②。
皮内注射ではツベルクリン反応などが代表的。
問題34 公式正答②
「肩峰と上腕後面肘頭を結ぶ線の上方1/3」というようなランドマークは、皮下注射の標準部位を示したものではない。
皮下注射では上腕伸側、腹部、大腿前外側など、十分な皮下組織を確保できる部位が選ばれる。
したがって②。
問題35 公式正答①
筋肉内注射では皮下脂肪厚や針長などに応じて角度を決めるが、教材上45〜90度として扱われることがあり、本試験では①。
ただし現在の成人筋注、とくにワクチン筋注では「90度」が標準的。
したがって受験では、
「公式正答=①」
を維持しつつ、実際の筋注を45度固定と覚えないこと。
問題36 公式正答②
水痘ワクチンは生ワクチン。
妊婦への生ワクチンは原則禁忌である。年齢が高いから接種可能になるわけではない。
現在の産科診療ガイドライン2026でも、「妊婦に対する生ワクチンは原則禁忌」としている。
したがって②。
問題37 公式正答①
新型コロナワクチンはmRNAワクチン等であり、「生ワクチン」ではない。
産科診療ガイドライン2026でも、生ワクチン以外の不活化・トキソイド・mRNAワクチンは妊娠中の有益性を踏まえ接種可能としている。
したがって妊娠10週という理由だけで禁忌にはならず①。
問題38 公式正答①
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、妊娠中に接種可能。
「20週以前だから不可」という制限はない。
したがって①。
問題39 公式正答②
ロタウイルスワクチンは乳児に経口投与する生ワクチン。
第一子が感染したからといって、妊婦へロタ生ワクチンを接種するという対応にはならない。
しかも妊婦への生ワクチンは原則禁忌。
したがって②。
問題40 公式正答①
現在日本で使われるポリオワクチンは不活化ワクチン。
曝露リスクが高く、接種による利益がリスクを上回ると判断されれば妊婦への接種を検討できる。
したがって①。
ここは、
生ワクチン=原則禁忌
不活化・トキソイド・mRNA=必要性を評価して接種可能
という大枠を理解すると解ける。
問題41 公式正答②
妊娠初期の週数評価では、8〜10週頃はCRL〈頭殿長〉が重要。
日本産科婦人科学会の2026ガイドラインでも、妊娠11週を超えるとCRLの誤差が増えるため、その後はBPD〈児頭大横径〉を利用するとしている。
したがって「8〜11週をBPDで評価」という記載は誤りで②。
非常に出しやすい問題。
「初期=CRL、11週以降=BPD」
を押さえる。
問題42 公式正答①
超音波ドプラ法による胎児心拍は妊娠初期から確認でき、妊娠12週頃にはほぼ全例で確認可能となる。
したがって①。
なお、これは「超音波断層法で心拍動を見る」と「ドプラで胎児心音を聴取する」を区別しておく。
問題43 公式正答②
NT〈nuchal translucency〉を正しい条件で測定する時期は妊娠11週0日〜13週6日。
妊娠15〜16週ではない。
日本産科婦人科学会ガイドラインにも11週〜13週6日と明示されている。
したがって②。
これも数字まで正確に覚える。
問題44 公式正答①
ここは言葉を混同しやすい。
「第1分類」は児背が母体前方を向く状態を指すため①。
一方、
「第1胎向」
は児背が母体の左側にあることをいう。
「第1分類」と「第1胎向」は別概念。
この学校はこういう似た用語の区別をかなり狙ってくる。
問題45 公式正答①
大学は妊娠36週における子宮底の長さ28〜30cmを正しいとして①。
ただし子宮底長には母体体格、胎児の大きさ、羊水量、胎位などによる個体差があり、現在の臨床では単一の数字だけで正常・異常を決定するものではない。
受験上は公式正答①を固定。
ただし予想問題では「36週なら絶対29cm」といった硬直的な作り方は避けるべき。
問題46 公式正答①
新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常などを症状出現前に発見し、早期治療へつなげる検査。
こども家庭庁によれば、従来の全国的マススクリーニングは20疾患を対象として都道府県・指定都市が実施しており、検査費用は地方交付税措置等を背景に公的に実施されている。
したがって①。
なお現在はSMA・SCIDの追加に向けた実証事業も進んでいるため、2027年度対策では「20疾患だけ」と固定しない方がよい。
問題47 公式正答①
胎便吸引症候群〈MAS〉では、胎便で混濁した羊水を胎児・新生児が気道内へ吸引し、気道閉塞、炎症、肺胞障害などを起こす。
重症例では出生直後から多呼吸、陥没呼吸、チアノーゼなどの呼吸障害を示す。
したがって①。
過期産や胎児機能不全との関連も重要。
問題48 公式正答②
母体血を嚥下したことによって新生児便が黒くなる場合は「仮性メレナ」。
新生児本人の消化管出血によるものが真性メレナ。
したがって「母体血を大量に嚥下すると真性メレナ」は誤りで②。
母体血か新生児血かを区別する検査としてApt試験も関連知識として覚える。
問題49 公式正答②
Moro反射は、頭部位置の急な変化や大きな刺激などに対し、上肢を外転・伸展し、その後内転・屈曲する新生児原始反射。
「音を聞いて瞬目する」だけの反射ではない。
したがって②。
厚生労働省の国家試験でもMoro反射は新生児の代表的原始反射として繰り返し出題されている。
問題50 公式正答②
新生児は学童より血圧が低い。
出生後、成長とともに血圧は徐々に上昇していく。
したがって「新生児の方が学童より高い」は誤りで②。
脈拍・呼吸数は逆に新生児の方が多い。
ここは、
新生児:脈拍多い、呼吸数多い、血圧低い
とセットで整理する。
2026年度入試:過去問はこちらから入試
https://adm.saitama-med.ac.jp/tandai/wp-content/uploads/2026/07/senkou_gakuryoku_kaitou.pdf
問題別 詳細解説
問題1 公式正答④
ファロー四徴症〈Tetralogy of Fallot:TOF〉を構成する4つの病態は、
「心室中隔欠損」
「右室流出路狭窄・肺動脈狭窄」
「大動脈騎乗」
「右室肥大」
である。
したがって④「大動脈騎乗」が正しい。
日本小児科学会の資料でも、この4徴がそのまま示されている。
①動脈管開存はファロー四徴症そのものを構成する四徴ではない。ただし重症ファロー、特に肺動脈閉鎖を伴う場合には肺血流が動脈管に依存することはある。
②は「左室肥大」ではなく「右室肥大」。
③は肺動脈「拡大」ではなく、右室流出路・肺動脈の「狭窄」。
ここは非常に基本的だが、「4つ全部」を即答できる状態にしておく必要がある。
問題2 公式正答②
18〜29歳女性の脂質の目標量は、総エネルギー摂取量の「20〜30%」であるため②。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が根拠となる。2025年版は2025〜2029年度に使用する現行基準である。たんぱく質の目標量は18〜29歳女性で13〜20%エネルギーとされているため、「50%」ではない。
炭水化物も30〜40%ではなく、50〜65%エネルギーが基本。
したがって、栄養問題では単に「脂質は控える」と覚えるのではなく、
たんぱく質:13〜20%
脂質:20〜30%
炭水化物:50〜65%
というエネルギー比まで整理したい。
問題3 公式正答③
③「国民健康保険」。
医療保険は大きく、会社員等を対象とする被用者保険と、地域住民を対象とする国民健康保険などに分けられる。
国民健康保険は都道府県と市町村等が保険者となり、被用者保険や後期高齢者医療制度に加入していない住民を対象とする。
①船員保険は被用者保険。
②共済組合も被用者保険の系統。
④後期高齢者医療制度は原則75歳以上などを対象とする独立した制度。
R6・R7・R8と社会保障制度を形を変えて繰り返しているので、この学校ではかなり重要な領域だ。
問題4 公式正答①
最も古いのは①児童虐待防止法。
正式名称は「児童虐待の防止等に関する法律」で、公布日は2000年5月24日。
一方、
成育基本法:2018年
こども家庭庁設置法:2022年6月22日
こども基本法:2022年6月22日
である。こども基本法とこども家庭庁設置法の公布日はe-Govでも確認できる。
したがって①。
この学校では「法律の内容」だけではなく「時系列」まで聞いてきた。ここはR6の育児・介護休業法、R7の母子保健法とはまた違う出し方である。
問題5 公式正答③
腰椎穿刺では、穿刺針が神経根を刺激すると下肢へ放散する痛みやしびれを訴えることがある。そのため③「穿刺中は下肢のしびれに注意する」が適切。
第100回看護師国家試験でもほぼ同一論点が出題され、「検査後の頭痛・吐き気を観察する」「穿刺中は下肢症状に注意する」ことが基本になっている。
①通常の腰椎穿刺そのものに8時間の絶食を必須とはしない。
②椎間を開く必要があるので、背筋を「伸ばす」のではなく、側臥位で膝を抱え込み、背中を丸める。
④頭部を高くする、というのも従来の穿刺後管理として適切ではない。
なお、現在は「穿刺後に長時間仰臥位をとれば頭痛を必ず予防できる」という考え自体にはエビデンス上議論がある。ただし③の正しさには影響しない。
問題6 公式正答③
点滴中は輸液容器を刺入部より十分高い位置に保つため、③が正しい。
①左上肢は輸液ラインが入っているため、「何の制約もない健側」と同じ扱いにはしない。
②脱衣では通常、制約のない側から先に脱がせ、その後輸液側を処理する。
④着衣時には、輸液ラインを引っ張ったり抜去したりしないよう、輸液容器・ラインと袖を適切な順序で通してから上肢を入れる。
この種のケアで最も危険なのは、寝衣交換そのものより「輸液ラインの誤接続・屈曲・抜去」である。厚生労働省も、寝衣交換を伴う輸液ライン管理で誤接続事故が起きていることを示している。
問題7 公式正答②
大動脈弁狭窄症〈AS〉では、重症になるまで比較的長期間無症状で経過することがある。したがって②。
日本循環器学会ガイドラインでも、左室駆出率が保たれた無症候性重症ASは、慎重な経過観察下で無症状期間を過ごし得ることが示されている。
③は誤り。大動脈弁狭窄では左室から大動脈への血液駆出に抵抗がかかるため、圧負荷が加わるのは「左室」。したがって左室肥大をきたす。
④も誤り。典型症状は、
労作時呼吸困難
狭心痛
失神
であり、狭心症状は重要。
①「女性の方が多い」と一律に扱う疾患でもない。
問題8 公式正答②
②「スクリーニングを行うので輸血後感染は起こらない」が誤り。
現在の輸血用血液は非常に高度なスクリーニングが行われているが、感染症リスクを完全にゼロにはできない。
日本赤十字社も輸血副作用として細菌感染、ウイルス感染等を扱っている。
①TRALI〈輸血関連急性肺障害〉では、輸血後数時間以内に急性呼吸不全、非心原性肺水腫などを生じる。
③反復して血小板輸血を受けると、HLA抗体などが形成され、血小板輸血不応状態になることがある。
④輸血後GVHDは輸血後1〜2週間程度で発熱、発疹、肝障害、下痢、汎血球減少などを呈する。
問題9 公式正答①
①ロサンゼルス分類。
逆流性食道炎の内視鏡所見を、粘膜傷害〈mucosal break〉の大きさや広がりによってN、M、A〜Dなどに分類する。
日本消化器内視鏡学会でも改訂ロサンゼルス分類が用いられている。
②Goligher分類は内痔核。
③Quinckeは血管性浮腫などで知られる名称。
④Child-Pugh分類は肝硬変の重症度評価。
「疾患―分類名」の組合せは、この学校が非常に好きな出題形式である。
問題10 公式正答④
妊娠糖尿病の75gOGTT診断基準は、
空腹時 92mg/dL以上
1時間 180mg/dL以上
2時間 153mg/dL以上
のいずれか1点以上を満たす場合。
したがって④「2時間値153mg/dL以上」が正しい。
①空腹時126mg/dL以上は、GDMというより妊娠中の明らかな糖尿病を考える値。
②HbA1c 5.8%はGDM診断基準ではない。
③1時間値は190ではなく180mg/dL。
この「92・180・153」は助産受験では必須。
問題11 公式正答②
頭蓋内圧亢進が進行すると、Cushing現象として、
血圧上昇
徐脈
呼吸異常
が生じる。
したがって②「頻脈」が誤り。
厚生労働省の脳死下臓器提供事例でも、頭蓋内圧亢進に伴う「徐脈傾向」が記録されている。
③瞳孔不同は脳ヘルニアなどでみられ得る。
④うっ血乳頭も頭蓋内圧亢進の代表的所見。
ここは「血圧↑なのに脈拍↓」という組合せを覚える。
問題12 公式正答①
大量出血によるショックでは循環血液量が減少し、腎血流が低下する。
腎実質そのものが最初から壊れているわけではなく、「腎臓へ十分な血液が届かない」ためにGFRが低下するので、①腎前性急性腎不全〈現在は腎前性AKI〉。
日本腎臓学会でも、ショックなどによる腎血流低下は急性腎障害の重要な原因として扱われる。
②糸球体腎炎、③間質性腎炎は腎実質性。
④は尿路閉塞などによる腎後性。
「出血・脱水・ショック→腎血流低下→腎前性AKI」という流れで理解する。
問題13 公式正答④
④「細菌性腟症―クロラムフェニコール」が正しい。
PMDA資料でも、クロラムフェニコール腟錠は細菌性腟症に使用されてきた薬剤として確認できる。
①エストリオールは主として萎縮性腟炎など。
②メトロニダゾールは腟トリコモナス症や細菌性腟症で使用されるため、「カンジダ症」との組合せは誤り。
③オキシコナゾール硝酸塩は抗真菌薬なので、腟カンジダ症に用いられる。
ここもR7に続き、「疾患と薬剤の組合せ」。
問題14 公式正答④
④「杖は健側で使用する」。
片側の膝関節に疼痛がある場合、杖を反対側で持つことで患側下肢への荷重と膝関節モーメントを減らせる。
①膝歩きは膝に大きな負担をかける。
②日本整形外科学会も変形性膝関節症の日常生活指導として「洋式トイレを使用する」「正座を避ける」ことを挙げている。したがって和式トイレを勧めるのは逆。
③あぐらも膝関節の大きな屈曲・回旋を伴うため、「正座より良いから積極的に勧める」と単純には言えない。
問題15 公式正答④
シェーグレン症候群では涙腺・唾液腺などの外分泌腺が自己免疫性に障害され、ドライアイ・ドライマウスが生じる。
長時間の読書では瞬目回数が減り、涙液蒸発が進みやすいため、④「長時間の読書を避ける」が適切。
日本リウマチ学会の教育資料でも、シェーグレン症候群の主要症状としてドライアイ・ドライマウスを挙げ、人工涙液などによる症状緩和が治療の基本に含まれている。
②防腐剤入り点眼薬を積極的に使うとは限らず、頻回点眼では防腐剤による角結膜障害にも注意する。
③アイメイクを「全面禁止」とまではしない。
①唾液腺刺激・マッサージが口腔乾燥への補助となる場合はあるが、本問では眼乾燥症状への生活ケアとして④が明確。
問題16 公式正答①
ここは非常に良い問題。
高齢者では体内水分量が低下する。
そのため水溶性薬物の分布容積が小さくなり、同じ量を投与すると血中濃度が高くなりやすい。したがって①。
厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針」にも、
体内水分量↓ → 水溶性薬物の分布容積↓
体脂肪率↑ → 脂溶性薬物の分布容積↑
肝血流・代謝能↓
腎血流・GFR↓ → 腎クリアランス↓
と明記されている。
②脂溶性薬物は脂肪組織へ広く分布し、半減期が延びやすい。「血中濃度が単純に上昇する」という説明ではない。
③肝初回通過効果が低下すれば、むしろ全身循環へ到達する量が増える薬剤がある。
④腎排泄型薬物は腎機能低下によって排泄されにくくなるため、血中濃度は「低下」ではなく上昇しやすい。
問題17 公式正答③
音に対する反応ではないのは③「後弓反張」。
厚生労働省の新生児聴覚検査資料では、音刺激に対する乳児の行動として、
Moro反射
眼瞼反射
覚醒反応
などが示されている。
驚愕反射も突然の音刺激で生じる。
一方、後弓反張〈opisthotonus〉は体幹を強く反り返らせる異常姿勢で、中枢神経障害、髄膜刺激、重症疾患などで問題となる所見。
したがって③。
問題18 公式正答④
正しいのは④「児童ポルノ事犯の検挙件数は前年より減少」。
令和6年版男女共同参画白書では、令和5年の児童ポルノ事犯検挙件数は2,789件で、前年より246件、8.1%減少したとされている。
①は逆。ワンストップ支援センターへの相談件数は「年々増加」。
②も逆。性暴力の加害者は被害者が知っている人物である割合が高い。
③「20%だけが誰にも相談していない」も実態よりかなり少ない。性暴力被害では誰にも相談していない割合が非常に高いことが継続して報告されている。
この問題は医学ではなく、完全に「最新白書を読んでいるか」の問題である。
問題19 公式正答②
31週で子宮頸管短縮・開大と規則的子宮収縮があるため切迫早産。
使用しないのは②「ジノプロスト」。
ジノプロストはプロスタグランジンF2α製剤で、子宮収縮作用を持つ。切迫早産で「子宮収縮を止めたい」患者へ使用する薬ではない。PMDAもジノプロストを子宮収縮薬として扱っている。
①ベタメタゾンは早産が予想される妊娠34週未満などで胎児肺成熟を促進する目的に使用。
③リトドリン塩酸塩は子宮収縮抑制薬。
④妊娠32週未満で早産が差し迫る場合、硫酸マグネシウムは胎児脳保護目的などで使用される。産科診療ガイドラインでも扱われている。
したがって②。
ここはR7年度の「切迫早産薬」からさらに一段臨床的になっている。
問題20 公式正答②
正常なのは②「生後22時間のレンガ色尿」。
新生児では出生直後の尿が濃縮され、尿酸塩結晶が析出すると、オレンジ色〜レンガ色の尿染みを認めることがある。
①出生2時間で血糖30mg/dLは低すぎる。日本産婦人科医会では、健康新生児の血糖目標を生後48時間までは50mg/dL以上としている。
③生後24時間以内の黄疸は「早発黄疸」で、病的黄疸として評価する。
④3,200gから2,850gへの減少は350g。
350÷3,200≒10.9%。
生理的体重減少として一般にみられる範囲を超えており、哺乳量や脱水を評価する必要がある。日本産婦人科医会も体重減少8〜10%を補足栄養などを検討する所見の一つとして挙げている。
したがって②。
胎盤剥離徴候
問題21 公式正答②
誤り。
臍帯に付けた鉗子が外陰部からさらに下降するのは「Ahlfeld〈アールフェルド〉徴候」。
Schröder〈シュレーダー〉徴候ではない。
Schröder徴候は胎盤剥離後、胎盤が子宮下部へ移動することによって、子宮底が上昇し、子宮が細長く硬くなり右方へ偏位する所見。
したがって②。
この名称の区別は厚生労働省の助産師国家試験でも実際に出題されている。
問題22 公式正答①
正しい。
Schultze〈シュルツェ〉様式では胎盤の中央部から剥離が始まる。
胎盤後面に血液がたまりながら剥離が進み、最終的には「胎児面」から先に娩出される。
反対に、辺縁から剥離して母体面側から娩出されやすいのがDuncan〈ダンカン〉様式。
したがって①。
覚え方は、
Schultze=中央→胎児面
Duncan=辺縁→母体面
までセット。
問題23 公式正答②
誤り。
記述されている「恥骨結合上部を圧迫して臍帯の動きをみる」のはKüstner〈キュストナー〉徴候に関係する。
Strassmann徴候は、子宮底への刺激・軽打が臍帯へ伝わるかどうかによって胎盤の剥離状態をみる徴候。
したがって②。
R8年度は胎盤剥離徴候を5問まとめて出しているが、単純暗記ではなく「名称を入れ替えて誤答を作る」形式になっている。
問題24 公式正答①
正しい。
胎盤自体は子宮壁から剥離していても、子宮下部・峡部などが異常に収縮して収縮輪を形成すると、胎盤が子宮腔内に閉じ込められて娩出できなくなることがある。
これが「嵌頓胎盤」。
したがって①。
「剥がれない」のは癒着胎盤など、「剥がれたが出られない」のが嵌頓胎盤、と分けると理解しやすい。
厚生労働省の疾病分類でも「胎盤残留、嵌頓胎盤、癒着胎盤」は区別して扱われている。
問題25 公式正答②
誤り。
「子宮底が上昇し、子宮が細長く右方へ傾く」はAhlfeld徴候ではなく、Schröder徴候。
Ahlfeld徴候は、外陰部付近の臍帯につけた鉗子・印が下降してくる所見。
したがって②。
21と25は完全に対になっている。
21では「AhlfeldをSchröderと呼ばせる」。
25では「SchröderをAhlfeldと呼ばせる」。
つまり学校側は、単語を一つだけ覚えた受験生ではなく「徴候名と現象を正確に対応できるか」を見ている。
産褥期
問題26 公式正答②
誤り。
乳頭・乳輪への吸啜刺激によってオキシトシン分泌が促されること自体は正しい。
誤りは「下垂体前葉」。
オキシトシンは視床下部で合成され、「下垂体後葉」から血中へ放出される。
下垂体前葉から分泌され、乳汁「産生」を促進するのはプロラクチン。
整理すると、
プロラクチン=前葉=乳汁産生
オキシトシン=後葉=射乳+子宮収縮
である。
厚生労働省の国家試験資料でも、オキシトシンは下垂体後葉系ホルモンとして扱われている。
問題27 公式正答①
正しい。
分娩後、子宮は急速に縮小し、数週間かけて非妊娠時へ戻る。
臨床的にはおおむね産後4〜6週頃には非妊時に近い大きさへ回復するため①。
R6年度の問題38では、
「産褥10〜14日で非妊時の大きさに回復する」
を誤りとして出していた。
そしてR8では、
「4〜6週で戻る」
を正しいとして出した。
これはかなり重要。
R6で出した同一論点を、2年後に数字を正しいものへ変えて再出題している。
問題28 公式正答②
誤り。
マタニティブルーズは産後数日頃から現れやすいが、通常は一過性で、長くてもおおむね1〜2週間以内に軽快する。
日本産婦人科医会では「産後数日から2週間程度のうちに症状が出現し、大抵は産後10日程度で軽快する」としている。
したがって「2〜3か月続く」は明らかに長すぎる。
症状が2週間以上持続したり、育児・日常生活に大きな支障をきたしたりする場合には産後うつ病などを考える。
よって②。
問題29 公式正答①
正しい。
正常な産褥経過で、会陰部や全身状態に問題がなければ、骨盤底筋を意識して収縮・弛緩する軽い運動は産褥早期から開始できる。
したがって「産褥1日目から行える」という学校の正答は①。
ただし、ここは「産褥1日目なら全員に強いトレーニングをさせる」という意味ではない。
会陰裂傷・血腫・疼痛
恥骨結合離開
大量出血
帝王切開後の状態
などがあれば個別に判断する。
厚生労働省の看護師国家試験資料でも、産褥1日目の生活指導として骨盤底筋体操が選択肢に置かれており、産褥早期から評価・指導対象となる。
問題30 公式正答②
学校公式では誤り。
産後は腹圧低下、腸蠕動低下、会陰創への恐怖、水分不足などから便秘になりやすい。
基本的には、
水分摂取
食物繊維
早期離床・歩行
規則的な排便習慣
疼痛への対応
などを行い、必要に応じて緩下薬などを検討する。
「産後2〜3日排便がない→腹部温罨法を行う」と機械的に決めるものではないため②。
ただし、この設問には少し注意が必要。
腹部温罨法そのものは一般的な便秘症状に対する非薬物的介入として研究されており、「産褥婦には絶対にやってはいけない処置」という意味ではない。したがって本問は、
「産褥2〜3日に排便がない場合の標準的対応として腹部温罨法を一律に行う」
ことを誤りとしている、と理解するのが妥当。
ここを「腹部温罨法=産褥期禁忌」と覚えるのは危険である。
④ 2026年度で特に重要な問題
今回30問すべてを公式正答と一次情報で照合したが、R6年度の「体重増加量」のような明白な正答欠落問題は、R8年度では今のところ見当たらない。
ただし、教材化するときに注記したいのは次の2問。
問題29
学校公式は①で妥当だが、「産褥1日目から骨盤底筋トレーニング可能」は「正常な産褥経過で疼痛等に問題がなければ」という条件付きで理解する必要がある。
問題30
学校公式②は採用する。ただし「腹部温罨法自体が医学的に禁止」という意味ではない。排便がないことだけを理由として一律に実施する標準ケアではない、というのが適切な解釈。
3年間の問題を分析した結果
R8年度には、過去問分析上かなり強い「再出題」がある。
たとえば「産褥」。
R6
→子宮復古、乳汁産生、体温、血液、腎機能
R7
→エンドクリンコントロールなど乳汁分泌
R8
→オキシトシン、子宮復古、マタニティブルーズ、骨盤底筋、排便となっている。
特に「子宮復古」はR6で「10〜14日ではない」と聞き、R8では「4〜6週である」と再出題している。「乳汁分泌」も、
R6:オートクリンコントロール
R7:エンドクリンコントロール
R8:プロラクチンとオキシトシン
と3年連続で形を変えている。
これはもう偶然とは考えにくい。
さらに社会保障・法律も、
R6:育児・介護休業法
R7:母子保健法
R8:医療保険+母子関連法の公布年
と3年連続だ・
そしてR8では「妊娠・分娩・産褥だけ」へ寄るどころか、
心疾患、栄養、保険制度、腰椎穿刺、基礎看護技術、輸血、GERD、頭蓋内圧
腎不全、整形外科、膠原病、老年薬理、小児
まで普通に出している。
したがって3年分127問を見た現在、埼玉医科大学短期大学はかなり明確に、
「看護師国家試験レベルを全領域で落とさない力」
+
「母性・助産の正常経過を細かく正確に覚えている力」
の両方を要求する学校だと判断してよい。
そして何より、「一度出した論点を捨てない」。同じテーマを2〜3年後に別角度から再度聞いてくる。
