「NICU志望なのにドクターヘリを語れ」──看護学校の就職指導が恐ろしいほどズレているワケ

  • 2026/06/23
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先日、ある看護学生から相談を受けました。

本人はNICU志望。

将来は新生児看護に携わりたい。

そのために病院研究も頑張っていたそうです。

ところが学校の就職指導で言われた内容を聞いて私は耳を疑いました。

「その病院はドクターヘリが有名だから、そこをアピールした方がいいよ」

「救命救急センターも強いから、救急に興味があると言った方がいい」

いや、ちょっと待ってください。

NICU志望ですよね?

なぜ突然ドクターヘリの話になるのでしょうか。

なぜ救急医療の話になるのでしょうか。

その瞬間に思いました。

この先生方、採用試験について何も分かっていない。

厳しい言い方になりますが、これは看護師採用試験においては幼稚園児レベルの指導です。

なぜなら面接官は病院自慢を聞きたいわけではないからです。

多くの看護学生が勘違いしていること

就職活動になると多くの学生が病院研究を始めます。

病院の理念を調べる。

病院の特徴を調べる。

病院の強みを調べる。

ここまではまあ別にいい

問題はその後。

なぜか学生たちは病院のパンフレットを暗記し始めます。

そして面接でこう言います。

「貴院は高度救命救急センターがあり」

「ドクターヘリを運用しており」

「地域医療の中核を担っており」

面接官からすると、

「それ、うちのホームページ読んだだけですよね?」

で終わりです。

当たり前ですが病院の特徴など面接官の方が100倍知っています。

そこで勝負しても勝てるはずがありません。

NICU志望ならNICUを語れ

例えばNICU志望者なら、

なぜ新生児医療なのか。

なぜ小児領域なのか。

どのような看護師になりたいのか。

その病院のNICUで何を学びたいのか。

もちろん圧倒的な看護職の視点で面接官を驚かせてあげれば、「異次元の就活生」と思われます。

にもかかわらず、

「ドクターヘリが魅力です」

「救急医療に興味があります」

と言い始めたらどうでしょう。

面接官は困惑します。

本当にNICU志望なのか?

小児をやりたいのか?

救急をやりたいのか?

結局何がしたいのか?

評価が下がるのは当然です。

なぜ学校の就職指導はズレるのか

これは構造的な問題です。

学校の先生方は看護教育の専門家です。

しかし採用試験の専門家ではありません。

毎年何百件もの受験報告を分析しているわけでもありません。

病院ごとの面接傾向を集計しているわけでもありません。

採用側の評価基準を把握しているわけでもありません。

つまり、

国家試験対策には詳しい

実習指導にも詳しい

しかし就職試験になると別競技なのです。

サッカーの名監督が野球を教えられるとは限りません。

それと同じです。

実際に東大病院受験生はどうだったか

私のところに来る受験生の多くも最初は同じです。

学校から言われた内容をそのまま志望動機に入れてきます。

しかし面接対策を始めると真っ先に修正します。

病院の特徴を語るのではなく、

自分が何をしたいのか。

なぜその病院なのか。

その病院でなければならない理由は何か。

そこを徹底的に掘り下げます。

すると面接の内容がまるで別物になります。

実際、今年の東京大学医学部附属病院受験者は一次試験(ESの段階)ですら全員合格しました。

最終結果も11名も内定しています!

しかし少なくとも、

志望動機がズレている

病院研究の方向性を間違える

面接官に違和感を持たれる

こうした初歩的なミスは防げています。

就職試験は学校の成績では決まらない

看護学生の中には、

「先生が言ったから正しい」

と思っている人がいます。

それは危険です。

就職試験で評価するのは学校の先生ではありません。

病院の採用担当者です。

面接官です。

看護部長です。

つまり見る人が違うのです。

だから評価基準も違います。

看護学生の就活で最も怖いのは知識不足ではありません。

間違ったアドバイスを正しいと思い込むことです。

もしあなたがNICUを志望しているなら、ドクターヘリの話をする前に考えてください。

面接官は本当にそれを聞きたいのでしょうか。

採用試験とは病院の説明会ではありません。

あなた自身を売り込む場なのです。